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はかる気持ち  作者: 夢呂
【第一章】
103/250

好き、キライ

『だって俺、ずっと美琴が好きだったから』


(――――なんでよ、新太…。)

―――――――聞き間違いなら良かったのに。



私だって新太が“好き”だ。

だって新太は…、私の弟だから。


――――弟ができて、嬉しかった。


なのに、目の前にいる新太は、弟じゃない。



「困る…私は律季が好きだから」

美琴は、至近距離の新太を避けるように目をそらして言う。


「いつもみたく『私も好きだよ』って言ってくれないんだ?」

新太は、美琴をクローゼットのドアを壁にして、

追い込むようにしながら言う。


(だって…それは…)

「新太が言ってるのはそういう“好き”じゃないんでしょ?」


「やっと伝わった?」

「え…」

そう言う新太の顔を見上げると、新太が切なそうに微笑む。


「俺はずっと一人の女の子として好きだって言ってたんだけど」


「新太…」

顔が近いからか…ドキンと心臓が音を立てた。

(新太が、私を…?だって…ーーーー)



「新太には蛍ちゃんがいるでしょ?」

信じられずに美琴が彼女の話を出す。


「別れた」

新太は即答した。


「な…別れたって…」

美琴は、新太がますます分からなくなる。

(だって…ついこないだまで普通に付き合ってたのに?)


「だって、俺と美琴が姉弟じゃないって分かったから」


「………何…それ…」

(それじゃあ…まるで…彼女(ほたるちゃん)は―――)



「―――蛍には悪いことしたと思ってる」

新太は、辛そうに顔をしかめた。


「美琴のこと忘れようとしたこともあるよ。蛍のこと、ちゃんと好きになろうとしたこともある。」


(そんなの…知らないよ…)

美琴は、新太の気持ちを受け止められずにいた。



「でも…無理だったんだ、美琴じゃなきゃ」


(私は、ずっと仲の良い姉弟だと思ってた。血の繋がりなんてなくても、関係ないって…)



「新太、お願いだから退いて」

(でも、新太は違った…)

美琴は、新太を見つめて姉の口調で言う。


「嫌だ、退かない」

新太は、真剣な眼差しで美琴に言う。


「新太…お願いだから…」

(なんで分かんないの?こんなことされても嬉しくないって…)


「美琴、好きだよ――――」

新太が、両手で美琴の顔を包み込む。

その瞬間、美琴は嫌悪感を身体に感じた。


「―――好きじゃないっ!」

美琴は悲鳴に近い声で、新太を突き飛ばした。



「みこ…」「新太なんて大キライ」

唖然とする新太に、

美琴は追い討ちをかけるように吐き捨て、部屋を出る。



(キライじゃない、キライなわけないよ…、新太)


美琴は、バクバク音をたてている心臓をギュッと手で押さえながら自分の部屋に入る。


(だけど――――)


バフッとベッドにうつ伏せになる。

(私にとって新太は…弟だよーーーー大切な弟だったのに…)

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