ヤツは生きていた - 実
もしよろしければ、ネコ目線で書いた短編「わたしは猫、これは虐待なの?キャクタイなの?......」も読んでみてください<(_ _)>。
最悪の予想が当たり、ヤツはそのまま息を引き取った......。
ということは、無かった。
ヤツの様子(体調)は、上向きもせず、
かといって衰弱が進むわけでもなく、平行線にみえた。
(野良猫の寿命は、4年程度で尽きることも多いと聞くなあ)
おれは どこか結局ヤツは このまま死んでしまうのではと、感じていた。
季節は進み、台風がやってきた。
壁の無い開放的な倉庫だが、多少の雨風はしのげる。
ヤツは避難していた。
いつもより元気なく感じたので、猫用のおやつを買って、
寝床にしている場所にいるヤツの目の前に置いてみた。
迷惑そうだった。
飛び跳ねて逃げるようなことは無かったが、
迷惑そうに少し場所を移した。
次の日、朝か夕方かは もう忘れた。
昨日のエサは、いつの間にか無くなっていた。、
ヤツが食べたのか、ほかの猫が食べたのかは定かではないが。
何の気なしに、新たな猫用おやつを 俺の掌に乗せて、
ヤツの20cm程度手前に差し出してみた。
無視されると思った。
攻撃(ネコパンチ等)される可能性を怖れた。
威嚇もあると思った。
予想に反して、
ヤツはおれの掌から 食べた。
これが、ヤツとの二つめのターニングポイントとなった。