表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
88/250

美緒の恋物語(Ⅲ)

「Good morning!ミオ、モデルの仕事見つかりそう?」


一週間が過ぎて、驚くほどジョージの家は快適で…、

私は出ていくタイミングを失なっていた。


「だから、なんでそれを笑いながら言うの?」

「いや、ごめん…もう笑わない」

このやりとりは、毎朝の日課になりつつあった。


毎朝、貸してもらっている部屋を出るとすぐの、

共有スペースのダイニングキッチンで、

コーヒーを淹れながらジョージは私をからかう。



「ねぇ、ジョージはどうしてカメラマンになったの?」

朝食は二人でとるのも、日課になっていた。


「なってないよ?これからなるんだ」

ジョージが微笑んで言う。


「は?」

私は意味が分からず聞き返す。

(だって初対面の時は、カメラマンだって言ったよね?)


「僕はまだ…学生だから」

ジョージはそう言うと恥ずかしそうにコーヒーを飲む。


「え?―――ジョージ…今いくつなの?」


「18」

「えっ、ご両親は?」

(18才…つまり未成年。私は24だから…つまり私は六歳も上!)

驚きの連続で、何も言えなくなる。


「父は忙しくて居ない。――――母は亡くなってるんだ…」

「そんな…」


「たからミオが居てくれて…うれしい」

ジョージはふわりと笑って言う。


「え…」

「ニホンゴが懐かしくて…」


(―――私は、彼のことを何も知らなかった…)


なぜ私に声をかけてきたのか…。それはきっと…。


(寂しかったのにね…ずっと一人で…)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ