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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第三章】
195/250

卒業式に

「先輩!」

卒業式が終わり、バラバラと解散していく卒業生の中で、

すばるは聞き慣れた声に振り返った。



「美琴…」

驚きのあまり、それ以外声が出てこなかった。


「卒業おめでとう、先輩」

にこやかに、でも涙をいっぱい溜めて、美琴が花を渡す。



周りにいた生徒たちは、目立たないすばると、話題の天才美少女のツーショットに騒然としていた。


「ありがとう…」

花を受け取って、すばるは笑顔を返す。







「美琴、来てたんだ?」

先輩と暫く話し込んでから別れたところで、斗亜の声がして、美琴は振り返る。


「斗亜ー!久しぶり」

飛び付きそうな勢いで、美琴が斗亜に駆け寄る。

「元気だった?」



「うん。美琴も元気そうで安心した!―――つか、お前夏休み帰ってきてたなら連絡しろよなー」


斗亜が笑いながら、冗談で睨みながら言う。


「ごめんごめん…忙しくって」






「美琴…」

卒業生の女子から告白されていた新太は、

ようやく解放されて、斗亜と仲良く話す美琴の姿を見つける。



「美琴!」

遠くから、つい声をかけてしまった。


ずっと会いたかった美琴が、目の前にいる。

それだけで胸がいっぱいだった。



新太に声をかけられた美琴は、

斗亜の背中越しに、新太の姿を見付けた。


「新太…」


ずっと会いたかった新太が近づいてくる。

嬉しい気持ちが溢れる。

でも、その感情の後ろから“不安”が追い掛けてくる。


(どうしてメールの返信してくれなかったの?)


以前の自分なら、責め立てることができた。

でも、今の自分には、出来ない。


(新太が好きだから…ーーーー怖くて聞けない…)










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