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南発券の謎  作者: やまのしか
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南発券の謎①・・・ビルマ従軍慰安婦

皆様、こんにちは。


「南発券の謎」の第1回の始まり始まり(笑)


キッカケは、ビルマの従軍慰安婦は高給取りだったのかどうか?

そこで出てくるのが、例の朝鮮人慰安婦、文玉珠氏。


文玉珠(ムン・オクジュ)とウィキペディアでは出てます。

この人の預金通帳の預金額が26,145円だったというのが、従軍慰安婦は高給取りだったという人の、根拠となっているわけです。


さて、それでは、早速、当時の郵便貯金について調べてみたいと思います。


文玉珠(ムン・オクジュ)


この人、調べれば調べるほど謎の多い慰安婦である。


取りあえず貯金26,145円であるが、ウィキペディアには郵便貯金と書いてある。当時のビルマでは、たぶんこれは軍事郵便貯金と呼ばれたものであろう。


野戦軍事郵便貯金と呼んでるサイトもあるが、総務相のホームページで調べてみると・・・


軍事郵便貯金とは・・・

戦時中、野戦郵便局又は海軍軍用郵便所において預入された通常郵便貯金で、利用者は原則軍人軍属に限られていました。


外地郵便貯金とは・・・

旧外地等(朝鮮、台湾、関東州、樺太及び南洋群島等)にありました郵便局で預入された郵便貯金(通常、定額、積立貯金等)です。


とある。


すると、ビルマはすなわち軍事郵便貯金であろう。


まあ、この軍事郵便貯金だが、調べると、調べるほど、悲惨な当時の諸事情が鑑みれる。


なんと引き落とされていない軍事郵便貯金口座が70万口座もあるそうだ。


2010年8月18日、産経新聞によると


>朝鮮半島や台湾など旧植民地の郵便局に現地人を含む住民や軍人が貯金を預け、払い戻しを求めないまま残されている口座数が約1900万に上ることが18日、分かった。

残高は利子を含めて約43億円。

利用者への催告ができないため時効は停止しているが、預け入れた本人が亡くなるなど年々払い戻しは難しくなっており、大部分がこのまま、ゆうちょ銀行で眠り続ける可能性が高い。


関係者からは、戦時中に外地で預けた郵便貯金の払い戻しについて、国が積極的にPRすべきだとの声も上がっている。


管理している郵便貯金・簡易生命保険管理機構によると、貯金口座は中国や朝鮮半島、東南アジア、南洋諸島で開かれたもの。


内訳は、民間人の外地郵便貯金が約1800万口座、約22億円、

軍人が野戦郵便局などで預けた軍事郵便貯金が約70万口座、約21億円。


・・・・・・・・・・・・・・・<


とまあ、こんな感じで、忘れ去られた軍事郵便貯金だが、不思議なのが、樺太などの外地郵便貯金が1800万口座で22億円、


これに対して、ビルマなどの軍事郵便貯金が70万口座で21億円と、口座数が1/25なのに、残高がほとんど同じだという事だ。


外地郵便貯金が樺太、台湾、朝鮮など、戦場にほとんどなっていなかった地域の民間人対象だったのに対して、軍事郵便貯金は野戦軍事郵便局を含み、戦場も対象にした軍人軍属が対象であったからだろう。


つまり、軍事郵便貯金は、危険手当てがいっぱい付いていたから、1人当たりの残高が、約25倍もあったということだ。


そしてそれは、額面通りには受け取れない。

すなわちカニ太郎の想像では、戦後紙切れになった「軍票」も貯金できていたのではないだろうか・・・?


おそらく、できていた。

だからみんな残高が多いわけだ。

終戦間際は現地のインフレは酷かったという。

それに見合って、貯金額も増えていったわけである。


さて、ここで、慰安婦文玉珠の郵便貯金に戻る。

この人が預けていたのは軍事郵便貯金だ。

つまり、文玉珠は軍属であった。

そしてそれは、軍票も貯金できていたということだ。

そして、ビルマなら南発券だ。

樺太や台湾の民間人の貯金感覚とは扱っている紙幣も、金額も全然違うって事である。


それでは、次に送金したとされる5000円について調べてみよう。


ビルマから朝鮮に5000円送金・・・どうやって・・・?


果たして、慰安婦に送金ができたのだろうか?


ここからちょっと疑問が多くなる。

つまり、ビルマと朝鮮の貨幣価値が違うということだ。


当時、日本の円は経済圏を持っていた、現代のドル経済圏のように。


ところが当時、円は、植民地通貨と変動相場制を取っていなかった。

つまり、為替レートが円対現地通貨で1:1固定だったわけだ。


ところが朝鮮、台湾、満州までなら、この固定相場制でもよかったが、北京、上海、香港、そしてマレー、ジャワ、フィリピン、ビルマでは、固定相場制では都合が悪かった。

現地通貨が暴落しがちだったからである。

ここで言う現地通貨とは、軍票や日本が現地で作った傀儡政権の中央銀行券、そして南洋開発金庫に発券させた南発券の事である。


ビルマで使われてた南発券は単位ルピー使っていたが、日本円との交換レートが1:1であった。


そして1944年の通貨価値の実態は、日本円100に対して8400ルピー。

全然実態経済とバランスが取れてなかった。


さて、ここで、文玉珠さんの送金したとされる5000円について考証してみよう。

文玉珠さんは、いったいどうやって5000円もの大金を韓国に送ったのであろうか。


ビルマでいくらインフレが酷くても、5000ルピーは5000円。

でもって固定為替レートであるから、朝鮮でも5000円なのである。

しかし実態経済は、100:8400


大蔵省もバカじゃない。

こんな送金を等価で許していたら、悪い奴はみんな為替差益を狙ってビルマにいってルピーを稼いで日本に送金して大儲けしてしまう。

こんなボロい商売はないのだ(笑)

そこで、出てくるのが、預金凍結と内地特別預金と外貨内地特別預金だ。


《続く》



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