表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第三章】
171/250

家族

「あら、美琴!」「元気してたか?」

その夜、仕事から帰った舞子と真太は美琴が家に居て驚きと喜びの声をあげた。



「お母さん、パパ…、留学のこと急に決めてごめんね」

美琴が両親に頭を下げる。


「美琴が決めたことだから、私たちのことは気にしないで」

舞子が微笑んで言う。


「こうして家に帰ってきてくれるし」

真太も、嬉しそうに言う。


「新太なんて、美琴が居なくなってから毎日お通夜みたいな顔してたのよ?」

舞子がからかうように言うと、


「ちょっと母さん、何ワケ分かんないこと言ってるの!?」

新太が動揺して、大きい声を出す。



その日、珍しく四人で夕食を食べた。




「新太」

夕食後、部屋に戻ろうとしていた新太を美琴が呼び止める。


自分の名前が呼ばれただけで、こんなに幸せを感じるなんて…、新太は驚いていた。


「なに?」

部屋のドアに手をかけたまま、美琴の方を向く。


「私、新太に会いたかった…」


一瞬ドキリとしたが、新太は美琴の言葉に期待しないように努める。

(どうしてそんな台詞(こと)言うんだ…ーーーー)



「…うん、俺も会いたかった」

(美琴は、“弟”としてそう言ってるんだって分かってる)


――――もう、あんな過ちは繰り返さない。


(本当は、会いたくて会いたくて…堪らなかったよ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ