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才能

ゆっくりと自動機構兵器を動かして、倒れてしまった他の同級生の機体を起したりしていく。

「さすが、、という感じかな」

講師をしている、指導員が感心している顔を見る余裕すらあった。

「すごい、、、」

目を見開いて、こっちを見ているシェミ。

「・・・・」

何も言わずに、こっちをじっと見ているミホ。


ただ。。僕自身は。。

「きついっ!ミホ、調整するなら、せめて5000くらいでも動くようにしておいてよっ。小指だけ動かして物を移動させてるみたいで、すっごく大変なんだけどっ!」

誰にも気が付かれないように。

しかし、はっきりと独り言を言い続けていた。

20万リットル流れてる滝から、500リットルだけくみ出すってどれだけ大変か分かる?

本当に、そういって、問い詰めたい。


それでも、スムーズに作業用の機体を動かして実習の時間は終わったのだった。


「あーーーー」

自動機構兵器から降りた僕は、地面に横になっていた。

今までなら、ミホが膝枕をしてくれていたのに、ミホは横でただこちらを見ているだけだ。

ただ、、なぜか、膝枕はされていた。


銀髪の髪がサラリと目の前を通り過ぎる。

「本当に、ありがとうございます」

なぜか、頭を撫でられながら、僕はシュミの膝の上にいた。

「ほんとうに、凄いよ。というか、、、本当に、、ヒト?」

ロネが、疑惑の目を向けながら、僕を覗き込んでいる。

まあ、ロネは、僕が片手で自動機構兵器を止めたのを見ているから。

とりあえず、愛想笑いだけしてロネに答える。


授業は終わっていたのだけど。僕が自動機構兵器から降りた瞬間、動けなくなったから、今は僕たちしかいない。

次の講義も無いから、みんなバイトやら遊びに行ったりしていなくなっている。

そんな中、魔力をちょっとだけ絞り出すという作業をし続けて精魂尽きた僕を何故かシェミが抱えてくれている。


「ごまかそうとしてる、、けど、聞いちゃいけない奴っぽいよね」

意外と、察しがいいらしい。

ロネは自分の頬を掻くと、笑顔になる。

「私は、見なかった。何にも見なかった。それでいいのかな?」

「そうしていただけると助かります。他の学生にもみられていますが、言い訳は可能です」

ミホが冷たく返事をする。


まあねぇ。

「とりあえず、僕は、バルカン帝国の最新装備を持っている。それでごまかすよ」

二人が見ている前で、僕は魔力盾を生み出す。

びっくりしている二人に。

「もし、この嘘に乗ってくれるなら、魔力の使い方と、スーツ化の仕方を教えるよ」

自分でも意地が悪い笑みを浮かべているのだろうなと思いながら、二人を見ると。


二人とも、真剣な顔で深くうなづいてくれたのだった。



「で、、、なんで二人がいるのかな」

僕は、寮に戻った。はずだった。

寮といっても、学園長が探してくれたのはホテルだった。

そんなに支配者が欲しいのか。

その必死さをひしひしと感じて、怖くなったりもした。


けど、それよりも今はこの状況の方が良く分からない。

二人が、何故か、その僕が泊まっているホテルのベッドに座っていたりするんだけど。

まぁ。椅子とかはあまりないから、座る場所はそこしかないのだけれど。


「男の部屋に来るとか、、」

僕が頭を押さえていると。

「あら。魔力の使い方を教えてくれると言われていたじゃありませんか」

「スーツ化の仕方もね」

二人が満面の笑みを浮かべる。


「ミホ、、、」

思わず助け舟を期待して目を向けると。

「言ってしまったものは仕方ありません」

それだけ言うと、ミホは、ロネの手を取る。

「え?え?」

ロネがびっくりしていると。。

「いやっ!何これ、、、流れ込んでくるっ!気持ちわるっ!」

ロネが突然下を向き、えずきはじめる。

いきなり情報を流し込んだな。ミホ。

「え、、っつと、、、」

その姿に、引いているのが分かるシェミの手を掴む。

「一度、魔力の流れを調整するね」

僕の言葉に、びくっと震えるシュミ。


大丈夫。アラキさんに最初にされた時は、3日くらいベッドから出れなかったけど、そこまで無理やりやるつもりはないから。

そんな事を思いながら、シェミの身体に自分の魔力を通す。

やっぱり。

この国には、戦闘力や、魔力を測定する機器はそれほど普及していないのだろうか。

シェミの魔力を感じながら、その手を取り続ける。

「え、、えっと、、、あの、、、」

「強くするよ」

「え、、」

シェミの魔力を一度自分に引き込む。

魔力統制の中の魔力制御。

その力を使って、シュミの魔力に、自分の魔力を混ぜ込む。

「開く、、、よ」

シェミが困惑する。

僕は、容赦なくシェミの魔力が詰まっている場所を押し流す。

一気に開いた魔力が、体の外へとあふれ出す。

「すごいね、、」

僕は思わすシュミの目を見て笑っていた。

恐らく、5万近く。

これだけの魔力を持っている人間はまずいない。

そりゃ、作業用自動機構兵器じゃぁ、高確率で暴走すると思う。


僕でも、魔力制御をしない状態で動かしたら、多分、、、爆発する。

「魔力を、押さえて。自分の中に吸収するように、折りたたむように自分の中に魔力をしまって」

部屋の色が変わりそうなくらいの高濃度の魔力に浸されていく。

ただ、あふれでる魔力は凄まじいのに、暴走はしない。

僕が、その全てを制御しているから。

「魔力の制御ができないと、、大事になるよ」

僕の目を見ていたシェミが、驚いた顔をしてこちらを見る。


僕はその目を知っていた。

小さい時。

魔力1万ですら、持て余していた自分自身とかぶってしまう。

その5倍。大変だったろうと思う。

「辛かった、、ね」

僕の呟きを聞きながら、彼女の目から、あふれ出る涙。

流れる涙と、ぐちゃぐちゃの顔をしたままシュミは、それでも僕の顔を見続けていたのだった。



シェミが、、、趣味になっていた、、、。

もし書き換え忘れが残っていたら、教えていただけると幸いです。。


読んでいただき、本当にありがとうございます。

評価をぽちっとしていただくと、嬉しい限りです。

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