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美琴の心の声
小さい頃から新太が隣にいるのは当たり前で。
いつも傍にいてくれた。
一番近くにいる存在なのに、“弟”から“好きな人”にレッテルを貼り変えた途端、分からなくなった。
今まで、どんな風に傍にいた?
どのくらいの距離だった?
――――傍に居ないときは、あんなに会いたかったのに。
傍にいたら、新太の気持ちばかり考えて…、
不安で、胸が苦しくて、押し潰されそうになる。
触れたくて堪らなくて、触れて欲しくて堪らなくて。
なのに、それは出来なくて。
傍にいるのに、傍に居たいのに…ーーーー。
独占したくなる。
欲張りになって…わがままになる。
―――――新太が好きだから。




