異世界転生したらエビでした
これから6時と18時に毎日、1話ずつアップしていきます。拙い文で読みづらいと思いますが、がんばっていきます。よろしくお願いします。
春、サクラの花びらが舞っている。
サクラの下には、ネコを相手に営業をサボってる20歳くらいの女がいた。
「あたしもネコになりたいなぁ…」
と、ネコを撫でながらつぶやいている。
突然、強い風が吹いた。
ネコは急に立ち上がり道路に向かって走り出した。
あたしは慌ててネコを捕まえようと追いかけてしまった。
「!!」
つい、ネコを追いかけてしまったあたしは道路に飛び出してしまった。
目の前にはトラックがいた。
目の前が真っ暗になり、あとは何も覚えてなかった…
☆ ☆ ☆
あたしは気がつくと知らない場所にいた。
まわりは少し暗い。
どこかの部屋だと思うが、とても広い部屋なのか壁がわからない。
あたしは椅子に座っていることに気がついた。
ふと、目の前にお姉さんが現れニッコリと微笑んだ。
「かえでさん、こんにちは」
「え? あ… こんにちは」
「わたしは運命の女神ルリア、ここであなたをお待ちしていました」
「はぁ…」
かえではよくわからずキョトンとしている。
運命の女神 ルリアと名乗った女性はパァっと顔を輝かせると、両手を広げて天を仰いだ。
するとルリアに天からスポットライトが当たる。
「かえでさん!あなたはこの異世界転生事業始まって、ちょうど100万人目の転生者なのです!!おめでとうございます!!」
ルリアが叫ぶと同時に、かえでにも天からスポットライトが当たり、赤や黄色、金色や銀色などキラキラと紙吹雪が舞い、ファー♪と音が流れる。
「へ??」
状況が掴めず当たりをキョロキョロするが、周りは特に変化がなかった。
そんなかえでを無視してルリアは恍惚とした表情で話を続ける。
「さて、この度の100万人目を記念して2つの特典があります!1つ目は、あなただけのユニークスキルを1つ授けます。さらに!転生先のあなたをサポートする素晴らしい仲間を1人おつけします!!」
「え?あ、あの…?」
「だだし!!転生先やどんな仲間が来るのかはあなたの運しだい!!さぁ!このルーレットを回すのです!」
ルリアは全くかえでの話を聞く気がないようで、どんどん話しを進めてしまう。
かえでの目の前には巨大なルーレットが突然現れた。
目の前には赤と青のボタンがあり、赤には『停止』、青には『開始』と書かれている。
「さぁ!まずはユニークスキルを決めましょう! はい!青いボタンを押すのです!」
「あ…あお?」
ルリアの勢いに負けて『青いボタン』を押す。
ルーレットがピリリリリリと軽い音を発しながら回りだす。
「はい!ストーーーップ!!」
ルリアが叫ぶ。
「!!」
びっくりして『赤いボタン』を押す。
ルーレットは、ぴ、ぴ、、ぴ… ぴっと音と同時に止まる。
「どれどれ… おおーっと!ユニークスキル略奪者だぁ!!」
ルリアはテンションが上がって叫ぶ。
ぽぅっと淡く光ったルリアの右手をかえでの胸に当てる。何かが胸の奥に入ってきた感覚がした。
「続きまして、あなたをサポートする仲間です!
さぁ!ルーレットスタート!!」
「え??」
また勢いに負けて『青いボタン』を押してしまう。
先程と同じように、軽い音がしてルーレットが回る。
「ストーーーーップ!!」
「!!」
びっくりして『赤ボタン』を押す。
軽い音と共にルーレットが止まる。
「きたーー!!アサシンのシオンさんだぁ!」
「ア!アサシン!?」
アサシンてたしか暗殺者だったはず!?
ビビってると、ルリアはかえでの手を握りしめる。
掌に小さな魔法陣が描かれていた。
「転生後、必要になったときにこの魔法陣からシオンさんを呼び出すのです。一度呼び出すと魔法陣は消えて、シオンさんはずっとかえでさんと共に行動します」
「どうやって、呼び出すのですか?」
かえでは掌の魔法陣を見ながら質問したが、ルリアは無視。
「最後に!転生先です!さぁ!ルーレットスタート!」
「ええ!?」
つい『青いボタン』を押す。
軽い音と共にルーレットが回る。
「ストーーーップ!!」
相変わらずテンションが高いルリアさんに負けて『赤ボタン』を押した。
ぴ、ぴ… ぴ
ルーレットが止まる。
嬉しそうにルリアがルーレットを確認する。
「………」
しばらくの沈黙
「え?なに?どうしたん?」
「えーっと…」
ルリアの顔が少しひきつっている…
「あなたの転生先はエビ(オキアミ)です!」
にこやかにルリアが叫んだ。
「………」
「………」
「えーと… エビ? オキアミ??」
かえでが戸惑っていると
「さぁ!かえでさん!異世界生活を楽しんで!では、いってらっしゃい!!」
ルリアが満面の笑みで叫ぶと、かえでは天からのスポットライトの中で浮き上がる。
「ちょ!! え? なに? ちょっと!待って!!」
かえでは叫ぶが、ルリアはにこやかに手を振っていた。
「うそでしょ!?」
こうして、かえでは異世界のエビ(オキアミ)に転生したのだった…