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旅のはじまり

ある森の住処に、

オオカミのこども 「ガオ」 と、リスのこども「 ピピ」 が 住んでいました。


ガオは、朝の空のような 水色の目にグレーの立派な毛。

なんでもできて、みんなの 人気者。


強くなりたくて、

「これが正しい!」と思ったことを、思いきってやってみます。


でも ときどき、

その“正しさ”を 無理やり 押しつけてしまうことが ありました。


ピピは、小さな 体に、ふわふわの 茶色の毛。

緑色のくりくりの目が かわいいけれど、


人前に出るのが苦手で、 すぐに丸まって、しっぽの中に隠れてしまいます。

「いやだ」と言えず、 いつも兄弟たちに意地悪をされていました。


ふたりはとても違っていましたが、 とても仲良しでした。


そんな、ある日のこと。

森の長である、 白い羽と静かなまなざしをもつホーホー爺が、 ふたりを呼びました。


「ガオや、ピピや。そろそろ 旅に でる ときじゃ。」


ガオは 胸をはっていいました。

「ぼく、つよくなるためなら、どこへでも いくよ!」


その大きな声に、ピピは びくっ、と 体を小さくします。

ピピは、小さな声で たずねました。


「ぼ、ぼくも……いくの?」


ホーホーじいは、

ふたりの 頭を 優しく なでました。


「ガオ。おまえは 強い心を もっておる。

 じゃが、ときには だれかを 傷つけてしまうことも あるんじゃ。

 それに 気づくための旅じゃよ。」


ガオは すこし 目をふせました。


「ピピ。おまえの 優しさは 宝物じゃ。

 じゃが、声を 出さねば、その宝は とどかぬ。

 自分の気持ちを すこしだけ 言えるように、なっておいで。」


ピピは どきどきしながらも、ゆっくり うなずきました。


ホーホー爺は、

しずかな森に ひびく声で いいました。


「さあ、行くのじゃ。

 ふたり 一緒なら、大丈夫。」


こうして ふたりの 旅が、始まりました。

さて、 ふたりには、 どんな動物たちとの出会いが待っているのでしょうか。

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