『旅をする速記者と運命の神』
長旅をしてきた速記者が、井戸のふちに座って休んでいました。どんなに疲れても、歩きながら寝る人は、まずいませんが、座ってしまうと、眠気に襲われます。はい、襲われました。
速記者が手に持っていたプレスマンが、井戸に落ちそうになったとき、運命の神が速記者を起こして、すんでのところでプレスマンを落とさずに済みました。速記者は運命の神に感謝しましたが、運命の神は言いました。お前を助けようとしたのではない。しかし、私がお前を起こさず、プレスマンが井戸に落ちたら、お前は必ず私を恨みに思うだろうから起こしたのだ。お前のためにやったことではないから感謝しなくてよい、と。
教訓:神に助けてもらって感謝しなくてよいとは、何とお得な、ということではない。