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5話 空気は吸って吐くもの

「あら、鷲沢君。奇遇ね」

「それはいいが、何故すぐ後を付いてくる」

「別にいいじゃない。パートナーなのだし」

(暫く、このセリフは使えそうね)


はぁ、と裕翔は溜息をついて、だんまりと歩いて行った。あとを、北御門が付いていく。


二人の後を、一人の少女がとぼとぼ歩いていた。

「はぁ、...暇だ...。」

散って落ちていく花びらを、手のひらで燃やし、それを繰り返す。

「何か面白い事ねぇかなぁー」


何度も溜息をつきながら、校門をくぐる。


校門の先は、前日と同じく生徒達がたむろしていた。

彼女をいくらかの生徒が見ている。

「あれが宗方烈火むなかた れっかか...」

「噂どおり人形みたいに可愛いな」

「名前は荒っぽそうなのにな」


(なんだなんだ?あたしの暇度が一発で見抜けた系か?なんか違ぇな...)

まいっか、と烈火はそのまま教室に向かった。


「ん?」

教室に入った瞬間、男子生徒の手が赤い事に気がついた。

もちろん、戦闘が好きでこの科に入った烈火は喧嘩と見る。

男子と、その話している女子の間に凄いスピードで突っ込んでいく。


「そのキズ喧嘩かぁっっ!?喧嘩だな!!」


男子は「うおっ!?」っと一歩引く。           

女子のほうは驚かず、「貴女、誰だっけ?」と聞く。


烈火は、待ってましたとの顔で机にかかとを掛け、


「はっ、なら今後覚えておきな。この、暇で暇でとにかく何か起きてくんなきゃどうしようもねぇししょうがねぇ大丈夫スパッツ穿いてる宗方烈火サマをな!!!」







                   

                    

                      

                                                        

                        

                                

                          

                               

                                 

                   





「――――んだこの余韻はっ!!」

烈火は、しょぼしょぼ足を地に降ろした。

無理もないだろう。人のシリアスな会話に勝手に割り込んだのだから。


「そういや、そっちの名前聞いてなかったっけ」


「四陰三鷹だ!ハイ次」

「フロウリス・レイ。フロウでいいよ。というか何その振り」


「ようし、三鷹にフロウだな。たぶん後...一週間ぐらいに忘れる。」

うわぁ、という二人の目線に、烈火は自分の失言に気がつく。


ごほんっ


「...で、その拳の内出血、喧嘩だろ?どこで、誰と、いつやったんだ!?」

一言ごとに、三鷹に詰め寄る。近い。


「登校中に、変なヤツと、今朝...だよな、フロウ?」

「そこも私に振るの?まぁそんな感じだけど。」


「ふーむ...、で。なんでアタシを呼ばなかった?」

「え...、呼ぶ以前に知り合ったの昨日だし...?」

「暇人を呼ぶのは基本のキホンだろう。うん、そうだ」

「違うと思う」


「うん...?待てよ、ってことはお前、えっと烈火も喧嘩好きってことか!俺達の仲間だな!」


「あんたは会話の空気読みなさいよ」          

                  

「おう!ここの入学理由だぜ!」







お久しぶりです。箱入り巴です。ゼリー不足にカフェラテ不足ときていますよ。

え?烈火とやらは自己紹介に出てない?知らなぁい。ぐはぁっ!?


ではまた次回。


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