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第五話 彼女の鎖


「美月ーッ!!俺の着替え知らないかーッ!?」


「兄さんっ!!だからって何も着ないで出てこないでくださいっ!」



四陰家。

朝、三鷹の準備が終わるまで待っている中。


兄のデリカシーの無さと豪快さは相変わらずだ。


とりあえず、荷物の確認をしてみる。

筆箱、工具箱、タオル、ちり紙、四門回転式ガトリングガン………。

折り畳み式のガトリングガンは、すっぽりとスクールバックに入るコンパクトタイプのもので、これまた美月のお手製である。


護身用にといつも持ち歩いているのだが、いくら低反動で軽くても構えるのに多少の時間がかかる。

これは咄嗟に使う、護身用の武器になるのだろうか。ちなみに、全てゴム弾である。



「よし、行くかぁ」


「遅いですよ、兄さん」



のんびり兄妹揃って家をでる。


そして直ぐ隣の部屋のインターフォンを押す。

ぴんぽーん、と素っ気ない機械音が響いた。


だが、中から四陰家の隣人、フロウリス・レイは出てくる気配は無い。


少し様子がおかしいと感じた三鷹は、ガンガンッ、と鉄の扉を叩く。



「フローウッ!!学校いくぞーッ!!」


「………出ませんね…?」



三鷹と違って常識がある美月までもが、出てこないことに不信に思う。


しばらく呼び続けるが、一向に出てくる気配は無い。


仕方ない…、と美月が小声で呟くと、鞄の中から工具箱を取り出す。


工具箱から2、3個道具を取り出すと、鍵穴に通す。

30秒くらいすると、カチャン、と鍵が外れる音がした。



「……美月、それはいつ覚えた技術だ?」


「えっと………学校で使うと思って、先月ぐらいに。」


「んなもん学校で使わんわな」



とりあえず、目の前の犯罪者を置いといて、三鷹も犯罪者になった。もとい、勝手に部屋に上がり込んだ。


家具も少なく、いかにも引っ越したばかりの感じの部屋の隅に、一人のエルフが小さく寝息をたてながら眠っている。


三鷹は彼女に近付きながら、小さく肩を揺さぶる。

だが、起きる気配はない。


次に、声をかけながら頬を軽く叩いてみる。

しかし、起きる気配はない。


今度は頭にチョップをかましながら大声で呼んでみる。

だが、起きる気配は一向に無い。


そう、彼女は一度眠るとなかなか起きれないのだ。



「………どうします?」


「…美月、あのガトリング砲は全部ゴム弾だよな?」



え、と軽く声を漏らす。

だが三鷹が、やれ、と静かに一言言うと渋々準備を始める。


ガチャガチャと音の鳴る軽量型の重火器兵器は、二つ折りになっている部分を伸ばすだけで立派なガトリングガンとなった。


軽くトリガーを捻り、回転は正常か確かめると、マガジンを奥に突っ込みリロードレバーを引いた。



「………本当にやるんですか?」


「そうでもしないと起きないと見た」



片腕で持ち上げ、脇に挟む様にし重心を安定させると、トリガーに指をかけた。


ごめんなさいっ、と軽く目を瞑りながらトリガーを引く。

軽く回転が始まったと思うと凄い早さでガトリングガンは火を吹いた。



「……ッッッッッッッッ!?」



ガラララララララッ!!と火を吹き続けるガトリングガンの弾丸に、フロウリスは成す統べなく転がっていく。


壁に叩きつけられても尚、ガトリングガンは火を吹き続ける。

流石にゴム弾でもこれでは下手すると大怪我なことに、目を瞑り続ける美月と爆笑している三鷹にはわからない。

と、だんだん音が、柔らかいものに当たる音では無く、固いものに当たる音に変わってきた。


カキンガキンッ!!と当たった弾が乱反射し、部屋中に散らばる。

その一発が、美月の剛毛な髪にかすった。

ビックリして握っていたトリガーから指が離れる。


銃身と一部の壁からもうもうと煙が上がる。

部屋にはガトリングガンが勢い余ってカラカラと回る音だけが響いた。



「……最後に言い残すことはある…?」


「がっはっはぁ!!さぁ学校行くぞぉ!」


「ご、ごめんなさぃ……」



背中に巨大な氷を張り付かせたフロウリスが、煙の中から立ち上がる。

その表情はかなり鋭く、獲物を捕らえる虎のような瞳をしていた。


魔術でできた氷は普通の氷よりかは強度があり、ゴム弾ぐらいでは割れない。


結局、最悪な目覚めとなったフロウリスだった。






登校時。

美月も加わり三人でのんびり学校へ登校することにする。


朝の時間的にはかなり余裕を持ってフロウリスを起こしに行ったので、遅れる心配は無さそうだ。


さて、ユミルからの亡命少女フロウリスは何かをすっかり忘れていた気がする。



「……なぁフロウ」


「んぅ?」



朝食がガトリング騒動でまともに取れなかった為、菓子パンを頬張った変な声で返事をした。

おまわず小さく吹いてしまう美月。



「…まぁいいや。すっかり忘れてたんだが、お前、ウェンはどした?」


「…あれ、結局どうなったんだろ」



ウェン。

聞き慣れない名詞を聞いた美月は、軽く小首を傾げる。

それに気付いた三鷹は、フロウの兄だよ、と説明をする。



「…亡命してた時、転んでたからなぁ。多分捕まってんじゃないかなぁ〜…」


「あのバカ……、なんかあいつならどっかで笑ってそうだわな」


「……なんかどんな人か想像つかないです」



そんな馬鹿話をして学校へ向かう。

実際、フロウリスの兄、ウェントス・レイは、フロウリスと同じく喧嘩っ早い性格をしていて、熱くなると直ぐに喧嘩をおっ始める。


しかし、普段の性格はかなり穏やかな性格をしていて、何もかも中途半端な奴だ。


彼女的には、普段近くにいると鬱陶しいと感じる駄目兄貴ウェントスなのだが、いないとなるとまた心配になる。



「……ウェンの奴、どこにいんだろ」


「さぁな。アイツ、いつどこでも生きてそうだ」


「……まったくわからないんですけど」



結局取り残された感じの美月。

一人ムスッとしてしまった美月の為に、慌てて話題を変えようとする。

慌てた三鷹がフロウリスに目伏せする。フロウリスも何の話題にすべきか頭をフル回転させる。


そして、ふと、四陰兄妹の剛毛だが長い髪に目が止まる。



「……あんた達って髪どんな感じに手入れしてんの…?」


「ああ、この髪か」


「手入れはしてるんですが、こればっかりはお父さんのせいでどうしようも無いんです…」


「お父さんのせい?親子遺伝みたいなもん?」



フロウリスの質問に対して、美月は半分ぐらいは合っている、と答えた。


三鷹はさして気にするものでは無いだろうが、美月はあれでは少し可哀想だ、と思う。

美月は硬めの前髪をひとふさ摘まみながら、



「実は、私達のお父さんはヒューマンの純血では無く、ドワーフとヒューマンのハーフなんです」


「この髪はドワーフの血を少しでも引くせいだわな」


「なるほど……つまりあなた達はヒューマンと、ヒューマンとドワーフのハーフの間に産まれた、ってコト?」



ええ、と控え目に美月が返答する。


だから、か。とフロウリスは思う。

普段から不思議に思っていたのだが、三鷹の運動神経が周りのヒューマンよりも高いのだ。


彼は並みを遥かにしのぐ腕力、脚力を持っていて、今までの攻撃全てがヒューマンを上回る。


それに、美月も。

ヒューマンは科学技術が発達している為、主に科学合金を扱うものを作製するのだが、美月の作る兵器―――四門回転式ガトリングガンは、ドワーフが古代から扱う素材、鉄を使用している。

科学技術を頼らない、火薬と鉄のみでできるタイプ的にも古いガトリングガンだ。


だが、四陰兄妹は3分の1のドワーフの血が流れていて、ドワーフの技術が受け継がれているのなら全て合点が合う。



「……フロウさんのコトも少し気になります。体の一部を媒体にして詠唱を省く魔術……初めて見ました。他にもそのタイプの魔術を扱う方っているんですか?」


「ああ、これね。このタイプの魔術はウチの家系全員が使えるんだよね」


「…確かウェンも使ってたな」



フロウリスは右目を青白く染め、右手のひらに冷気を貯めた。

彼女は貯めた冷気を氷の塊にすると、何もない空へ放り投げる。


そして今度は電気を手に纏わせる。

その手で空を軽く撫でると、一筋の光線が走った。


バチッ!!と音が鳴った時には、既に氷の塊は粉々になっていた。


でも、と彼女は間を開ける。



「私にも、扱いやすい魔術ってのがあるの。私は、風、冷気、雷を司る神を体に取り込むのが楽かな。火の神は体が軽く拒絶するんだよね。あ、ついでに私も一応詠唱魔術も使えるよ」


「は……?神?」



あれ、と思わず声が出る。

そもそもエルフが魔術を使えるのは、その魔術が宿す属性の神が力を貸すからである。


フロウリスの様な魔術は力を貸す訳では無く、神の一部を体に取り込み、魔術を体に纏わせるのだ。


つまり、エルフの中でも神に一番近い力を出すことができる。

しかし、どうやら神にも拒絶反応があるらしく、全ての神が完全に力を宿してくれるものでは無いようだ。



「な、なんかかなり規模が大きい様な…」


「そうでもないよ。神と話せるって訳でも無いしね」




彼女としては、かなりどうでもいいことなのだろう。

さらりと告げて大きく伸びをする。


春風に煽られ金色の髪が宙を舞う。

和やかなムードが辺り一帯に広がっている、そんな風にすら思えてきた。


眩しい太陽の光が彼女の体を心から暖めた。


と。



辺り一面に殺気が充満した。



振り返る前に真横に跳ぶ。

彼女の立っていた場所には火柱が上がった。


気付くと美月は転がって回避し、三鷹は既に走り出していた。三鷹が喧嘩慣れしているのは知っているが、意外と美月も喧嘩は慣れているのかもしれない。


否。



(喧嘩なんて甘っちょろいもんじゃ、ない…!)



直ぐ様体勢を立て直し、走り出す。

視界の隅で美月がガトリングガンを構えているのが見える。


微力な魔術の波を辿って獲物を視界に捕らえる。

黒いローブを着た者が三人。


両手の爪を緑色に染め、手の周りに鎌鼬を起こさせる。

視界に捕らえた三人組は、散開し、それぞれ一人ずつ相手するようになる。


フロウリスは両手を撫でるように動かすと、細かな鎌鼬が直進的に進む。


しかし、ローブの男のとった行動は迅速で、鎌鼬に小さな竜巻をぶつけ相殺する。

風の波動が辺りに広がり、足元を掬われる。


地面に叩きつけられたが、背中から火を吹き出しバネ仕掛けの人形のように立ち上がる。


彼女は両手を天に突き出すと、静かに言葉を紡ぎ始めた。



「……雷の神の名の元にその怒りの落雷をかの者に与えたまえ…!!」



彼女の周りに小さな風が起こり、目、爪、髪が全て黄色に染まる。

彼女の体全体から、バヂバヂと微弱な電気が走る。


フロウリスの瞳に映る男の頭上に、黒い雨雲が集まる。



「落ちろッ!!」



彼女が一言叫ぶと、激しい雷が男目掛けて降り注いだ。

一発に限らず、何発もの雷が降り続ける。


男は何度も地面を転がる事で、なんとか回避を続ける。

このまま攻撃の手を緩めるのは勿体無いどころではない。手に纏ったままの雷を宙に走らせる。


しかしこれも回避される。さっきから転がって回避し続けているのでこれはチャンスなのだが。


と、目の前フロウリスが相手にしていない別のローブの男が流れる様に現れた。

これだけでフロウリスの注目すべき相手が変わってしまう。


髪を青白く染めて、顔の前に氷の塊を出現させローブの男の拳を防ぐ。


氷を自らの火で吹き飛ばすと、殴りかかって来た男も思いっきり飛び下がっていた。

その男の後ろには、美月のガトリングガンによってまだ回避させられ続ける先ほどの男がゴロゴロ転がっている。


フロウリスも後ろに下がる。

と、ドン、と何かにぶつかる。どうやら三鷹の背中の様だ。彼の髪が首筋に当たってチクチク痛い。



「四陰っ、無事!?」


「がっはっはぁ!!俺を誰だと思っている!?」



大きな声で笑う三鷹の目線には、既に倒れたローブの男が映っていた。

彼は己の拳で殴り倒したのだろう、握ったままの拳には血管が青く浮き出ている。


三鷹はすぐにフロウリスの目線に映っている敵に向かい走り出す。

フロウリスは三鷹が自分を追い越す様に走ったので、慌てて後を追う。


先程から美月により立ち上がる事すらできない男に向かい、フロウリスは矛先を向けた。

右腕に雷を纏わせ、足の裏に氷を張り鮮やかに滑りながら進む。


一方、三鷹はもうひとりの肉弾戦を仕掛けてくる男へ対峙した。

大地を思い切り蹴ると、向こうも会わせて走り出す。

三鷹が拳を振り上げると、向こうも振り上げる。



「上等ぉぉォォォォォオオオオオオオッ!!」


「ぁぐっ…!?」



拳と拳をぶつけ合った直後、ゴキリ、と嫌な音とともにローブの男は地面に投げ出される。

三鷹の拳から血が出ていたが、向こうは腕が有り得ない方向に曲がっていた。


ダメージの差は明らかだった。

あの腕ではまた戦闘に復帰するのは無理と感じたのか、三鷹は殴り倒した男を捨て置く。


と、振り向いた時に広がっていた視界には、絶望的な光景が広がっていた。


一番始めに倒した男が、地に伏せたまま拳銃を引き抜いて、構えていたのだ。

しかも、銃口は美月に向いている。


美月は背後から狙撃の為に狙われているのに気付いているのだろうか。

彼女の装備はガトリングガンと、変な紫色のゴーグルしか無い。


防ぐ術は無い。

三鷹は咄嗟に拳銃を握る男に走り出す。だが、明らかに間に合う筈が無い。距離があまりに離れているのだ。

トリガーにかかる指に力が入る。



「みづ――――ッ!!」



ガゥンッ!!、と火薬の音が響く。

銃声の後に三鷹は男の腕を力一杯蹴る。


カラカラカラ、と黒い鋼の塊が滑る。

しかしそんな事は関係無い。



「美月ッ!!」



振り返り、走り出す。

銃弾は真っ直ぐ美月に向かい彼女の頭を貫いた。



はずだった。



彼女は腕に負傷を負いながらも銃弾が頭に食い込む事無く、横に数センチずれていたのだ。



「微弱な火薬反応を関知。後に背後からの狙撃と判明。風速計算。仮説頭部狙いとなると誤差右に0.3センチ。9時方向に3センチ移動により安全圏へ移動……。無事、という訳ではありませんが大丈夫です」



彼女が機械の様に紡いだ言葉にギョッとした。

振り返る彼女の顔には、白い文字が大量に流れているゴーグルが装着されている。


どうやら、美月の装着しているゴーグルには、色々なものをサーチ、計算できる機能があるようだ。

それに普通のヒューマンよりも運動神経がいいので、咄嗟な反応にも対処できる。


しかし、計算は完璧では無い様だ。

弾は右腕をかすり、服が一部分えぐれている。そしてそこから赤い血が流れていた。


しかし美月は気にした様子も無く、ガトリングガンを再び握り絞める。


三鷹も彼女がまだ戦えると判断したのか、再び走り出す。


美月の視界には、大量の文字が流れていた。



(右腕負傷率27.5%残弾数276発変えマガジン数3個火薬反応ロスト高熱源反応探知前方から魔術と判明目標の目線と手の角度から見て狙いは腹部回避運動安全予測地帯現時点か8時の方向に移動……)



大量に流れる白い文字を一気に把握する。

彼女のゴーグルは探知機の他にも、自体の健康状況まで理解できる。


頭が痛くなってくる。

このゴーグルを使うにはもう少し慣れないと駄目だ、と悔やむ。


彼女は流れていく文字読み取り、把握し、尚且戦闘をしなくてはならない。


瞬時的に判断しなくては重いガトリングガンを持って攻撃を回避することはできない。


彼女は目の前がくる火球を、ガトリングガンの側面に付いている、対核爆発衝撃吸収用シールドで身を守る。



(ぅ……く……!……右肩ダメージシールド耐久度98%突破ガトリングガン軽度損傷…!?)



彼女の顔に焦りが出る。

今このガトリングガンが壊れると、何もできなくなる。


素直に下がると、鮮やかに滑りながらフロウリスが割って入る。

彼女は鎌鼬を繰り出し、相手の飛ばした火球を吹き飛ばす。


凄まじい熱風で美月が吹き飛ばされるが、直ぐに後ろから走ってくる三鷹が受け止める。


フロウリスはそのまま右手に雷を纏わせ、左足から水を吹き出し周りを水浸しにする。

そしてもちろん右手を水に浸す。



「がっ………!」


「フロウてめぇ!!あぶねぇだろうがッ!!」


「当たんなきゃいーでしょー?」



四陰兄妹は後ろに後退し、何とか電撃圏内からでれたみたいだ。


両手から火を吹き出し、痺れて動きが止まった男の懐に潜り込む。

そして再び雷を纏い、相手の顔面を掴む。

彼女の髪が、バチンッ!!と跳ねる。



「き、さま……何故、うら、切り、を…」


「裏切り?ふざけないで、私は自由になりたいだけ。生活に枷は必要無いでしょ?私にとって、ユミルは自由を縛る枷なのよ」



静かに告げると、手から雷が炸裂した。

以前、三鷹にかました時よりも、遥かに強い威力で。


男はそのまま膝から崩れ落ち、汚い地面へ倒れこんだ。


ふんっ、と髪を翻しながら振り向くと四陰兄妹が穏やかな顔でこちらを見ていた。

それにつられて、彼女も穏やかに笑う。



「それじゃ、学校行こっか」


「5分ぐらいしかたってないんですね………っ!」


「美月、無理すんなよ?」


「いえ、大丈夫です。幸い、消毒薬とか包帯とか持ち合わせてますし」


「それじゃ、軽く手当てしてから行こっかっ」



今日も1日が始まる。

彼女の自由を縛る枷は、たった今砕かれた。


しかし、まだ完璧に枷は無くなった訳ではない。

また新たな枷が彼女を縛ろうとする。


そんなものがなんだ、と彼女は心から思った。

そんなもの、また壊してやると言わんばかりに、美月の腕にきつく包帯を巻き付ける。


彼女は決心した。

世界は歪んでいる。


この歪んでいる世界を一つにできるのなら、なんだってやってやる、と。



「………ところで、あの三人は……?」


「ん?――――消えた、な……?」


「逃げたんでしょ。また来たらまたとっちめるまで」



彼女の周りには、今起きたことも知らないような穏やかな風が吹いていた。


これから、忙しくなる――――頭の中で考えたら、思わず溜め息が出た。

はい久々ですね。ラプタです。最近学校やら別小説やらで忙しくて更新できませんでした、すみません。さて、今回は張り切って長く書きました。前回の行間、短かったですし。今回はズバリ、「本物の戦闘」をイメージし、魔法、兵器、力を重視したお話です。こう見返すと、三鷹が強すぎたり。さて、今回はこれで筆を置かせていただいて。また次回お会いしましょう

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