ヤツの最後 - 虚
事実所のファーストコンタクトから、おれの朝は ヤツの存在確認から始まるようになった。
我が家の 解放状態の倉庫の棚で ヤツが寝ているのか確認するのだ。
そして、そっとしておく。
ヤツは、人間を嫌悪しているようには見えないが、
警戒心の強い典型的な元野良猫に見えた。
そう、今はもう野良猫ではない。地域猫(サクラ猫)だ。
先にも申したが、おれは地域猫活動には基本賛成だ。
活動されている方々には、敬意をもっている。、
野良猫からしたら、人間の都合で避妊、去勢されるにすぎなが....。
糞、尿、その他の問題はあるが、おれとして地域猫には温かく接したい。
野良猫自身を 虐待、差別、冷視するつもりは到底皆無だが、
野良猫に対する無責任なエサやりは、生まれてくる子猫に対する虐待に近いと思う。
ファーストコンタクトは、4月ごろの寒さの残る季節だったと思う。
暫くはの期間は、ただ見守って、ほっこりしていた。
季節は替り、暑さ厳しい時となっていた。
ヤツは、毎日のように棚の上で寝ている。
そこは、時間帯によっては直射日光が当たる。
眠ったまま、気絶し、熱中症でそのまま死んでしまうのかと心配になったが、
ヤツに追い出したと勘違いされるのが嫌で、そのままにしておいた。
それが良くなかった。おれの我だったのだろうか?
最悪の予想が当たり、ヤツはそのまま息を引き取った。