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汚辱返上

「なあ?」

講義が終わり、荷物をまとめているとふと声をかけられる。

顔を上げると、同じ講義を受けている男子が心配そうな目で見ていた。

「えっと、、」

僕が声を出そうとすると。

「ああ。俺は、この講義に出てるんだけど、前にさ、食堂でお前に絡んで来た奴がいただろ?」

男子の目が少し泳ぐ。言っていいか、考えているようだったが。

「あいつさ、モータースから来ている、大使らしいんだ。息子とかじゃなくてさ、、あいつが大使らしい。だからさ、、」

本当に心配して声をかけてくれたらしい。

「ああ。ありがとうね。心にとどめておくよ」

僕が返事をすると、少し安心した顔をする男子。

「ああ。そういえば、自己紹介が送れたね。僕は、シノレス。よろしく。ついでに、大使さんは、ラハムって奴らしい」

笑いながら、右手を出してくれる。


僕は、思わずその手を握り返していたのだった。



「あのっ!」

校舎を出た先で声をかけられる。

何か、前にもこんな事があった気がしたけど。

振り返ると、そこにはちょっと背の小さい、銀髪が揺らめいている。

「この前は、ありがとうございました。それで、、あの、、」

シェミが顔を赤くしている。

「今日、シュウ君の家に寄ってもいい?」

ロネが、笑いながらシェミの補足をする。


「別に構わないと思いますよ。特に用事はありませんし」

ミホがいつも通り表情の無い顔でこちらを見ている。

その返事に、何故か二人とも微妙な顔をしているのが見えた。


「あの、、」

部屋に入るなり、さらに顔を赤くするシェミ。

そっと両手を出して来る。

僕は、少し笑いながらその両手を取る。

ゆっくりと魔力の流れを調節していく。

「魔力調整はうまく行っているみたいでよかった」

魔力5万とか、普通なら魔力が溢れて大変だと思う。

今考えたら、僕なんて、魔力1万でも十分魔力を持て余していたと思うのに。

そんな事を思いながら、シェミの魔力調節を続けるのだった。





「よぉ、シュウ」

講義が終わり、研究レポートを提出するために自分の前にモニターを出した時、突然声をかけられる。

「講義の、課題レポートだろ?」

そう言いながら、自分のレポートを見て来るシレノス。

「はぁ?」

数行読んだだけで、声が出る。

「これ、、どこで聞いた話だよ。聞いた事もない方法だぞ」

だろうと思う。

ここに書いてあるのは、魔力統制の中の初歩。

魔力制御の中にある、魔力の濃縮と、拘束だから。

「魔力封印とか言われてる物が存在するなら、こんな感じかなぁと思って書いて見てる」

それだけをシレノスに伝えて、一度モニターを閉じる。

「それ、、過去の文献にしかない、眉唾物の話だろ?」

シノレスが、呆れた顔をする。

そのあきれ顔を見ながら、眉唾物でもなんでもなくて、シミ先生ならぜんぜん行えるんだけどなと考えていると。


「シュウ!シュウ君はいるかな!?」

突然、教室へと入ってくる講師。

すごく慌てているのか、息も切れているし、汗も大量に出ていた。

入って来た講師は、シュウを見つけると。

「すぐに、理事長室へ来てくれ!」

すごく慌てた口調で叫ぶのだった。



「入ります」

理事長室の扉を開けると。

その中にいたのは。

「やあ。久しぶりだね。いろいろ聞いているよ。学園生活を楽しんでいるようでなによりだ」

セムヤザは、満面の笑みを浮かべながらこちらを見て来る。

「学園の理事長と、領主の兼務ですか?忙しそうですね」

してやったりといった顔をしていたセムヤザが、なんか憎らしく感じてしまって、思わず悪態がついてでる。

「まあ、知らないとそうなるよね」

少し苦笑いを浮かべるセムヤザ。

「ところで、、」

僕たちの衝撃が落ち着いて来た頃。

真顔になって、僕たちの方を見るセムヤザ。

「君の事は調べさせてもらった。その中で君自身にいろいろと技術があると思って来てもらったんだけどね」

秘書なのか。

お姉さんが、飲み物を僕たちの前に置いて行く。

一例して、お姉さんが部屋を出たのを確認して、セムヤザは再び口を開く。

「この領地で、大量の魔力榴弾(りゅうだん)を持ち込んだ奴がいる」

僕は、あっけに取られてしまう。


魔力榴弾。

ゼウスで、自爆していた人達が使っていた超小型の爆弾だ。

普段は手に持って、投げる物なんだけど、自動機構兵器相手にはいまいち破壊力が足りないので、あまり大量に取り扱われる物では無い武器だ。


「おそらく、数トン単位、、この町を大混乱に落とし込む事くらいは容易に出来る量だ」

「それを僕に教えて、どうしろと?」

僕は身構える。

「これは、君に対してのお願いになる。保管場所を探って欲しい」

断ろう。

セムヤザの依頼は、厄介すぎる。

そう思って口を開こうとした時。

「この仕事を請け負ってくれるなら、君の身の安全は保障しよう」

私が後ろ盾になってもいいんだよ。

少しだけ柔らかい表情のセムヤザから、そんな意思が伝わって来る。

「受けた方が良いようです。おそらく、私たちの現状を把握しています」

ミホが、僕の耳元で小さく囁く。

厄介。そう思いたいけど。

「大量の自動機構兵器に囲まれても、君を渡さないくらいの決意はあるんだけどね」

セムヤザの笑っていない目を見て。

僕は、了承の意味を込めて、目の前に出された手を握り返すしかなかった。





ストーリとは別の甘い部分を書いて行くと、、、ストーリーが進まない、、、

どうしよう、、、


とりあえずは、読んでいただき、本当にありがとうございます。

少し投稿に時間がかかる事もあるかもしれませんが、気長に読んでいただければ幸いです。

さらに、評価をぽちっとしていただくと、嬉しい限りですし、原動力になります。

どうか、よろしくお願いいたします。

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