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新太vs律季 第3round
「新太」
保健室から戻った新太に、律季が声をかける。
「なに?」
「美琴の様子がおかしい、…新太、何か知ってる?」
「知ってても、律季には言わないよ」
律季の横を通りすぎて、新太は席についた。
「お前な…」
律季は、新太の机にバンッと手をつく。
「いい加減認めろよ、俺が美琴の彼氏なの。」
「だから何?」
頬杖をついて、新太が律季を見上げる。
「お前は、蛍の彼氏だろ?なんで美琴にそんな執着してるわけ?」
律季が言うと、
「蛍とは…別れたよ」
あっさりと、新太が言った。
「は?」
「別れたよ、昨日」
(蛍と、別れた…?)
「なんで…」
律季が理由を聞こうとすると、新太は律季をまっすぐ見上げて言う。
「―――美琴が好きだから」
「何言っ…―――」
律季は、冗談だろ…と笑うことすら出来なかった。
「俺は…ずっと前から美琴が好きだった」
新太の目が…本気だったからだ。
「だから律季には…渡さない」




