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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
36/250

解散

「なんで新太が行くの?」

不機嫌な蛍が、新太に怒りをぶつける。


「いや…頼まれたからーーー」

「だったら蛍も行く」


「え…」

新太が言葉に困っていると、蛍がにらむ。


「なんか問題でもある?」


「いや…」

新太は微笑んでみせるが、内心動揺しまくりだった。

(問題大有りだろ…)


家について来られたら、家の表札でバレる…。

そこが、ずっと教えていなかった“瀬戸家(じぶんち)”であることも…。



言い訳も思い付かず内心しどろもどろになっているところに、蛍のスマホが鳴る。


「え…うん…分かった…」

電話に出た蛍が、険しい表情になって言う。


「新太、私帰らなくちゃいけなくなった…」

蛍が残念そうに言う。

「そか、じゃあ送ってくよ…」

新太は微笑んで言う。


「ん…」

新太の言葉に、蛍が嬉しそうに頷く。



「―――じゃあ俺たちは帰るね」

美琴の荷物を持った新太と蛍は、別荘から出て行く。




「なんで新太が…」

残った斗亜は、二人を見送りながら律季に嘆く。


「仕方ねーだろ、俺にも斗亜にも会いたくねーって言ってたらしいからな」

律季が無表情で言う。


「お前…何したよ?」

身に覚えのない斗亜は、律季に尋ねる。


「キスした」

新太たちの背中を見つめながら、律季は告げる。


「お前、ふざけんな…っ」

それを聞いた斗亜の怒りは、全力で律季に向けられる。

斗亜は思わず律季の胸ぐらを掴んだ。


「いや、ふざけてないから」

しかし、真面目なトーンで言う律季の表情(かお)を見たら、徐々に手の力が抜けていった。


「律季…」

(いつも澄ましてるこいつが、こんな表情(かお)するなんて…)


「俺、本気だからーーーだからかわかんねーけど…なんかめっちゃ凹んでる…こんな気持ちになったの初めてだわ…」


律季は顔を歪めながらしゃがみこむ。


「俺だって…マジだかんな…」

そんな律季を、見下ろしながら斗亜は言う。


「分かってる、そんなこと…」

律季は顔を上げて、斗亜に苦笑した。




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