一話 夢のつもり
■――夢のつもり――
「あなた!!」
「ぐっ…」
その兵士は、不気味に笑みを浮かべた。
(なんで?何が起こってるん)
そこにいたのは、子供の頃の俺。それをかばうように抱いているのが俺の母親。
そして、目の前には…
「なぜだ?!仕事は確かに終えたはずだろ!」
「また、必要になったんです。抵抗しないでくれますか?」
「ふ、ざけるな!!」
目の前に立っていた男が、大きな鎚を兵士に向かって振りかぶる。その男は、俺のよく知っている。俺の世界に二人しかいない肉親の一人だった。
一線、兵士の剣が横なぎに振られた。
「ぐ、ああああぁ!!」
俺の父、クレン=ウェルズ=レンズは自分の顔を手で覆いながら大きく仰け反った。指の隙間から大量の血が流れている。
「あ…、ああ…」
母さんが俺を強く抱きしめる。その表情はもう放心状態だった。
「レンズ博士を連れて来い」
「はっ!」
隊長らしき兵士が下っ端兵士に告げ、さっさと外に出て行ってしまった。このとき、俺は何もわからなかった。ただ分かったのは、
(あの人間たちは、俺の敵…)
ただ、それだけが頭に強く残った。
父さんが外に連れ出されていく。
俺は、ただ黙って兵士と連れ出される父さんの背中をにらみつけるしかなかった。
その時、父さんの手に力が戻った。
「シッ!!」
「!」
短い、息を吐く音と共に担がれていた兵士を殴り倒す。
父さんの手には、いつの間にか小さな鎚が握られていた。
それに、掘り込んである独特な竜の絵がかかれた紋章。
父さんが作りあげた物には、その紋章が掘り込んであった。
俺は父さんが、あいつらを倒してくれると表情がほころんだ。
が、
ブシュ!
「がっ…」
少し扉から外に出た場所で、俺の瞳が映したのは父の背中から突き出た剣の先。
「ふぅ、何をしている…」
「す、すみません」
兵士たちの、軽い会話がやけに耳にこびりついた。俺の頭が目の前の光景を否定している。
父さんの背中から剣の先が抜かれる。
「シェイカ…」
父さんのつぶやき、あの優しかった父さんは今、
「レイ…」
死んだ。
「う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
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「うわぁぁぁ!」
目を開けると、そこは自分の部屋だった。
(また、あの夢か…)
俺の体はすごい寝汗をかいていた。のそのそと、起き上がり時計を見る。
現在 午前2時41分
俺は首をコキリとならして、作業服に手を伸ばした。
「…うざいんな。いつまでも変な夢見せやがって」
そう、ぼやきながらすぐに作業服に着替えて、部屋の扉を開ける。
(工房でなんか作って、落ち着くか…)
そう考え、母さんを起こさないように静かに階段を降りていった。
どうも、クロウナイツの一人。炎道 緑といいます。自分の話はかなり独特な感じで、出来たら皆様に笑っていただけるような。そんな話を書いていきたいと思っています。
文法も、言葉もまだまだ未熟ですが、温かく見守ってください。
?「応援よろしくなん」
炎「うわっ、誰だよ。お前」
?「ん?それは次回のお楽しみ。それじゃあ、よろしくん」
炎「…なんだったんだ?」




