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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
4/250

美琴と斗亜

「おい、美琴!!」

美琴が教室に入ると、待ち構えていたように斗亜に声をかけられる。


昨日のことを、怒っている様子がすぐに見てとれた。


「斗亜…昨日はごめんね」

美琴は、心から謝る。


「お前さ、俺のこと好きじゃなかったわけ?」

斗亜は、謝罪ではなく昨日の返事を欲していた。

単純に、まだ信じられなかった。


朝から帰りまでずっと一緒にいて、

お互いに居心地が良いと感じていたはずなのに、

昨日初めて部屋に来た美琴に告白したら、

美琴の反応は…まさかの拒絶だった。



「好きだよ!斗亜のこと好きだけど…。それは“友達”としてっていうか…」


「はぁ?」

納得いかない、と斗亜が声を荒げる。


クラスの注目を浴びているのに気付いた美琴は、

とりあえず斗亜の腕を引いて教室を出る。


「斗亜…」

美琴が斗亜を見上げる。


身長165㎝で、女子の中でも背の高い美琴が、

見上げて話をするのは、180㎝ある斗亜と新太ぐらいだ。



「友達でいてよ…、ダメ?」

(斗亜が居なくなったら…友達居なくなる…!)


美琴は、必死でお願いする。


斗亜は、

潤んだ瞳で自分にお願いする美琴を見つめて…言葉に困る。

(美琴(こいつ)…天然過ぎる…)


自分と両想いだと信じていた女の子に、

「お願いだから友達でいてくれ」と頼み込まれるなんて、

斗亜は、初めてだった。


「分かった…」

断わる事も出来ず、斗亜は降参した。


(惚れた弱味だ…よな)


「本当?斗亜…大好きー」

無邪気に抱き付いてくる美琴に、手を出せずに理性を保つ。


(なんだ…これーーーー?拷問?)


惚れた女の子が、ただ者ではないことに気付くのが遅かったことを…斗亜は後悔した。




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