別荘の部屋割り
「うわーっ!本当に目の前、海だし!」
別荘の二階にあるベランダから、海を一望すると、美琴が叫ぶ。
「美琴が喜んでくれて、良かった」
律季が微笑みながら、美琴の隣にさりげなく立つ。
「美琴、今日は水着持ってきた?」
「持ってきたよ、早速みんなで海入ろう!」
「あ、ちょっと待って美琴」
元気良く海へ向かおうとすると、律季が腕を広げて美琴を止める。
「その前に、部屋割り!新太と蛍は同室で、あとひと部屋しかないんだけどさ、俺と斗亜と同室でも良い?」
「え、うん?良いよ?」
「え、良いの?」
斗亜は思わず聞き返す。
「楽しそうだね!夜更かししよーね!!」
無邪気に言い、先に出ていく美琴を、その場にいた全員が複雑な表情をして顔を見合わせる。
「あの子、女としてどうなの?」
蛍が呆れたように言う。
「ま、私には関係ないから良いけどっ」
新太の腕に絡み付いて、蛍が嬉しそうに言う。
新太と蛍が部屋に荷物を置きに行き、
残された斗亜と律季は、冷静になろうとする。
「なぁ、さっき夜更かしって言ってたよな…」
斗亜が律季に確認する。
「だね、何する気なんだろうね…」
律季が苦笑しながら答える。
(あぁ、本当…今年は楽しいな…)




