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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
81/250

イベント(1)

学祭の日になり、

美琴は律季と校内を歩きながら、楽しんでいた。


「そこの二人、ちょっとこのイベントに出てくれませんか?」


知らない女の先輩に突然そんなことを言われて、

渡されたビラを見ると、

『ベストカップルを探せ!』と題して、校内のベストカップルを決めるというものだった。



「え、めんどくさいから嫌です」

美琴がすぐに断る。

「そんなこと言わずに…」

困ったように先輩が言う。


「…良いですよ」

じっと黙ってビラを見ていた律季が、いきなり承諾する。


「ちょっと律季」

「やろうよ、楽しそうだし」

美琴が止めようとすると、律季が笑顔で言う。


「それに美琴のこと、いかに好きか伝えれる良い機会だから」

「えっ」

美琴の顔がかぁーっと赤くなる。


「あ、じゃあエントリーしてくれます?まずこちらの用紙にクラスと名前と―――…」


説明する先輩に、律季がさらさらと記入していく。


『美琴のこと、いかに好きか伝えれる良い機会だから』

美琴は赤面しながら、律季に言われた言葉を何度も頭のなかでリピートしていた。




「はい、それでははぐみ祭一大イベント、ベストカップルを探せ!始めたいと思いますー!」

司会はさっきの女の先輩だった。


「エントリーNo.1番は、一年2組瀬戸新太くんと一年1組の七種(さいぐさ)蛍さん」

新太と蛍がステージに上がるのを、美琴は驚きながら観ていた。

(新太が…人前に出るなんて…)


蛍と並んで立つ新太は、弟とは思えないほど格好良く見えた。


「エントリーNo.2番は、一年3組の菱川(ひしかわ)律季くんと相馬美琴さん」


名前を呼ばれて、律季に手を引かれながらステージに上がると、律季と新太に挟まれるようにして、美琴は並んで立つ。


「エントリーNo.3は、二年………――――――」



「――――――はい、それでは彼氏から彼女に、好きなところを告白して貰いましょう、お互い向き合ってどうぞ~」

司会に言われて、新太が蛍と向かい合うとマイクを渡される。


新太は…蛍に言われてイベントに参加することにした。

でも内容を確認していなかった為に、

それが「ベストカップルを探せ!」というものだと、つい先程知ったばかりだった。


(蛍の…好きなところ…)

頭の中が、緊張で真っ白になりながら、新太は一生懸命何か言わなければと考える。


(好きなところ―――――…?)



「僕を…好きでいてくれるところが好きです」

(こんな…最低な俺の側に、蛍はまだ居てくれるから――――…)





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