超あとがき
つい最近に初めて観たんですよ、まどマギ。いやもう本当に面白くて、たいへん驚きました。
息もつかせぬ勢いで一切の無駄なく展開されていく物語。点であった要素が徐々に線となり、果てには一本の筋となっていくような伏線張りとその回収。共感性高く納得し得る、各キャラクターたちの思考・心情……。
特にあのシーン。あの娘が初めて、自身の抑え込んできていた気持ちを吐露するシーンですよ。ずっと肩肘張って格好良くあろうと見栄張って、孤独にひとりでがんばり続けて……でも本当は……内に秘めてきた想いは……。
そういうのに私弱くてですね。えっ、この娘大好きって思ったものです。
思った次の瞬間に首から食われましたが。
やはり自然な伏線張りと見事な伏線回収をしてくれる話は、本当に面白いなと思いますね。
TRPGは生き物なので創作物語ほど上手い具合にそのようなことはできないでしょうが、だからこそGMがPLの発言を拾ったりとか実はぽろりと伏線描写してたりとか、そういうのってとてもアツいですよね。私大好きです。さふいふものができるGMにわたしもなりたい。
そんな前置きとはほとんど無関係に、ここからはシナリオのぶっちゃけ話になります。どういう経緯でシナリオが作成されたかとか、別ルートばらしとか、そういう類のやつです。
紙本というわけでもないのであとがきを先に見るというお方はそうそういらっしゃらないだろうとは思いますが、当然のごとくネタバレまみれなのでご注意ください。
もちろん、現在進行形で本CPプレイ中なPL様へのネタバレになってしまうような内容はぼかしたままにしております。
●「遺跡調査」作成の背景と別ルート
言うほどに遺跡調査していなかったのではと思った、そこの貴方。正しい。
予告から作ると、しばしばタイトル詐欺になる私です。
Preplay01で見られるとおり、3時間ほどで予告作った当時はエリア3・4くらいあるダンジョンにしようと思っていたんですよ。
ヴァン山脈にはあちこちに遺跡あるって公式設定だし、ゼダンは神具集めてるし。最奥で神具ゲットだぜして、皇帝へ献上する感じのシンプル王道展開にしようかなって。突発ソロ単発でもありましたしね(当時の想定では)。
後日、受信しちゃったんですよね。誓約の「太陽王の聖杯」をネタにできるのではって。
分かりやすくて明らかな公式神具アイテムだし。ヴァンスターはアーケンラーヴ信仰だし、ゼダンの魔剣も同神絡みだし、この誓約取得してくるPCなんてそういないだろうし。あれ、ちょうど良いのでは?と。
エキストラ操れる誓約アイテムをゼダンが入手するのは影響力がとんでもなさそうでもあるけれども、まぁ突発単発だしええやろと。
EXPにつまらない盗賊が持っていたという記述もあったので、そのままネタとして利用。遺跡もあり魔族も出現しな山脈(公式設定)だし盗賊団のひとつやふたつもあるでしょう、いやぁヴァンスターって便利な設定しているなぁなどと思ったのは内緒です。
年代はベスティアで来ることが分かっていたのと、わりと好き勝手に作れるからという理由でPWG発売時点現在の最新時代設定です。後で閃いたネタをくっつけやすいというのもあります。
閃き後づけでゼダンが誓約アイテム入手する羽目になってしまったので、結果的にとても良かったと思っております。
そして実際にできあがったシナリオは、偶然「太陽王の聖杯」を入手したつまらない盗賊が聖杯の力を利用し出したことにゼダンが勘づき、遺跡調査の名目でPCへ依頼をするというものになりました。
わざわざ冒険者一人に依頼した理由は、
①表立って複数の部下を動すのは、目を光らせている反皇帝派に気づかれて面倒くさい。
②もしかしたら送り込んだ部下も聖杯で操られるかもしれない。
③聖杯で配下得まくっている敵の規模、実力の程ははっきりしない。
④そもそも、本当に聖杯利用している弱小盗賊であるという確証もない。最悪、もっとやべーやつかもしれない。
⑤その点、一人の冒険者であれば死んでも構わないし。動いてもらいやすいし。殺して口封じもできるし。まずいことが起きたら罪をなすりつけることもできるし。
ということを考えておりました。
敵対ルートの存在をにおわせていたのは、そういう理由でもあったりします。
依頼受けた冒険者の命をなんとも思っていないスタイルのゼダンは公式リプレイ姿からの解釈です。詳しくは公式リプレイである「リプレイ・ルージュ+1」をご覧ください。
ルージュはいいぞ。ルージュ+1はいいぞ。ド鬼畜皇帝いいぞ。
同行者がアロイスであるのも、上記の理由たちゆえです。ゼダンが最高位に信頼を置いている実力者にして、彼ひとりで調査の同行も山道の案内も敵対者の討伐も重要品の回収も冒険者の見張りと口封じも最悪逃亡するのも可能な、あらゆる対処や判断ができる存在であると見なしたためです。少なくとも私は彼をそう解釈しています。皇帝の友人な優れた策士(公式設定)ですよ、ハイスペックに決まっているじゃないですかぁ!!
従って、PCが皇帝に逆らうような態度を取ったり聖杯を自分のものとしようとしたりすれば、もれなくクライマックスにアロイス戦が追加。運良くエリアから逃げ出しても遺跡入り口に仕込まれたトラップが起動して閉じ込められるPC、転送石で悠々と帰還するアロイス。なんとか入り口こじ開けたところで、道中の判定に失敗していれば帝都への帰り道も分からない……などという展開が待っておりました。
生存率は低いけれども、運良く生き延びることができればボーナス経験点も多い反逆ED……周回プレイなら挑戦してみたいですね。ちなみに私PLは王道好きにして、1周目はノーマルかベストなEDを見たい派です。
で。ノリと勢いで生やした好感度ですが、結果的に面白い機能をしたなと思っております。
場合によってはPC排除も考えているわりには好意的であることが多かったアロイスの態度は、PCが順当に好感度上げていたためというのもあります。一定値になったら敵対ルート入っても見逃すの提案してもらえるようにしようかとか、GMは密かに考えるなどしておりました。
実は元々アロイスは、PCがある特定の態度・発言を取ったら好意的になるように設定していました。
おそらくリプレイを読み返したらすぐ分かるかとは思いますが、ヤドランが例の台詞を口にしたときは「それを言ってくれたか!!!」と内心叫んでいたGMです。
以降、アロイスのヤドランへの撫で方が変化していたりします。そういうちょっとした態度の変化とかオマケ要素とか、私大好きなんです。つまりGMの趣味です。へへへ。
●全体の流れと裏設定
今件に「太陽王の聖杯」が関わっているのでは予測したのはゼダン。アロイスはゼダンの予想内容と命を受けてPCに同行します。名目上は遺跡調査ですが、その実態は神具探しです。
先読みかあるいは運命的なものを感じさせるPCの言葉に、油断のならなさを抱いて微かに反応を示すアロイス。
精神判定に成功してたら反応単語箇所を明確に公開しようかと思っていました。Afterplay01で明かした部分ですね。
実は今回の遺跡入り口を発見したのはアロイスです。彼は入り口扉にトラップ探知と聞き耳まで行い、中へは入らずにゼダンへ遺跡の存在を報告しました。ゆえにPCの案内も楽々とこなします。
山慣れしているフィンジアス島天翼族なので、PCだと判定が必要になるような山道だって平気です。
ちなみにイリュージョントラップはマジで好感度上がるだけの判定でした。明確に数値として好感度機能つけたのは実はフラグ……ではなく本当に偶然です。
他者の力量見極めようとする策士って良いですよね私大好きです。
そして遺跡内へ突入。
実はもう少しエリアもギミックも用意していたのです。遺跡調査らしいことしてもらうつもりだったのです。エリア1も元々は戦闘予定でした。
しかし、時計を見た私は思ったのです……全てカットした方が良さそうだなこれと。
まさかここまででこんなにRP大盛り上がりで時間割いてしまうとは思ってもおらず。でも突発単発だし予定通り今日中に終えたい……。そうしてざくざくシナリオ削った結果、イリュージョントラップ仕掛けた魔術師系の冒険者やら魔族やらが混ざっていることを描写し忘れました。てへ。
ここで削られたギミックは後々別の場所でリサイクルされることでしょう。
報酬金は基本、CL×100Gとして考える私です。が。
よく考えてもみてください。依頼主はゼダンですよ。
実力主義な皇帝である彼が金にケチケチしないだろ~それに単発やしええやろ~~。
そんな発想でCL×1万Gをポーンと渡した次第です。
窃盗の立て替えは正直予想してなかったので(なんなら代金とか聞かれると思ってなかったためテキトーに1万Gとか答えたわけですが)、払ってくれた分を倍ドンしてお渡し。自ら代償を払うようなRPをされると見返りを与えたくなる私GMです。
いやぁまさかCPになってしまうとは誰が予想したか。はっはっは。
おかげさまでシナリオネタがぽんぽん湧いてきてしまいました。
このCPが5話目を終えるのと、私が観よう観ようと思っているまどマギの叛逆の物語を観終えてしまうのと、どちらが早いか。その頃にこのCPは、ヤドランは、どんな様相を見せてくれるのか。ひょっとしたら5話どころか、もっともっと続くかもしれない……?
予想のつかない冒険者ヤドランの物語、私自身もまた楽しみでなりません!




