表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
90/250

真実を知る前に

「――――美琴の母親の…記憶が戻った」

深夜に仕事から帰ってきた真太が、小声で言った。



舞子は、今まで踏み込めずにいた前妻の話に、

真太のスーツをハンガーにかけようとしていた手が止まる。


「それは…美琴を手放すってこと?」

舞子の声が震える。



『前妻は事故に遭い、五年間の記憶が抜け落ちていて美琴(むすめ)存在(こと)も忘れている。

思い出すまでの間、美琴には何も話さないで欲しい。


そしてもし思い出した時は…

彼女はきっと…娘と暮らしたいと言うだろう…―――。』


真太と結婚する前に聞かされたのはそれだけで、

舞子はそれ以上のことは何も知らなかった。





「向こうは一緒に暮らしたいと言っているんだ」

ネクタイを緩めながらソファーに座り込み、真太が言う。


「そんな…私はあの子を本当に娘のように…」


「舞子、分かってる。それは俺も同じ気持ちだから」

舞子の言葉を遮るように真太が言う。


「貴方は違うでしょう?実の父親なんだから…」

(私は…真太とは違う…)


「いや…違うんだ…」

舞子の言葉を否定する真太に、舞子は困惑した。


「え…真太何言ってるの?」

「美琴は…俺の本当の子供じゃない」




「舞子、ごめん…ずっと黙ってて」

真太が頭を下げる。

舞子はそんな夫を立ったまま見下ろす。


「じゃああの子の父親は…誰なの…」


「俺も…知らないんだ…」

真太の声は、寂しそうで…舞子はそれ以上なにも言えなかった。


(貴方は…知らない男との子供を…前の奥さんのために育ててたの?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ