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4話 想い出

「でね、わたし、今ひとつ小説を考えてるんだ。わたし達をモチーフにした、二羽の小鳥のお話」


「一羽が事故で、怪我をしちゃうの。もう一羽が、自分のせいだって落ち込んじゃうの。でも、怪我した方が慰めていって...、いずれあの事故があったから今があるんだ、って飛びだってく話。のつもりなんだけど...」


「ゆうと、聞いてる?」

「ああ」

「だったら、返事くらいしてよねっ」

「ああ」

「素っ気ないなぁ。もっとこう...、会話が続くような返事してよぉ」


「そういうのはよく分からないな」


うっ。

やっぱりゆうとはあの事故があってから無関心な事が多いなぁ。

まぁ、その前もだったけど...


 *            *           *


四年前、国境門。

「無許可で出てはいけないとあれだけ言い聞かされているが」

「大丈夫だよ、ちょっとだけだから」


そう言って、瑠美は門を出てしまった。


「...仕方ないな」

しぶしぶ、裕翔も続いて出る。

瑠美を放っておいたら、どこまで行くか測り知れない。


「うわー資料で見た通りだなぁ、ねっ、ゆうと」

「...確認したんだから、帰らないか」

「えーもうちょいだけ」


と、瑠美が両手を合わせた




刹那。


一筋の光弾が瑠美の足に直撃した。

「―――――――ッ!」

言葉にならない痛みに、瑠美は地に倒れる。

「瑠美っ!」

裕翔が駆け寄る。


(ど、どこだ...?)

裕翔は体勢を低くし、光弾が飛んできたであろう方向を見据えた。


――――誰もいない。

とすると、跳弾か。

あたりを見回していると、裕翔のすぐ右を光弾が飛んできた。

それは、木に当たると、あろうことか爆ぜた。


今度こそ飛んできた位置を見る。

見慣れない姿の者が、一人。


その一人はこっちへやって来る。

銃をこちらへ構え、

撃たれた。


裕翔の後ろから、連合国の軍人が撃ったのだ。

見慣れない姿は、どさっ、と儚い音を立てて倒れ、動かなくなった。


「大丈夫か!?」

駆け寄って来る連合国の軍人達。彼らがいなかったら、二人共危なかっただろう。


その後、軍人の手によって瑠美は応急手当を受け、

軍人が瑠美をおぶり、

病院へ搬送された。

傷は割と浅く、全治一、二年と判断された。

何もない閑散とした待合室で、裕翔は、自分の無力さを思い知った。


「俺が、もっと強ければ...!」


すると、隣に座っていた軍人の人が肩をたたいた。

「悔やむな、あいつらに見つかってこんな綺麗に帰ってくるなんざ、そうそうねぇぞ」

「でも―――ッ」


「―――まぁいいさ。反省はいくらでもしといて損はねぇからな。だが強くなりてぇなら―――」

「...?」


「ただ強くなればいいってもんじゃねぇ。その強さを、どこに使えるか、どう使うか。それによっては人から幸せを奪ったり、他人を信じられなくなったりなる。つまり正義にも悪にもなるって訳だ。強くなりてぇなら、それだけは覚えておきな」

そういって、部屋を出て行った。


一人頭を抱える裕翔を、華鈴は黙って見守った。



ごきげんよう、箱入り巴ですよ。近頃寝不足ですよ。

頭の悪さは一級モノですよ。

頭が悪いということは勿論文才が無い=小説がクソということですが、まぁ末短くお願いします。(今頃?

多分、瑠美さん御一行は二度と出ませんね(!

では、次回お会いできたら。



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