表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
20/250

「お待たせっ!じゃあ、行こっか?」


美琴が走って待ち合わせの駅につくと、すでに律季が待っていた。


二人は並んで歩き出す。


「そういえば、美琴さぁ、中間試験おめでとう」

「え、何がめでたいの?」

律季が笑顔で言うと、美琴が首をかしげる。


「……一位とったの、嬉しくないの?」

素直にありがとうと言うと思っていた律季は、

驚いて美琴を見つめる。


「別にさ、それって意味なくない?」

美琴があっけらかんとして答える。

「学校で一位をとるのが私の目的じゃないから。」


美琴のこの答えが…律季の心の中にストンと落ちた。


「ははっ、美琴…!おもしれーな!」

自分のこれまでのこだわりは、驚くほどちっぽけだったことに、美琴のお陰で気付くことが出来た。


「え、私面白い?」

つられて笑いながら、美琴が律季を見つめる。


「うん、好き」

律季が無邪気な笑顔で言うと、美琴も笑顔になる。

「ありがと、私も律季好きだわ」


律季は、そんな美琴の言動にますます惹かれていた。

(俺の“好き”を流す(やつ)、初めてだわ…)






「ーーーんで?海まで来といて、水着じゃねーの?」

海に着いて波打ち際の砂浜を歩きながら、律季が不満気に言う。


「夏休みといったら海!でも着替えるのめんどくさいでしょ?」

既に足首まで海に濡らしながら、美琴が楽しそうに笑う。


ショートパンツからすらりと伸びた美脚を上げて、パシャッと水音を立てる姿を、律季は目を細めて見つめる。

「律季も、入りなよー!足だけでも涼しいよ!」


かつてない気持ちに…動揺しつつも律季は楽しんでいた。

「本当だ…っ」

(相馬美琴、か…。マジでやべぇな…)


二人は小学生のように、心からはしゃいで楽しんだ。

日が落ちるまで…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ