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(タイトルなし)・「無駄な時間?」・「それぞれが美しい理由(わけ)」・「にっこりの期限」
ママ色に染められ、
パパ色に染められて、
素の色が見えなくなっちゃった。
もともととても、
きれいだったのに。
「無駄な時間?」
私の家の緑の壁に、ミンミン蝉がとまっていた。
「間違ってしまったんだね。」
「たった7日の命なのに、無駄な時間はやめなさい。」
手の甲で、そっと蝉のハネを押す。
蝉は大空に飛び立った。
それを見ていた神様が、
“素晴らしい心がけじゃ”と膝を叩いた。
“ほうびを一つ、つかわすぞ”
“たった一度の人生じゃから、無駄な時間
はやめなされ“
私、今年三十歳。
この歳にして、大失恋す。
「それぞれが美しい理由」
春は夏が嫌い。
夏は秋が嫌い。
秋は冬が嫌い。
冬は春が嫌い。
嫌いだからこそ、負けない。
他よりも、もっと美しく輝く。
「にっこりの期限」
あなたの瞳にうつる私は
いっつもにっこり笑っている。
私の瞳にうつるあなたが、
いつまでもそうであります様に。




