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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
60/250

真太の恋物語(2)

――――美緒は、音信不通だった期間の話を一切しなかった。



「ごめん…君とはもう付き合えない」

美緒と再会して、自然と美緒と会う回数が増えた俺は、

結婚を意識して二年付き合っていた彼女に、別れを告げた。


「どうして?私のこと…嫌いになったの?」

「―――そうじゃないけど…ごめん…」

泣きながら言う彼女に、俺は謝ることしか出来なかった。


美緒は、俺の初恋で憧れで…ずっと特別だった。

そんな彼女が目の前に現れて…俺の想いは引き込まれるように美緒に向いていた。


「美緒、俺と結婚しよう?」

再会して数ヵ月後、俺は彼女にプロポーズした。


「真太が?私と?」

美緒は、最初のプロポーズの時、そう言って笑い飛ばした。



それから数ヵ月…俺は何度もプロポーズした。

守りたかったんだ…美緒とーーー小さな命を、俺の側で。



出逢った頃、首も据わっていなかった赤ん坊は、

気づけば一歳になり、よく笑い、声を出すようになり、立ち、歩くようになっていった。


美琴は、俺によくなついていた。



「美琴、パパだよー」

俺は美琴に会う度にそう話し掛けていた。

「…パ、パ」

美琴は可愛い笑顔で、俺をそう呼んだ。


「真太、本当に良いの?」

それを見ていた美緒は、真顔で俺に言った。


「何がそんなに引っ掛かるの?」

「だって私は…真太とあんな別れ方をして…」



美緒の言葉に、高校二年の冬から一年間付き合ったことを思い出す。


幼い頃からずっと好きだった彼女に、交際を申し込んだのは、美緒が彼氏と別れて弱っていた時だった。


美緒は、美人でカリスマ性があってモテたし、

そんな彼女と付き合えただけでも、俺は幸せだった。


でも美緒は、高校を卒業する前に俺に別れを告げた。

そして地元を離れて、どこかへ行ってしまったのだ。


携帯電話も繋がらず、元々両親の居なかった美緒は連絡のつけようがなかった。


「―――美緒は、美緒らしく居てくれたらいいよ」

(美緒は、俺と別れたことを気にしてくれてたのか…。)

俺は…それだけで、嬉しかった。


(過去のことは言いたくないなら、聞かない)


「真太…」


「美琴と美緒は、俺が守るから」

(だから…どこにも行かないでくれ…)


――――美緒と再会してから一年後、俺達は“家族”になった。


別れた彼女(まいこ)のお腹には、新太がいたことも知らずに………。

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