必殺技何でもアリーを使い伝説の穴を構築したゴリマッチョオネェ忍者が迎えに来ただと!鼻から牛乳が出たブラック企業経営者である元ボロアパート住まいのサラリーマンの俺はそいつにツナマヨおにぎりを差し出した。
なろうラジオ大賞2応募作品です。
頭を空っぽにしてお読み下さいまし。
ボロアパートに住み激安ツナマヨおにぎりが日々の飯。貧乏サリーマンの俺。金の亡者となり今はブラック企業の経営者。金はあるが誰にも見向きされない人生は変わらない。
つまらぬ
暇つぶしがてら、モウモウ牛乳を飲みながら歩いているとあろうことか刺客に襲われた。
鼻から出てしまったではないか!
何奴!忍者ぁ?
「我が家に伝わりし必殺技!何でもアリーを使い、伝説の穴を構築、そこに潜り時を飛び越え迎えに来た。否なら力ずくで連れて行く」
ゴリマッチョ忍者が、クナイを構えキラリと光らせ迫る。断る!白い鼻水を拭きながら答える。
「ふうん、信長様と生き写し」
信長?織田信長か?尾張の。
「そうだヌシに来てもらいたい。時間が無い!大殿は本能寺で敦盛を舞っていらっしゃるわ!今なら間に合う!お願い!私と来て!」
本能寺、舞、それってツンデル。なぜにオネェ。
「お願い!信長ちゃまの身代わりとして死んで欲しいの!」
こやつ誰。名を名乗れい!
「我が名は森蘭丸なり!一緒に来て」
嘘!蘭丸ってコレだったのか!
「このままだと、信長ちゃまが死んじゃうの……!」
飼っているセントバーナード、金柑並みのうるうる瞳で見つめてくるな。
「く!腹が減ったの!ああ、もうだめ!力が抜けるわ」
いきなり倒れたぞ!おい大丈夫か!俺は手に下げていたコンビニ袋から、ツナマヨおにぎりを取り出した。微かに残る慈悲の心を大盤振る舞いする。
コレを食べろ、蘭丸
倒れるゴリマッチョ。太陽を背負い見下ろし、重々しく言いフィルムを剥がしたソレを差し出す。
「信長ちゃまに瓜二つ」
そうだ、だからお前が我の側に居ればいい。
「え!」
顔も姿も似てるのなら、どっちでもいいだろう?ここに残ればお前は死ぬ事なく、我の側にずうぅっと!居れるぞ!それに独身だ。
「お独りなのですか」
あっちは正妻がいるな、側室も。我ならば家には犬の金柑だけだぞ。
「金柑!おのれ明智光秀!偽物の大殿に犬としてお側に侍ってるとは!ハグはぐ、おいひい!珍なる味」
ツナマヨはここでしか食べれぬぞ。どうだ?毎日ソレを食わせてやるから我の側で働け!
「貴方様のお側に侍らせて下さいまし。決して離れませぬ」
チョロい。激安ツナマヨおにぎりで飼えるとは、ククククク。