表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はかる気持ち  作者: 夢呂
【第三章】
168/250

斗亜と七星

「うわ、お前それ…変態じゃん…」

翌朝、あまりに元気がない新太に、理由(わけ)を聞いた斗亜がキッパリと言う。



「つか、お前…。美琴に未練ありすぎ…ーーー」

斗亜は呆れたような目で、新太を見る。

「いい加減、他の女にしろよ…」


「斗亜に言われたくない…」



「そもそも、サボった斗亜の代わりに図書委員の仕事したんだけど?」

新太が睨んで言うと、斗亜の表情が雲った。


「あぁ、悪ぃ…忘れてた」



―――――斗亜は、昨日の放課後(こと)を思い出して黙る。









「蛍のこと、どう想ってるの?」

七星に捕まって、斗亜は面倒臭いと思いながら相手をする。


「お花見、結局会えなかったって蛍怒ってたけど?」


「約束した覚えもねーよ」

素っ気なく斗亜が答える。

「それに、俺は蛍のこと何とも想ってない」



「じゃあ瀬戸新太は?蛍とやり直す気はないの?」

「そんなの、俺が知るわけねーだろ?」

七星の話はいつも“(これ)”だ。



「何なんだよ、久しぶりに話し掛けてきたと思えば…ーー」


「お前、俺に何を期待してんの?」

斗亜の瞳が七星(じぶん)を映す。


「私は、ただ蛍に幸せになって欲しいだけ…ーーー」

七星はすぐに視線をそらす。



「相変わらずだな、お前。」

斗亜はそれだけ言うと、背を向けて帰っていく。


『お前、俺に何を期待してんの?』

自分が言った言葉が、自分に返ってくる。


(俺は、何を期待してたんだろう…七星に――――)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ