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100万人目の異世界転生者  作者: わたぼうし
第1章 旅立ち編
8/148

コロニーの主と招待状ー3

これから6時と18時に毎日、1話ずつアップしていきます。拙い文で読みづらいと思いますが、がんばっていきます。よろしくお願いします。

☆☆ 挑戦者控え室 ☆☆


少し時間が戻る。


ニゲラは控え室に入ると少し混乱した後、顔を真っ赤にして怒っていた。


「ざけんな!あの野郎!やっと招待を受けたかと思ったら、なんだこれは!」


控え室には4人の招待者がいたのだ。

4人はすでに一通り暴れた後のようで、控え室にあったであろうロッカーは倒れ、椅子はバラバラに砕けていた。


「お前も今日呼ばれたのか… お前で5人目か。いったい何人呼んでいるんだ…」

倒れたロッカーに座っている赤髪の男が、鋭い目線だけをニゲラに向けて声をかける。


「てめえは?」

ニゲラは荒々しくドアを閉めて、控え室に入ってきた。


「オレはランサス。お前らと同じくマヴロを招待した。何ヶ月も待って、やっと招待を受けたと思ったら…  ナメたマネしやがる…」

赤髪のランサスが腹立たしげに、座っているロッカーを殴る。


周りを見ると、壁際には真っ黒なワンピースに身長と同じくらいの長さの杖を持つ女が立っていた。

床には身長が3メートルくらいありそうな巨人の男が、胡座をかいて座っている。控え室の一番奥に狼の獣人が腕組みして立っていた。


「てめえらもか… ちっ」

ニゲラは足元にあった椅子の残骸を蹴り飛ばして進み、控え室の中央に立ち周りを見渡す。


「オレは、ニゲラ。武闘家だ。さっき控え室への案内人は『お前が最後だ』と言っていた。その意味が今わかったところだ」

ニゲラは身長190cm、足かと見間違うような太い腕をしていた。要所だけを革の鎧で防護し、腕には無骨なガントレットが嵌められていた。


「今日、呼ばれたのはオレたち5人のようだ。マヴロの野郎、オレたちをまとめて相手する気でいるらしい…」

ニゲラは奥歯をギリっと噛みしめる。


「あのふざけた野郎のお望み通り、ここは共闘してぶち殺してやろうぜ。その後、オレたち5人で誰が一番強いか決めようじゃねぇか!」

ニゲラは控え室にいる4人に声をかける。


「…そうだな。オレは剣士だ。あのクソ野郎は殺す」

ランサスはゆらりとロッカーから立ち上がった。

身長は180cm、着流しを着ており腰には刀をぶら下げている。


「ワシはシーレーノス。あいつの喉笛を噛みちぎってやらないと気が済まんの」

ぐるるるると唸り声が漏れ出ている狼の獣人は、右手に大きなナタを持っている。獣人は毛皮自体が革鎧のように硬いため、あまり鎧を必要とはしないのが普通だ。


「……エキザカムだ」

巨人のエキザカムは、ぼそりと呟き沈黙する。

身長3m 巨人用のチェインメイルを着ており、背中に巨大なバトルアックスを背負っている。


「エキザカムか、共闘でいいな?」

ニゲラは確認すると、エキザカムはうなずき了承した。


「ウチはマルバ、黒魔道士や。とりあえずマヴロ殺してから、あんたらも殺したるさかい、覚悟しときや」

身長150cm 黒いワンピースを着て身長と同じくらい長い杖を持って立っているマルバは『くくく』と笑っている。


「とりあえず、あのナメたクソ野郎をぶち殺しに行くか!」


5人は指を鳴らしたり、首を回したりしながら闘技場の広場へ向かう廊下を歩いて行った。



☆☆ 闘技場 ☆☆


そして現在、闘技場の広場。


南側の入り口から招待者5人が現れた。

招待者たちは各々、自分の闘うスタイルに合わせた武装をしている。


「うぁ… とうさま大丈夫かな?」

マヴロが強いことは知っているが、コロニー以外の人が戦っている所を見た事がないルビアは少し不安になる。


「大丈夫よ。とうさまは強いんだから」

リアリナは微笑みながらルビアの頭を撫でている。


北側からマヴロが遅れて出てきた。

「とうさま!!」

あたしが叫ぶと同時に闘技場に歓声が湧く。

が、すぐにどよめきに変わった。


マヴロはヨレヨレのTシャツに、ラフな布のスボンをズレないようにヒモで腰辺りで括っている。

足下は草履だ。


「…あれ、朝ごはん食べてた時と同じ格好だよね?」

ルビアがボソッとつぶやく。


「あちゃー」

リアリナは右手でコメカミ辺りを押さえている。


「あはははは」

シオンはツボにハマったのか爆笑している。


ふと、我に返りルビアはテーブルを両手で叩き立ち上がり叫ぶ。

「バカじゃないの!? あたしとケンカする時は革の軽鎧着てくるじゃない!」


「はっはっはっ、マヴロさまは昔から変わりませんなぁ」

クルクマだけは当たり前の様に見ていた。



「てめえ!ナメ過ぎにも程があるだろ!」

突然、闘技場の方から怒鳴り声が聞こえる。招待者の1人、ニゲラが叫んでいた。


「あれ?あの人の声がここまで聞こえる…?」

ニゲラから観覧席までは300m以上あり、怒鳴れば聞こえるかもしれないが、ここまでハッキリと聞こえるとは思えない距離だった。

ルビアが不思議そうにしていると


「ルビアさま、闘技場内の会話は全て観覧席まで聞こえるように魔法がかかっているのですよ。ちゃんと断末魔まで聞こえるように配慮されているのです」

クルクマは笑顔で説明する。


「あ、そうなんだ…」

なんて悪趣味な配慮…と引いてしまう。


「オレは早くルビアちゃんと遊びたいんだよ。てめえら、さっさと殺してやるからまとめてかかってこい」

マヴロは小指で左の耳の穴を掻き、爪に着いた耳垢を『ふっ』と吹き飛ばしながら、つまらなさそうに挑発している。


ブチブチブチっ!

招待者5人の血管が切れる音が聞こえるような気がした。


「ぶっ殺してやる!!」

ニゲラたちは叫ぶとマヴロに攻撃を始めた。



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