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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第三章】
163/250

ファミレス

「あれ?深雪は?」


ファミレスに着いて、律季は後ろを歩いてきていた新太と斗亜に振り返って尋ねる。


「帰った」

斗亜が言う。

「用事あるからって」



「ふーん、まいっか」

そう言って律季を先頭に四人でファミレスに入る。





「でも珍しいな、新太が女子を誘ってくるなんて」

律季がそう言うと、斗亜も頷く。

「確かに。しかも、あの深雪をなんて」



「別に誘った訳じゃ…」

新太が否定しながら、深雪とすれ違った瞬間のことを思い出す。


「それに、あの子…――――」

(美琴に雰囲気が似てたから、つい気になって…)


そう言いかけて、新太はやめた。




目の前には律季の彼女、由希がいるのに、

律季も斗亜も、美琴以外の女子に興味を持った新太があまりに珍しくてそれどころではなかった。



「深雪はさ、中等部でもあんな感じだったよな」

斗亜が律季に同意を求める。

「女子達の中で、一人浮いてたっていうか」



「愛想もないし、絡みづらいよな」

律季はそう言いながら向かいに座っている新太をちらっと窺うと、

「新太は、美琴やめて深雪にすんの?」

と、突拍子もないことを言い出した。




「あの…ご注文伺っても宜しいでしょうか?」

ホールの店員がおずおずと声をかけてきて、四人は慌てて料理とフリードリンクを注文をする。



店員によって、話に水を刺されたまま、四人は何となく黙る。



「俺トイレ…」

沈黙が嫌で新太は、そう言って席をたった。



『美琴やめて深雪にすんの?』

先程の律季の言葉に、新太は自分がなぜすぐに否定しなかったのかよく分からなかった。


(俺は別に、深雪さんを好きなわけじゃない…ーーーー)


そう想いながら歩いていると、狭い通路で肩がぶつかってしまう。




「あ、すみません…」

新太が謝りながら相手を見る。


「いえ、こちらこそ…」

そう言いながら新太を見て、相手が驚いた顔をした。




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