♦Ending02♦手のひらの上
GM:マスターシーン。
ヤドラン:お?
GM:それは少し前。皇帝の政務室にて。
GM/“神聖皇帝”ゼダン:「……居らぬな」
GM:書類仕事をしていたゼダンが、ふと呟いた。
GM/“天の眼”アロイス:扉横の壁に腕組んでもたれかかっていたアロイスが、「ヤドランが?」と、からかうように言う。
GM/“神聖皇帝”ゼダン:顔を上げてジト目でアロイスを見た。暗に違うって言っている。
ヤドラン:ジト目かわゆす。
GM/“天の眼”アロイス:「冗談だって。……今は居ないようだな」
GM/ディーン:そこへ、ばたばたばたと廊下を急いでやってきて、外から扉コンコンコン。
GM/ディーン:「ゼダン様ッ!」
GM/“神聖皇帝”ゼダン:「入れ」
GM/ディーン:ばたーん!「し、失礼致します! 大変です! ヤドランさんに、暗殺状が……! 庭に伏兵がおりまして……!」
GM/“天の眼”アロイス:「あぁ」涼しげに察したような顔をした。
GM/“神聖皇帝”ゼダン:「……あぁ」察した顔をした。
ヤドラン:wwwwwww
GM/“天の眼”アロイス:「やはりヤドランを狙ってくれたか。アイツなら問題ないだろう」
GM/ディーン:「は、はい……?」
GM/“天の眼”アロイス:「ははっ。ここ数日、可愛らしい侵入者がいてな」
GM:アロイスはディーンに話す。少し前からゼダンを伺う視線を感じると思いきや、東方から来たらしい少女が忍んでいることが分かったことを。
GM:まぁつまり、ツムジはこっそり監視していたつもりが、隠密看破されて気づいていないフリをされていた。
ヤドラン:なるほどww
GM:ので、ツムジが覗いているときにわざとアロイスはゼダンへヤドランの話を振り、ツムジがヤドランを狙うように誘導したのである。
ヤドラン:さすがアロイス様です策士です。
GM/ディーン:「そ、そうだったのですか……」ホッてした顔した。
GM/“天の眼”アロイス:「それはもうおアツい視線だったよ。でしょう、皇帝陛下?」
GM/“神聖皇帝”ゼダン:「…………あやつに何処か似ていたな」
GM:もちろんヤドランのことである。
ヤドラン:wwwwwwwww
GM:そういうことだからヤドランなら大丈夫だろうとアロイスに言われ、ディーンは部屋から下がった。
ディーンが去ったことを確認したのち。依然としてアロイスは楽しげな様子で口を開いた。
「いやぁ、面白かったよ。わざととはいえ、ヤドランを誉め讃える皇帝陛下の口ぶり」
アロイスはやや目を細め、面白がる様を一層深めながら、僅かに声色を変えて続ける。
「まったくの本心でない……わけではなかったのだろう、あれは」
ほんの少しの沈黙ののち、ゼダンは「さあな」と短く答えた。
そして、ふと手を止めて窓の外へと目を向ける。
立ち昇る水流は、今は見えぬようだと思考しながら。




