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真太の恋物語(1)
「…美緒?」
――――君の姿を見つけたとき、まぼろしかと思った。
高校卒業以来、音信不通になっていた美緒と、
この街で再会したのは… 8年ぶりだった。
時が…止まった気がした。
だってそこにいた君は…あの頃のままだったから。
「ウソ…真太っ?」
あの頃と同じ笑顔で、美緒は俺に笑いかけた。
細くて白い腕に、
生まれてまだ首も据わっていない赤ん坊を抱いて…。
「今まで、どこで何してたんだよ!皆お前と連絡とれねーって心配してたんだぞ」
「ごめんねー」
―――俺がどれだけ心配してたか、君はきっと考えたことはなかっただろう。
いつだって自由を好む美緒を、誰も繋ぎ止めることは出来なかった。
―――かつて恋人だった、美緒と別れたことを…俺はずっと後悔していた。
再会した時には、お互いもう26歳になっていて、
俺は地元から少し離れた街に就職していた。
心の奥では幼馴染みの美緒をいつも想っていたが、
現実では、結婚を意識したお付き合いをしている女性はいた。
でも、この街で偶然美緒に再会したことで、俺の平凡な人生は…大きく変わったんだ。




