中学3年夏のシークレット
初めて小説を書きました。誤字や言い回しが変なところもあるかもしれませんが最後まで読んでいただけると嬉しいです。実体験を元に作成しました。リアリティーな描写を表現するのがこんなに難しいとは思わなかったです。少しでも恐怖を感じていただけたら幸いです。昔お化け屋敷で働いていたので怖がらせるのがいつしか快感になっていました。ホラーの恐怖って日常では味わえない感情ですよね。
夏の日差しが眩しい市営球場で中学野球最後の夏が終わった。
夏休みは小学生の頃からずっと、野球に注いできた。子供の頃の夢はプロ野球選手。もちろんなれるとは思っていなかったが将来の夢を決めなきゃいけない空気感だけでプロ野球選手と文集にも書いていたが今思えば本当になりたかったかは疑問である。中学校3年の夏の大会が終わると、部活はそこで終了。次のイベントは高校受験しかなく、野球しかしてこなかった夏休みにぽっかり穴が空いて何も予定がなかった。家族旅行とかをするタイプの家柄ではなかったし、おじいちゃん、おばあちゃんも幼少の頃に亡くなっており、夏休みに遊びに行く田舎もなかった。そんな時に同じ野球部のF君が父親と2人で岐阜のおばあちゃんの家に行くんだけど、父親は仕事の都合で2日目からしか行けないから一緒に行かないかと誘われました。中学生2人で千葉県から岐阜県に行くなんて僕にとっては大冒険でした。F君の親に僕の親が電話でご迷惑じゃないですかと確認をし、全然うちは大丈夫ですよとF君の親は心良く快諾していただき、友人との初めての旅行に出発しました。
まだ携帯電話が普及していない時で旅行に持って行く持ち物は着替えと音楽プレーヤーぐらいでした。MDウォークマンが出たての時で僕はまだディスクマン(CDウォークマン)を持っていき5枚ぐらいアルバムをリュックに入れて道中、何回も何回もCDを聴いていました。
F君のおばあちゃんちの最寄り駅に到着した。駅に降りる乗客も僕たちしかいなくて無人駅でした。そこからはタクシーで向かいました。昔の事なのでハッキリと覚えてないのですがタクシーの運転手さんにF君が〇〇家までと伝えていました。おばあちゃんの家の周りは何も目印がないらしく家自体が目印でした。1時間ぐらいタクシーに揺られたぐらいで緑の生い茂った森に囲まれた大きな家屋が見えてきました。おじいちゃんは亡くなられたみたいで大きな日本家屋におばあちゃん1人で住んでいました。F君のおばあちゃんの印象は少し口うるさい感じでした。僕は幼少の頃におじいちゃん、おばあちゃんが亡くなっているのであまりおばあちゃんと接した記憶がないので少し戸惑いました。麦茶やスイカ、トウモロコシを出してくれて高校野球をテレビで観戦して、夕方5時頃に夕食をいただきました。僕にとってはかなり早い夕食でビックリしたのを覚えています。その後お風呂に入り、8時頃布団を敷いてくれて、もう疲れたでしょ寝なさいなぁと言われて全然眠く無いがやる事も無いので布団の敷いてある広い畳の部屋でF君と話しをしていました。2時間くらい話したところで段々F君の返事が返ってこなくなり先に寝られてしまいました。全然眠くならない僕は、またディスクマンでCDを聴いていました。その時聴いていたのが持ってきていたアルバムの中でもその当時お気に入りだったtrfのワールドグルーブとゆう全編が63分34秒で最後の曲が11分52秒と長い曲でした。この最後の曲はシークレット曲とゆうもので4分50秒で一旦音が途切れて3分間無音になって7分50秒からまたピアノが流れる不思議な曲でした。この曲を聴いて寝そうになっていたぐらいで4分50秒になって無音になりその瞬間に身体が金縛りに襲われました。初めての体験でしたがすぐに金縛り状態だと気づきました。僕の身体が硬直して目しか動かない見えるのは木目の天井だけ3分間は無音なので音はしないF君を呼ぼうとして声を出そうとしても出せません。その時です、突然隣の部屋の襖がガタガタ震えていてガタガタッ、ガタガタッと何回か聞こえたあと、ハッキリと聞こえる音で
バタンッ
と襖がこちらの部屋に倒れた音がしました。
ビックリしても身体は硬直したまま、目だけが動くので目線をそちらに向けると、
四つん這いで這いながら動いている人のような物が近づいてきました。ズズッズズッと畳を擦る音が近づいてきて自分の足元の辺りで留まりました。上を向いて寝ていたので目しか動かない状態では足元に何がいるのか何が起きているのかわからず何かが居る気配だけは感じているので絶対に見てはいけない見たら大変な事になると力いっぱい目を閉じて早く曲が流れろ曲が流れろと心で唱えていると、左脚の足首に布団の上からでもわかるギュッと人の右手のような物に握られる感触今度は右脚の足首にギュッと人の左手のような物に握られる感触、左脚の足首からスネに感触が、今度は右脚のスネに感触が。力いっぱい目を瞑ったまま思ったんですよ、あれっ身体を何かが登ってきてる。もう怖くて時間がどのくらい経ったのかわからない。早く曲が流れて流れてと思っていたら太腿のあたりで感触が留まったんですよ、何秒間、何分間、感触もあるのかないのかわからなくなって、もう終わったのかとゆっくりと目を開けてみたんですよ。そしたらお腹の辺りから僕の顔をジッと見るおじいさんの顔がこの世の者とは思えない形相で僕の顔を見ていたんですよ。そこからは記憶がなくなり気付いたら朝になっていました。起きてすぐに寝ていたF君を起こして寝ぼけているF君に昨日の出来事を話しました。信じてもらえるわけもなく、夢でも見てたんじゃないのとあしらわれました。僕は脚に残る感触があったので絶対に夢ではないと思っていました。ですが倒れたはずの襖も元通りになっていて、F君も変な夢を見ただけだと言うので考えても解決しないから僕も夢だったとゆう事で解決しようとしていましたが布団を畳んで、ディスクマンをしまおうとした時にディスクマンが最後のシークレット曲の4分50秒で一時停止になっていたんです。自分で止めた覚えもないし変なことが続くなと思いました。F君が洗面所に行って畳の部屋に1人になった時に、ふと隣の部屋が気になって襖を開けたら隣の部屋も広い畳の部屋でした。誰かがいた形跡はなく、部屋の右奥に黒い漆塗りの大きな仏壇が置いてありました。特に変わったところなかったのですが何故か気になって仏壇に近づいていきました。そこにはお供え物やお花、そして位牌がありなんとなく拝見していた次の瞬間、恐怖で背筋に緊張が走りました。なんとその仏壇の中に昨夜僕の顔をジッと見つめていたおじいさんの顔が遺影として置いてありました。もちろん初めて見るお顔です、でもハッキリと覚えていました。その後からすごく気分が悪くなってお昼過ぎにF君のお父さんが到着してせっかくだから川に遊びに連れてってやるよと言われましたが気分が悪かったのでお断りさせてもらいました。その日は何をしていたのか全く覚えていませんが夕方に電柱から流れてきたスピーカーの放送で〇〇川で鉄砲水が起きました危険なので近付かないで下さいと放送が流れていました。F君のお父さんがせっかくだからと連れてってくれるはずの川でした。おばあちゃんに行っていたら大変な事になっていたかもしれんねぇって言われたのを覚えています。
本当に不思議な体験をした中学生最後の夏でした。
帰りの電車を駅で待ってる間F君のお父さんからおじいちゃんの話しを聞きました。なんでも電車の事故で亡くなられたみたいで、おじいさんとおばあさんが夕方4時50分の電車を駅で待っている時に2人しかいない駅で線路に落ちて太腿から下が電車に挟まれて病院に運ばれたが手の施しようが無かったみたいでそのまま亡くなられたとゆう事でした。
いまだに8月になるとあのギュッとする感触を思い出してしまいます。
最後まで読んでいただいた方々ありがとうございます。後からわかったのですがtrfのシークレットが入っている曲の名前が私が望むもの…あなたが欲しいものでした。色んな怖さがあったかもしれませんが、1番怖いのは人間かもしれませんね。読みにくい部分が多々あったと思いますが未熟者ゆえご容赦くださいませ。