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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第二章】
148/250

律季と斗亜の帰り道

「…――――」

補習の終わった帰り道、何度も携帯電話を眺めている律季に、

斗亜が仕方なさそうに尋ねる。


「何、まだ連絡つかねーの?美琴と」


「―――うん…」

「じゃあ、新太に聞いてみれば?」


(そんな事は分かっている…分かっているから聞けないんだ…)


自分が把握できていない美琴の時間(こと)を、

新太(あいつ)は知っている。


律季はそんな、嫉妬とプライドから…聞けずにいたのだ。



「新太?―――いや、美琴って今何してるか知ってる?」

律季が躊躇っている間に、斗亜が新太に電話をしていた。


「そっか。…いや、別に用事はないけどさ」

電話を切った斗亜が、律季の方を向くと、

「美琴、朝から居ないらしいぞ。―――仕事じゃねぇかって」


「そっか…」

(仕事だったら…忙しくてメールや電話も来ないのかもしれない…)


朝から出掛けていると知って、律季はホッとした。



「でもなんか、新太死んでたなぁ」

斗亜が電話の声を思い出して心配そうに言う。


「風邪でも引いたんじゃね?」

律季はそう言うと、心が少しだけ軽くなった分、スタスタと歩いて行く。


「あ、そうだ!今年も年末はウチで一緒に過ごすだろ?」

律季の後を追いながら、明後日の大晦日の予定を尋ねる。


「ああ、美琴にも聞いてみる…」


「てか、美琴も一緒に来れば?」


(美琴も…その方が喜ぶんだろうな…ーーーしばらく二人きりは気まずいと思ってるだろうし…)


斗亜の提案に、律季がそう思って頷く。


「そうだな、美琴も誘ってみる」



――――何も知らない律季は、

明日には美琴からの連絡が来るものだと、思っていた。



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