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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第三章】
174/250

分かる?

「なぁ、」

アルバイト情報紙を眺めながら、新太は口を開く。

「一度フった相手に近づいて来るのって…下心あると思う?」


思いがけない話に飲んでいたコーラを喉に詰まらせて、

咳き込みながら斗亜が新太を見る。

「はぁ?何だよ急に…」



「好きってことかな…思わせぶりな態度とってきて…」


「いや、でも俺なんか絶対好きなわけないし…」


「試されてるのか?―――何のために?」


ブツブツと独り言を続ける新太に、斗亜は落ち着いて言う。


「誰の話?蛍か?」


「美…―――」

(美琴とは、言えないか。誰にも言えないんだった…ーーー)


「み?まさか…ーーー深雪早子?」

斗亜が予想外の答えを導き出した。


「深雪さん…?――――そう!」

(とりあえず、そういうことにしておこう…)

軽い気持ちで、新太は嘘をついた。


「深雪とお前いつの間にそんなことになってたんだよ?」


「例えば、会いたかった…とか言ってきたり、朝起きたらベッドに潜り込んでたり…とか…」

斗亜の問い掛けに珍しく答えることなく、

新太が一方的に話し出した。


「は?何だよそれ、妄想だろ?」


「妄想…」

(じゃないんだけどなー………。まぁ深雪さんじゃないから斗亜には伝わらないよなー)


「ごめん、今の話忘れて!」

新太が何かを諦めたように、斗亜に言った。


「はぁ?」










「―――ってことがあったんだよ…」

律季の部屋に来ると、斗亜が今日の不可解な出来事を話す。


「深雪と新太が?」

斗亜の説明も意味がわからなくて、律季は混乱しつつも尋ねる。

「あり得ないだろ、それは」


「そうだよなー、話の辻褄も合わねぇしな」

斗亜が胡座をかいて座ったまま、頬杖をつく。

「でも何かに悩んではいたんだ」


「ふーん…」

律季はそう言うと、黙って携帯電話をいじり出した。


(俺の考えが当たっていれば…ーーーだけど)


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