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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
33/250

行方不明

「んあー、よく寝たー」

伸びをしながらすっきりした表情の斗亜は一人、広間へと階段を降りる。


「はよー、ってあれ?美琴は?」

広間にいたのは、律季と蛍と新太だった。



「美琴…ちょっと出てってから…戻ってこないんだよな…」

「え、なんでだよ」

斗亜は心配そうに律季に聞く。


「うん、ちょっと…」

「ちょっと、なんだよ…」

言いながら律季の手元を見ると、美琴のバッグがあった。


「とにかく、お金もスマホも持たずに居なくなったんだから、その辺探せば見つかるだろ」


「なんでそんな冷静なんだよ、お前」

律季に苛立ちながら、斗亜は慌てて別荘を飛び出す。

(美琴…?)


自分の寝ている間に、いったい何があったのか…、

斗亜はとりあえず海沿いの道を走り、美琴を探した。




「律季のせいなんでしょう?」

蛍は斗亜が飛び出していってから静かに口を開く。


「うん、まぁ…」

律季は、無表情で手元の美琴のバッグを見つめて言う。

「あんな反応すると思わなくて」



「キスでもした?」

蛍は冷ややかに言う。


新太は、そんな二人を交互に見る。

(…は?美琴に、キス…?)


「あまりにもどかしくて、つい…」

「相変わらず、手が早いのね」


「俺も…探してくる」

新太は、ショックを受けたままフラッと歩き出す。


「新太、待って蛍も…っ」

蛍が慌てて新太の後を追おうとする。

そんな蛍を、律季が引き留めた。

蛍の腕を掴んだ手は、代わりに美琴のバッグを手離してドサッと落ちる。


「新太さ、知ってるんだ俺と蛍が付き合ってたこと。」

「え…」

律季のことばに、蛍は心臓が凍りつくようにショックを受けた。


「だから今の発言、新太には良くなかったと思うよ?」

律季はすぐに手を離して、足元に落としてしまった美琴のバッグを拾いながら淡々と言う。

「まるで、自分の時もそうだったみたいに聞こえたんじゃね?」


「なんで新太に…言うの?」

蛍はやっとのことで声を発する。


「だって、蛍と付き合うには俺とのことも知ってないとダメだろ?」

律季は、蛍を冷たい目で見つめながら言う。

(え…?)

蛍は、律季の顔を見る。

「蛍がやってることって、俺への当て付け以外にないじゃん。気付いてないとでも思った?」


律季の言葉は、蛍の胸に突き刺さる。

(どうして律季は、蛍のことをこんなに嫌うんだろう…)

蛍には、律季の気持ちが全く理解できなかった。


「そんなだから、新太に振り向いてもらえねーんじゃね?」

(律季には、いつもひどいことばっかり言われる…)


「新太に失礼だから、もうやめれば?」

(でも、それは…いつも正論で、蛍はそれが気に入らないの)



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