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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
87/250

美緒の恋物語(Ⅱ)

「ねぇ、僕の家デ一緒に住まナイ?」

ニコニコと、可愛い笑顔でジョージは出会って5分の私に言った。

「ノーセンキュー」

私はスーツケースを転がしながら立ち去ろうとする。

(こいつ、絶対crazyだわ…)




「どうして?大丈夫、彼女とはちょうど最近別れたし、いないから。部屋も余ってるし、ルームシェアしようよ」

ジョージが後をついて来ながら言う。

「それに、もう夜も遅いしこの辺治安も悪いから、君みたいなカワイイ日本人は危険だよ?」


“危険”…その言葉に足を止める。

(あんたは危険じゃないってこと?)

睨むようにじっと見つめても、ジョージの表情(かお)には“善意”しかないように見えた。


「―――あなた、仕事は?」

念のため、素性を聞く。


「僕は…カメラマンだよ。君は?」

ジョージに同じ質問で返されて、私は少したじろぐ。


「私は…モデル希望」


その言葉に、ジョージはお腹を抱えて笑った。

笑いすぎて涙まで出ている。


「なんなの…なんでそんなに笑うのよ?」

(―――なんて失礼なやつなの…)


「だって…英語が通じないくせに…こんなところまで来て」


「う…」

ズバッと言われて何も言い返せなかった。



「――――ジョージはどうしてそんなに日本語上手なの?」

悔し紛れに、私はジョージに尋ねた。


「僕?母親が日本人だったカラ」

初めて笑顔に少しだけ陰が見えた…。


ジョージは気を取り直すように尋ねる。

「あ、君の名前、まだ聞いてなかったね」

「…ミオ」

「頑張ってね、ミオ!」

私が名前を教えると、ジョージは急にあっさりと私に背を向けて行ってしまおうとした。



「―――ちょっと待って」

(―――…なんで私は、引き留めたんだろう)

気付くとジョージにすがる自分がいた。


「ん?」

「ルームシェア…させてください」

(なんで彼の家に…転がり込んだんだろう…)


「良いよ、おいで?」

優しく微笑んで、ジョージは私の荷物を半分持ってくれた。



―――初対面なのに、あの時ジョージにそう言われて…、

私は生まれて初めて、自分の居場所を認めて貰えた気がした。




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