安楽椅子ニート番外編18
出井「木崎さん、俺、これから出ますんで。」
木崎「ああ。そう?」
出井「出たら、そのまま直帰しようと思います。」
木崎「なに?戻れないの?」
出井「・・・ちょっと戻ってくるの面倒臭いので、そのまま、時間つぶして帰っちゃおうかと。」
木崎「・・・わかるけど、もう少し、頭つかって言い訳しろよ?・・・それ、聞いちゃったら、戻って来いって言わなくちゃじゃん?」
出井「ははははははははははは。・・・俺と木崎さんの仲じゃないですか?・・・なんとか、誤魔化してもらって。」
木崎「・・・百歩譲ってだぞ?定時までは仕事してろよ?いいな!」
出井「さすが木崎さん。わかってる!サボリはサボリですけど、そういう事はちゃんとサボりませんのでご安心ください。」
木崎「ウソつけ!・・・お前、外回りもウソじゃないだろうなぁ?」
出井「外回りの嘘って何ですか?そこまで手の込んだ嘘、つきませんて。今日は、3件まわって、ええぇっと、瀬能さんちとか」
木崎「あ、出井。」
出井「ええ、なんですか?」
木崎「瀬能さん、今、家にいないぞ?」
出井「ええ?・・・それこそ嘘でしょ?」
木崎「いや、今、日本海側のリゾート地に行くって。この前、言ってたぞ。」
出井「それ、いつの話ですか?・・・俺、ちゃんと瀬能さんにアポ、取りましたよ?ええ?・・・また、勝手にぃ。なんですか、リゾート地って。遊びに行っているんですか?・・・まったく、もうぉ!」
木崎「一概に遊びではないっぽいんらしい。」
出井「リゾートに行くっていったら、遊びしかないでしょ?なんだよぉ!」
木崎「廃墟の点検に行くらしいぞ。」
出井「・・・廃墟?・・・どういう事ですか?・・・なにしてるんスかあの人は?」
木崎「いやぁ、俺が知るか、そんなもん。日本海側にある、有名なリゾート地あるよなぁ?あそこ。海岸の上の方に、バブル時代に建てたホテルがあるんだけど、廃業しちゃったらしくて、そこ、有名な廃墟ホテルらしいんだよ。そこの点検に行くって言ってたな。」
出井「なんですか、それ?意味が分かりませんが。」
木崎「俺だって知らねぇよ。瀬能さんが言ってたんだ。廃墟ホテルの点検、検査があって、それを頼まれたんだと。しかも、一泊してくるんだとか。」
出井「廃墟のホテルに泊まるんですか?・・・正気の沙汰じゃないですね?」
木崎「事故物件のアレとかと一緒だろ?一泊、泊って、何事もなければそれで良しっていう。」
出井「それ?大丈夫な奴なんですか?・・・迷惑系の動画配信とか、許可も取らないテレビ局の取材とか、そういう奴なんじゃないんですか?」
木崎「土地不動産を管理する会社から、相談を受けたって言ってたから、正規なんじゃないか?」
出井「え?ああいう、廃墟って誰かが管理しているんですか?」
木崎「バカだなぁ。お前、この地球上で、持ち主が不明な土地があるかよ?ぜんぶぅ税務署が調べ上げて税金、取ってるんだから、誰の物でもない土地、建物がある訳ないだろ?あんな誰も使っていない廃墟だって固定資産税、取られているんだから。」
出井「いやいやいやいやいや。木崎さん。俺だってそれくらいは分かりますけど、誰も管理しないから廃墟になってる訳でしょ?国とか県の持ち物じゃないんですか?あれ。」
木崎「お前、廃墟が国の持ち物だったら、とっくに解体されて更地になってるよ。国は税金、取りたいんだからな。遊ばせておく土地なんか持つ訳ないだろ?」
出井「ああ。言われてみれば。」
木崎「民間の持ち物だったら、まとまった金がなけりゃ解体もできないし、保つなら保たせるだけ保たせないとな。先延ばしって奴だ。建物自体の強度みたり、金属の腐敗みたり、そもそもだよ。ああいう廃墟ホテルは、バカが勝手に侵入して、建物破壊したり、火をつけたり、何年か前、火事になったりしただろ?迷惑な話だよ?・・・誰もいない所に勝手に入って火をつけて、それで、人が死んでみ?・・・管理者責任問われるのは、税金払っている土地の管理者だよ?ふざけんな!って話になるよな。」
出井「ああ、確かに。」
木崎「出井、お前、廃墟ホテル、廃墟ビルで一番、怖い物って分かるか?」
出井「・・・う~ん。一番でしょう?やっぱり、オバケですか?・・・オバケ、幽霊が出ると、怖いですし。」
木崎「まぁ、幽霊?・・・幽霊ねぇ。」
出井「真面目な話、俺も幽霊は信じていないですよ。この方、一度も見た事ないので。ただ、幽霊が怖いのは、人を呪うとかそういう事じゃなくて、噂の方だと思うんです。幽霊が出るとか、噂が出ると、バカが寄ってくるじゃないですか?それこそ肝試しとかなんとか言って。動画配信者に限らず、昔から、廃墟に幽霊が出るってなったら見に行く奴、いっぱいいますからね。そういう奴等が勝手に不法侵入して、好き勝手やって、挙句の果てに放火で火事。」
木崎「んじゃぁ、幽霊は呼び水の効果があるって事か?」
出井「そういう事です。だから一番は幽霊!・・・どうです?」
木崎「俺も幽霊は見た事ないんだけど、見える人が見ると、あながちああいう話もバカに出来ないみたいだぞ?」
出井「でも、それっておかしくないですか?廃墟って言っても、数年前までは何かしら運用されていた施設な訳ですよね?ホテルだったり遊園地だったり。人が大勢、集まってくる時は幽霊の話が出ないのに、廃墟になった途端、幽霊が出るっていうのも理屈が合わないと思うんですよ?その幽霊はどこから来たの?って話で。ええ、なんて言うんですか、廃墟で、幽霊が出るくらい気持ちが悪い、気味が悪いなら、理解できますよ。でも、幽霊が怖いって話が違うようにしか思えないんですよね。」
木崎「お前、理詰めで物言うタイプだなぁ。・・・正解は幽霊ではありません。」
出井「うーん。」
木崎「正解は、」
出井「待って下さい。待って下さい、木崎さん。俺、答えますんで。」
木崎「お前、さっさと外回りに行けよ。」
出井「気持ち悪いじゃないですか、答えが分からないと。それに、瀬能さん、いないんでしょ?行っても意味ないし。
わかった!わかりました、木崎さん。答えは、動物。害獣です。地震で倒壊した原子力発電所、あるじゃないですか?あの近く、一帯が一斉退去させられましたよね。人が住まなくなってものの数か月で町が森に返ったっていうんですよ。熊とか鹿とか、猪、猿。人間の代わりに野生動物が我が物顔で住みついちゃったって話。そこの住人は、自分の家に帰るのに、熊とか鹿に襲われるのを注意しなくちゃいけないらしいんです。
それと一緒で、廃墟になったホテルに、熊だの鹿だのが住みついちゃって、反対に人間が襲われちゃう。熊と対峙するには、素手じゃどうにもならないですからね。廃墟に入る度に、猟友会の人を頼むのもお金、かかりますし。熊を殺せる弾だって、散弾銃じゃ焼け石に水ですよ?殺傷能力が高い貫通する弾じゃないと。そういう弾は高額で、やたらめったら買えないし、公安もうるさいし、地権者にとっても、銃を所持する人達にも、割に合わないみたいですね?・・・正解でしょ?」
木崎「お前、詳しいな。・・・瀬能さんから、聞いたのか?それ。・・・瀬能さん、俺に教えてくれた話だぞ、それぇ。」
出井「正解ですね。良かった。」
木崎「正解ではありません。残念でした。」
出井「違うんですか?」
木崎「正解を発表します。正解は」
出井「死体!」
木崎「死体はないわ。」
出井「いや木崎さん。そこで死んだのか、それとも犯罪で使われたのか、死体を遺棄されるっていうのが犯罪かつ迷惑で、一番、物騒な話じゃないですか?一度遺棄されれば二度目もされますよ?死体がすぐ見つかればいいですけど、動物に喰い荒らされれば損壊されるし、腐乱も進む。肝試しに来た奴らに見つかれば更に話が大きくなる。警察も出動。まぁただ、人が死ぬのは別にどこでも死にますから、その、廃墟だけの話じゃあないと思うんですけどね。死体遺棄は別問題ですよ、それは犯罪ですから。」
木崎「そりゃそうだわなぁ。」
出井「世間で事故物件とかなんとか言われていますけど、あれも、建物の所有者、管理者から言わせれば、迷惑な話で、人はいつかは死ぬんです。自宅で死んだだけで事故物件扱いされるのも心外だと思うんですよね。高齢者なら誰でも抱えている問題ですから。その、事件性がない自然死と、事件性がある死は分けて議論しないといけないと思いますよ。不動産会社なんかそういうの分けないで、人が死んだら、同じように、扱って、人の死に対して敬意が欠けていると思います。家財道具一切捨てられて、部屋にお坊さん呼んでお経あげて、供養して、終わり。それはそうかも知れないですけど、違う気がするのは気のせいですか?」
木崎「俺に言われても仕方がないけど。確かに死体の処置は困るよな。何したって最後は警察、呼ばなくちゃだし。」
出井「正解でしょ?これは。」
木崎「残念ながら違います。出井、答え、言うぞ。・・・答えは経年劣化です。」
出井「・・・経年劣化。・・・木崎さん。面白くありません。答えが普通過ぎて。」
木崎「お前、建物の経年劣化を甘くみるなよ?瀬能さんもそれを点検に行くわけだから。廃墟の怖い所は、人の管理が行き届いていない所なんだ。人がいれば悪い所は修繕されるが、見る人がいなければ、その悪い所も見つからないし、反対に、良い所も分からない。どこが不良個所なのか、見当がつかないんだ。どんな古い建物も、人が住んでいれば長く保つ。人が面倒みてるから東大寺だって現存してるし、ガウディが作ったマンションだって生きてる訳だろ?」
出井「・・・まぁ、そう、言われればそうですけど。当たり前過ぎて答えとしてどうなの?ってあります。一番でしょ?」
木崎「コンクリートの建物だって、せいぜい三十年ぐらいしか保たないんだ。どこの鉄筋ビルだって修繕、修繕、修繕よ。下手したら中の鉄が錆びて腐って、解け落ちている可能性だってあるんだぞ?調べないから、知らないだけで。ある意味、瀬能さん、命懸けだわな。歩いている廊下がいきなり崩壊する可能性だってゼロじゃない。
特に厄介なのが、アスベストだ。」
出井「あああああ。これは詰みですね。詰みです。」
木崎「詰んだ、とか言ってられないだろ?」
出井「ああ。これは頭の痛い問題ですね。盲点でした。」
木崎「ある年代の建物までは一般的に使われてたアスベストだが、今となっては、公害だ。おまけに、建物の老朽化、経年劣化は待ってくれない。放っておいても廃墟ビルは倒壊する。・・・アスベストと一緒にな。
そうなったらどうにもならないぞ。お手上げだ。地域住民のみならず、地下水やら河川があれば、下流の地域から全て訴えられる。金で解決できるうちはいいが、そうなったら、金で解決できる話じゃなくなるからな。一生、牢屋から出られない。いや、一生、裁判とアスベスト除去に付き合わされるハメになる。人に恨まれながらな。怖い。怖い。
そうなる前に、アスベストを除去しながらビルを解体しなくちゃいけないんだけど、場所が場所だ。廃墟になっているくらいだから、普通の場所に建ってない。山の上とか、海の近くだとか。そんな足場を組むのも大変な所に、足場を組んで、飛散防止のネットを巻いて、特殊な薬を散布して、その除去をする作業員だって、それ相応の経験がある会社に頼まないといけないから、まぁ、とにかく、金がかかる。廃墟ビルを壊すには金がかかるんだよ。金が。」
出井「怖いですね。本当に怖い話だ。」
木崎「瀬能さんが行って、検査して、建物の老朽化が進んでいなければ、先延ばしに出来るって寸法よ。廃墟の持ち主は、少しでもいいから、長くそのまま建っててくれればいいと思っている訳。」
出井「・・・それだって、いつまで先延ばしできるかは、限度がありますよね?」
木崎「いよいよどうにもならなくなったら、国が乗り出すしかないだろうなぁ。・・・手放しちゃえばいいんだからさ。」
出井「ああ。」
木崎「固定資産を国に差し上げます、って言えば、それで済んじゃう場合もあるからな。売るとかそんな、おこがましい。差し上げるんだ。ただ、不良物件だけどな。」
出井「でも、それってある程度、綺麗になってないとダメなんじゃなかったでしたっけ?」
木崎「破産してるなら貰ってくれると思うぜ?一応、不良物件でも、資産は資産だからな。」
出井「地権者も、廃墟とかになる前に、動ける内に動いていないから、そうなるんですよ。体力があるうちに撤退して更地に戻さないと。いよいよ壊せなくなりますよ。」
木崎「日本中、お金がなくて壊せない廃墟がいっぱいじゃないか。そういう所に、瀬能さんみたいな人がいって、カンカン、カンカン、叩いて、検査してくるんだよ。あれも大変だよな。叩くの。」
出井「それは分かりましたけど、瀬能さん、どうして一泊してくるんですか?やっぱり、不法侵入者を見つける為だとか。」
木崎「それもそうだろうけど。人間もそうだけど、一番は、野生動物だろうなぁ。何するにしたって調査しないと。たぶん、瀬能さんは先遣隊だ。瀬能さんが無事ならば本来の調査員が入って、調査するんだろうよ。」
出井「・・・捨て駒?ですか。」
木崎「言葉が悪いよ。お前。・・・本隊の前の先遣隊だよ。・・・地権者も廃墟には近づきたがらないんだ。どうしてだと思う?一番、怖いもので出ちゃったけど、やっぱり怖いのはオバケ。幽霊なのさ。人間が怖がるものは幽霊。一晩、廃墟で過ごしてもらって幽霊が出なければ、本体が出動するんだそうだ。」
出井「・・・言っちゃなんですけど、幽霊ってそんなに怖いものなんですかねぇ?何もしてなければ怖くないでしょ?」
木崎「幽霊が出るっていう噂の廃墟に行くと、十中八九、体調を壊す人間が出る。出井、お前、それ、幽霊の呪いだと思わないか?」
出井「呪いですか?・・・う、うん。俺はそういうの信じていないんで、呪い?う、ううん。オバケが出るっていう所に行けば、怖いっていうストレスで精神的にやられちゃうだけじゃないですか?」
木崎「・・・お前、惜しいなぁ。残念。少し、違う。あれ、知ってるか、ツタンカーメンの呪い?」
出井「え?今度はツタンカーメンですか?・・・呪い?」
木崎「ああ。王家の谷っていう所から見つかったんだけど、ピラミッドになかったおかげで盗掘されずに済んだとされている。それで、棺桶を開けたんだが、それに立ち会った人間が、次々と死んで行ったんだ。眠る王を起こしたバカ共に死の呪いをかける、ツタンカーメンの呪いってな。」
出井「・・・ツタンカーメンなら呪われそうな気がします。王様だし。」
木崎「その呪いも現在は、病気なんじゃないかと言われている。カビだ。菌。」
出井「菌?」
木崎「数千年、棺桶が封印されていた訳だろ?王墓自体、砂の下だ。棺桶もそう。棺桶の中に、当時のカビが空気に触れずに増殖していたとしても不思議じゃないだろ?別のウィルスっていう説もある。とにかく言えるのは、棺桶の中から、ミイラを取り出したのと一緒に、菌やウィルスの封印も解いてしまったって訳よ。それを吸い込んで死んでしまったんだ。その証拠に、棺桶をあけて即死ならまだ呪いかも知れないが、数日後に死んだ事からも、感染して発症するまで時間差を裏付けている。徐々に体を蝕む時間だ。」
出井「それも、ツタンカーメンのある種、呪いじゃないですか?・・・開けた奴を殺すっていう。」
木崎「偶然だけどな。・・・ツタンカーメン程じゃなくても、幽霊が出る廃墟に行くと体調を崩すのは、それと同じ原理だ。幽霊が出る所なんて、だいたいジメジメして湿っぽい所だろ?明るい陽気な場所にオバケは出ないからな。出るならゾンビだ。ジメジメした所は、ツタンカーメンの棺桶と一緒。カビ菌が増殖いている。そのカビ菌を吸えば、体調が悪化するのは当然だ。しかも帰った後ぐらいから悪くなる。幽霊の呪いだと思うだろ?」
出井「じゃあ、なんですか?・・・廃墟に行くなら、防塵防カビ、そういうマスクが必要だって事ですか?」
木崎「その通り。安全に廃墟を歩くには、ウィルスを通さないレベルのマスクが必要だって事だよ。先遣隊も命懸けだよなぁ。いやぁ、瀬能さん、尊敬するわ。」
出井「・・・バイオハザードですね。」
木崎「そういう格好で行くんじゃないの、最終的には。」
出来「廃墟のイメージが変わりました。」
木崎「ああいう所は、どっちにしたって、安易な気持ちで行けば、ろくな事がないって事よ。毒ガスマスクと、狼のおしっこ、それと、人形が必須らしい。」
出井「狼のおしっこは聞いた事があります。熊除けになるって。それと、人形?・・・幽霊対策ですか?」
木崎「ああ。もし、本当に怖い幽霊がいたら、どんな徳の高い坊さんが経を読んだ所で意味はないんだそうだ。所詮、人間だ。人知の超えたものに関しては最初から危険だったら近づかない。それしか逃れる術はないけど、もし、仮に、向こうに見つかってしまったら、エサを出してその隙に逃げるしか方法はないんだと。生け贄っていうか身代わりだ。そのエサに喰いついている隙に逃げるんだそうだ。自分の身代わりになる人形を持っていくって言ってた。本当は、より呪詛の高い物を持っていけば、熊に対する狼のおしっこ同様、向こうが逃げるらしいんだが、そんな物は簡単に貸してくれないし、自分が呪われてしまう可能性があるから、持っていけないって、瀬能さんが言ってたぞ。」
出井「・・・え?・・・急に怖い話になりましたよ?」
木崎「俺もそういうの見えないけど、瀬能さんから言われてさ。外回りする時、相手先の雑居ビルとか、訪問先のお宅とか、どこにどんな奴がいるかわからないから、持ち歩くようにしたんだ。人形。ヤバイと思ったら、これ捨てて逃げれば済むし。俺の身代わりだ。・・・お前も、外回り、気を付けろよ?」
出井「あんたの所為か・・・どうりで瀬能さんにちかづけないわけだ・・・」
※本作品は全編会話劇です。ご了承下さい。