表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第四章】
225/250

美緒の気持ち (後編)

「真太は良いの?あの子達、付き合い始めても…ーーー」

美緒の表情は変わらず険しい。


「美緒は…?」

真太は、何となく分かっていたが念のため尋ねる。


「私は反対だわ。一時の感情で、大事な将来を棒にふるなんて有り得ない…ーーー」

美緒は即答した。


「一時の感情…―――?」

真太が怪訝な顔をして聞き返す。


「だって、そうでしょ?美琴には夢があるのに…ーーー」

美緒は、視線を外して話し出す。


「美緒も…俺と付き合ってた時、そう思ってたの?」

真太が、そんな美緒の目の前に立つ。


「え?」


「俺とは、一時の感情だって…思ってた?」

美緒の腕を掴んで、真太が切ない表情で美緒を見つめる。



「…――――思ってたよ。その通りだったじゃない」



「それ、本気で言ってるの?」

真太の手に、無意識に力が入る。


「痛い…放して」

美緒は、真太の手を振り払おうとする。


「私たちの話をしに来たんじゃないわ。ーーーー私は、美琴と新太くんの将来を思って…」


真太は、するっと、掴んでいた手を放した。

「美緒…ーーー」




真太は、会社へと向かおうと歩きながら、美緒の方を振り返る。

「――――とりあえず、美琴と一度話してみるよ」


美緒は、そんな真太を立ったまま見つめる。

「二人が付き合ってることは、舞子さんには…ーーー」



「言わないよ…。新太にも美琴にも、俺からは言わない」



「うん…」


「美緒は、美琴に…―――アメリカの大学に行って欲しいんだろ?」


「うん」



「分かった、じゃあ…―ー」

それだけ言うと、真太は振り返ることなく、行ってしまった。



「うん、ありがとう…」

真太の背中に美緒はお礼を言うと、真太に背を向けて歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ