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この道の向こう側
2025年3月26日
朝3時。深夜の余熱をまとったスバルのハンドルは、どこか懐かしい温度を帯びていた。暖かい飲み物を買うことすら忘れて、高速に乗る。誰もいない首都高。
煌々と光る渋谷の街を斜めに貫きながら、都市の光がただ黙って視界を流れていく。そこにあるのは日常の断片なのに、どこか現実感がない。
やがて用賀の手前で、自然と右手に目をやる。
カーナビには映らないその先に、真里の街が広がっていることを、僕だけが知っている。
あの部屋の灯りは、今も点くことがあるのだろうか。
真里は元気に暮らしているのだろうか。僕のいない世界で、誰かと笑っているだろうか。
ほんの一瞬、出口の案内板が過ぎ去る時、ウィンカーに指がかかる。
けれど、降りなかった。
僕はこの道を選んだのだ。何かを確認するためじゃない。もう一度、迷わない。
今日(3/26)のリアルを書いてみました。