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待ち侘びた邂逅

目を閉じ、歩を進めた先でまず驚いたのはその場所の匂いと温度だった。

先程までいた祠の前は草木の匂いに溢れ、体に纏わりつくかのようなジメジメとした湿気を不快に感じたが、歪みの先、祠の中とも呼べる空間ではそれらを一切感じず、何らかの花の香りが鼻につき、温かな陽の光と共に風が頬を撫でる。


「こりゃたまげたな」


足元には名の知らない白い花が絨毯のように咲き誇っており、幻想的な雰囲気を醸し出す。

荘厳で壮大な空間。

開放的でありながらもなぜか息が詰まるような閉塞感を覚える。


ーーこの感じ……。そうか、あのガキのいる空間と似てるのか。


思い出すのは純白の少年のいる純白の空間。

広大ながらも息苦しく、体に重みを感じる場所。


「ここが聖域……。美しいな……」


いつの間にか隣に立っていたアッシュがこの光景に息を呑む。先程までの森と見比べると違いがありすぎて、本当に同じ場所なのかを疑う。

今一度道を戻れば、先程の殺伐とした森へ戻るのかと確かめるために後ろを振り返るが、そこに祠はなく、どこまでも白い花が咲き誇ったままだ。


「祠がねぇ。……どうやったら戻れんだよ、これ」

「タッきゅん、前」

「うおっ」


シトリィに促されるまま前を向くといつからそこにいたのか、数メートル先に女が座っていた。


サラサラとした長い髪は地面に付き、透き通るような肌、袴のようなあつらえの衣装さえも純白に揃えられた全身真っ白の女がこちらを向き、座っていた。


特に目を引くのは陽光を跳ね返す眩い白銀の髪と犬科らしき獣の耳。


「姉様っ!」


俺の前にいたギンが彼女の姿を見るなり、一目散に駆け寄り、座り込む彼女の膝へと飛びつく。

そんなギンを彼女は黙って受け入れ、自身と瓜二つの白銀の髪を手櫛で整え、頭を撫でる。

それらを行う二人は姉妹というより親子のようで閉じたままの目が優しげに細められ、慈しみに溢れていることがわかる。


「あらあら。 ギンったらいつまでも甘えん坊さんね、お客様の前だというのに」


口調では困った風を装いながらも、ギンの頭を撫で続ける彼女。


「姉様、か。なら、あんたが」


和やかな雰囲気に水を差すのは気が引けるが、問わねばならない。


「はい。この娘の姉、かつての賢狼の巫女。名をハクと申します。不作法、不躾をお許しください。我らが主よ」


悲喜交々と言った表情でジッと俺の顔を見据えるハク。恥じることも後ろめたいこともないと、堂々と。


「ずっと、ずっとこの日をお待ちしておりました」


閉じたままの瞳から涙が伝い彼女の唇が、声が震える。そして顔を隠すかのように、ギンをどかして平伏する。

歳の程は二十代半ばぐらいだろうか。女性、ましてや年上の女性が泣いている時、どうしてやればいいのだろう。


ーー似ている。


涙にも戸惑うが、出会い頭に主と仰がれる程の器じゃない。


「あー、俺はあんた、いや、貴方の主ではないし、どうか泣き止んでもらえないか」

「申し訳ありません、主。ですが、この涙は私の、私だけの涙ではないのです。自らの意思だけでは止められないのです。私の中に僅かに残ったあの方の喜び。このような醜態を晒すことをお許しください」


涙を流し、言葉を時折切らせながらも懸命に紡がれた言葉。


「駄目ッスよー、タッきゅん。泣いてる女は男らしく抱きしめて慰めないと。そんなんじゃいい男になれないッスよ!」


ギンの姉、ハクがかしこまる中、通常運転のシトリィが俺を茶化す。こいつがかしこまることとかあんのかね。


しかし、ハードル高くね?初対面で抱きしめるって。


「はいはい、シトリィさんは黙ってなさい。

ハク……さん、頭を上げてくれ。何度も言うが、俺は貴方の主ではない、タツミだ。気安く呼んでくれ」


こんなこと、前にもあったなぁ。

なんでどいつもこいつも俺みたいなガキにかしずきたがるんだか。


「かしこまりました、タツミ様」


頭を上げるが、三つ指をついたままを保つハク。


主と呼ばなくなっただけで敬語をやめるつもりねぇな、この姉ちゃん。

笑い方といい、意思表示が弱そうなところといい儚げな印象を受ける割に頑固なところがあるな。

その頑固さが彼女の容姿、髪色や顔、獣耳や尻尾といった所以外でもギンと姉妹であることを再認識させられる。


ーーちょっと待て。巫女の家系は人間のはずだろ?

ならば何故、まだ彼女、ハクに賢狼の耳と尾が残っている?


「ちょっとお尋ねしたい、ハクさん。

貴方の耳と尾、狼のそれだよな? 貴方の中にはまだ賢狼がいるのか?」

「はい、確かに私の中にまだ賢狼様はおられます」

「ギンの中にもいると聞いている。賢狼とやらは二匹いるのか?」

「いいえ、賢狼様は一柱のみです。

私の中にあるのはかのお方の力、それも残滓と呼べる程度です。この力に意思はなく、本当に僅かな力でしかありません」


一柱、か。

彼女にとっての賢狼は獣ではなく、神らしい。神格化された獣。それが彼女にとっての賢狼。


「その獣が、力がどんなものでどれほど危険なものかは知っているのか」


賢狼の力の行使。自らの体に他人を、賢狼を宿し獣の体への変型。行使しすぎた使用者の末路は精神あるいは肉体の賢狼との融合。


「もちろんです。この力を使い続け、祖母も母もどのような最期を迎えたか、私はしっかりと覚えています。

不幸にも私たちの家系は体が弱く短命な者が多い。しかし、賢狼様の力あらば人並みに生きれるのです」


目の前にいるのは、呪われた力を手放せたかもしれない女。ではなぜ手放さなかったのか。手放せない理由があるのか。


「……もしや、その力がないと生きれないのか?」

「そうではないですが、間違いでもありません。

お気づきでしょうか、タツミ様」


ハクはそう言って自らの目を指差す。ずっと閉じたままの瞳を。

俺の顔をジッと見つめたまま、瞼を開く。が、その瞳には光がない。


「私は目が見えないのです」


おかしい。

それにしては俺たちの来訪に戸惑うこともなく、対応も速やかだった。目が見えない割に俺たちのいる場所をしっかりと捉え、向いている。


「私は目が見えないのを賢狼様の聴覚、嗅覚で補っているのです。しかし、この力をなくせば盲目の人間、そんな者が魔物が跋扈する森をどう生きれましょうか」

「ストップだ、ハク殿。俺はこの度、貴方を連れ出す為に来た」


傍でずっと押し黙っていたアッシュが突然声をあげる。

おいおい、なんだよその台詞。

お前は閉じこもった姫を救いに来た王子かよ。

相変わらずわキザったらい、狙ってたな、こいつ。


「貴方は…」

「俺はアッシュ。『女帝』ジョディ スカーレットの使いの者だ」

「ジョディ様の……。貴方がかの有名な剣鬼様なのですね」

「女帝殿は貴方の身を大変案じておられた。

最近の森の異変、それになにより賢狼の力を大層可愛がっていた妹君に継がせるとは思えない、と。

貴方の身に何かあれば、あるいは起こる前に森から連れ出せ、と」

「ジョディ様が……」


流暢に語るアッシュにそれをほう、と吐息混じりに熱のこもった視線で見つめるハク。


あるぇー?さっきまで喋ってたのは俺だし、アッシュを見るのと俺を見るのとで熱量違くない?


しかし、アッシュが俺たちの跡をひっそり着けてたのはそういう理由らしい。つうか女将さん、俺たちに頼めばよくない?色々おかしくない?


「ちなみにタツミ、お前では頼りないからと俺が頼まれたぞ」


心読むんじゃねぇよ。


「うわ、アホらし。なんかもうヤになってきた。俺帰っていい?」

「そうふてくされるな、タツミ。 お前にはお前の目的があるのだろう」

「言われずともわかってるっつの。

ハクさん、ギンから賢狼をひっぺがすにはどうしたらいい?」

「望みを。賢狼様の望みをどうか」


変わらない。女将さんが言っていた通り。

他人に取り憑いてまで叶えたい妄執。


「その望みってのはなんなんだ」

「わかりません」


ハクは首を横に振るのみ。


「わからない?あんたもかつては巫女だったんだろう?ならわかるんじゃねぇのかよ、知ってんじゃねぇのかよ、じゃねぇとギンが」

「タッきゅん、落ち着くッスよ」


怒りに任せてハクに掴みかかろうとする俺をシトリィが手で制する。


「タッきゅん。 改めてハクさんを見てどう思ったッスか?」


シトリィは問う。彼女には事前に話していた。

賢狼のこと。ギンのこと。俺が思ったギンの姉、ハクのこと。

そしていざ彼女を見てどう思ったか、シトリィはそれを問うてきている。


ギンを見る視線は優しさに満ち、慈愛の手で触れる彼女が我が身可愛さで賢狼の力をハクに継がせたとは到底思えないのだ。

ならば、やはり事情があるのだ。

ハクに、ギンに、賢狼に、それぞれの事情が。


「……いきなり大きな声を出してすまん。

それとシトリィ、サンキュ、助かった。頭冷えたわ。なぁ、ハクさん。改めて聞かせてくれないか。

貴方の身に何が起こったのか、賢狼が何を望んでいるのか、知ってる限りのことを」

「かしこまりました」


一拍の呼吸を置いて、ハクがゆっくりとした口調で語りだす。


「まずはやはり賢狼様の望みですが、賢狼様を宿していた私にもよくわからないのです。

賢狼様をその身に宿すと言うのは力をお借りし、意思を宿して人でもなく獣人でもない紛い物になること。宿った意思とは疎通ができず、ただただ無性に求めるのです」

「求める?何を?」

「……それがわからないのです。

ただ無性に何かを欲し、見たい、触れたいと渇望するのです。決して満たされることがない欲求でした」


ハクはさらりと述べるが、それがいかに苦痛であるか俺には容易に想像できた。

もっとずっと彼女を見れると、触れ合えると思っていたその機会は突然奪われ、二度と失われた。

その苦痛を俺は知っている。何せ故人は二度と微笑みかけてくれないし、触れてもくれない。

何せ彼女は死んでいるのだから。


ズキリ、と頭に痛みが走る。


ーー彼女って、誰だ?


おかしい、大切な彼女の姿は浮かぶのに、名前が出てこない。……いや、本当に彼女は大切だったのか?


「私はただこの渇きを満たすために、森の外へ赴きました。まだ幼いこの娘と森の守護という役目を置いて」


今一度、頭痛を忘れるためにハクへと意識を向ける。

彼女の膝の上にはいつのまにかそこに落ち着き、スヤスヤと寝息を立てるギンがおり、ハクは彼女の頭を優しく撫でている。

こうして見ると、やはり姉妹というより親子に見える。そしてそんなハクを見ていると誰かを思い出す。


「そしてまず見聞を広めるために冒険者となり、様々な場所へと赴きました。その際にはジョディ様には大変お世話になりました」

「冒険者だったのか」

「かつての話です」

「女帝殿の仲間には名の知れた者が多い。中でも白狼姫といえば強さと美貌、人徳備わりし冒険者と名高い存在だったからな」

「おやめください、その、二つ名は恥ずかしいので。姫等と呼ばれる柄ではありませんし……」


ハクは羞恥で頬を紅く染める。

二つ名持ちは結構傲慢というか、二つ名を誇ってる節があったが、彼女は珍しく謙遜するタイプらしい。

こういう謙虚さが人に好かれることもあったのだろうと、納得する。


「白狼姫、か。いいじゃないか、姫。よく似合ってる」

「タツミ様まで。おやめください。あまり年増をいじめないでください」

「あー、タッきゅん浮気ッスかー?ウチを姫扱いしてくれたことないくせに!」

「いや、シトリィ、お前はどう考えても姫って柄じゃないだろ。苛烈すぎだわ、せいぜい女王だろ」

「いやん!美貌の女王なんて照れちゃうッスね!

じゃあタッきゅんは王様ッスね!」

「いや、誰もそこまで言ってねぇし」


いかん、シトリィ相手だとついツッコミに回ってしまう!気づけばこの俺がツッコミになるとは!


シトリィ!恐ろしい子!


「シトリィ様……。噂はお聞きしたことあります。なんでも相当お強く美しい方だと」

「あれま、ウチの名前まで知ってるんスか。いやぁ、ウチも有名になったもんッスねー、なんだか照れちゃうッス」

「今更ですが、どうしてそんなお方が此方へ?」

「いやぁ、ウチもタッきゅんと愉快なパーティの仲間入りしたッスから!」

「夜行、な。これから名前売るつもりなんだからしっかり広げろよ」

「夜行を焼こうッスね!」

「寒いギャグと不穏な発言やめろ!お前ならマジで焼きかねん!」


またしてもシトリィのペースに持ってかれるやりとりをハクはクスクスと慎ましやかに笑っている。


「そうなのですね、タツミ様のお仲間に。

なれば妹、ギンのことも、他のお仲間様達をどうかよろしくお願いいたします。タツミ様もどうかお仲間をお大事になさってください」


おかんか。

息子をよろしく的なノリか。


「その様子だと女将さんの他にも仲間はいたのか」

「ええ、他にもたくさん。皆かけがえのない大切な仲間でした。彼らとの旅路は辛くとも楽しく、森の中では見られない新たな発見ばかりでした。それこそ森のお役目を忘れてしまう程に。しかし、私の中の賢狼様はそうでもなかったようです」

「渇きは満たされなかったのか」

「その通りです。森の守護という役目を放棄し、妹を置き去りにした私に罰が当たったのでしょう」

「罰?」

「はい。やがて私の目は光を失いました」


やがて?


「待った。目が見えないってのは、生まれ持ってじゃないのか」

「はい。ある日を境に、徐々に光を失っていきました」

「そのある日ってのは何かあったのか、きっかけみたいのは」

「わかりません。兆しもなく、気づけばこの目は光を失いました。そして私の中の満たされない欲求はいつの間にか消え、賢狼様はギンへと移りました」


突然の失明、その後に賢狼がギンへと移った。

もしかしたら視力を取り戻せばもう一度ハクへと賢狼が戻るのではないか。

それらを踏まえて、ハクの目は一度医者にでも診てもらった方がいいのでは。


「なぁハクさん。あんたの目、一度医者にでも診てもらったほうがいいんじゃないか」

「私もそう思っております。ですが、今はできません」


この人が我が身可愛さで拒んでいるのではないともはや疑う余地もない。

ハクはギンを大事に想い、ギンもまたハクを姉のように、母のように慕っている。

この二人の愛情はハクと出会ってからの短い時間でもしっかりと感じ取れた。


「念のため、どうしてだか聞いていいか」

「先ほどアッシュ様が仰っていたように、最近この森に多くの異変が発生しております。

巨大蜂といった生態系の変化、本来生息するはずのないゴブリンの発生。そしてーー眷属の鼓動」

「まさか……」


ハクの説明にアッシュが息を呑む。


以前ローシに聞いた魔物の種類。

元来そこにいた生物が変容し、魔物となること。

空想上で語られていた魔物や幻獣の出現。

それらとはまた異なる、異変と思わしき言葉。


「ーーはい。この森に魔王『夜の王』に連なる眷属が生まれつつあります」

「ダンジョン内に更にダンジョンが生まれるというのか……」

「私も異常だとは思います。

賢狼様も最終的に人間に与したとはいえかつての夜の王の眷属。ダンジョンとはいわば眷属のテリトリー。その中に別の眷属がテリトリーを拡げるなど聞いたこともありません」

「賢狼が最早眷属とみなされていないのか…。戦線布告とも取れる大胆な行動だな」


ハクとアッシュのやりとりでなんとかついていけてるが、なんのこっちゃ。


「やはりそう思われますか。

しかし、眷属は動く気配がない、いえ、あるいはまだ生まれ落ちてはいないようなのです。

残滓でしかない力を持つ私でもここにいるだけで抑止力足り得るならば留まり、少しでも眷属の生まれを遅くしましょう。投げ出したとはいえ、これでも森の守護者ですから」

「その眷属とやらを倒せば解決するんじゃないのか」

「おそらくはな。ダンジョンはすでに形成されてるだろうが、眷属そのものの強さがわからん。

一匹で小さな村を滅ぼすのは当たり前、魔法使いが十人束になっても敵わない、一国を滅ぼすもの、強さがまちまちだが、相応の備えなしで挑めば無駄死にするだけだ」

「準備なしで倒せはしねぇか」


状況を整理しよう。

まず一番の解決策。

賢狼の願いを叶えて成仏。ただし、願いが不明。

次がハクの視力回復。

ハクの視力が回復し、ギンからハクへと賢狼が移ること。

正直希望的観測が多すぎるし、脅かされるものがギンの命からハクの命へと移るだけ。問題の先延ばしにしかならない。愚策だ。

これはギンとハクの命を天秤にかけるだけ。


「…なあ、ハク」

「なんでしょうか、タツミ様」

「視力が回復したら賢狼がまたあんたに戻るかもしれないよな、それでもいいか」


ハクは言っていた。

賢狼に取り憑かれた祖母、母の最期。

満たされることのない何かへの渇望。

賢狼を宿すことの苦しみ。

それを再び彼女へと押し付ける。


「ーー構いません。それこそが私の役目。

その苦しみは巫女の苦しみ、私が受けるべき苦しみ。この娘が、ギンが受けるべきではないのです」


膝で眠るギンを大切に大切に撫でるハク。

ギンへの愛しさが、優しさが、慈しみが伝わってくる。

その姿を見て、俺がハクの姿に誰を重ねていたのかがわかった。


母だった。

自身を省みず子を守る、母の姿だった。


「ギンは賢狼様と相性が良すぎるのです。

昔のこの娘は大人しく、私の陰にいるのが常でした。それがいつの間にやらこのように快活な娘になりました。姉として嬉しくも思いますが、私にはわからないのです。今のこの娘があの大人しかったギンなのか、それとも賢狼様なのか、あるいはそのどちらでもないのか。私にはわからないのです。そして思い出すのです、賢狼と相性がよい程短命だという話を。いつこの娘がこの娘でなくなってしまうのかと毎日恐ろしくてとまらないのです」


矢継ぎ早に話すハク。

その表情や口調には焦り、怯え、不安。

ギンを大事に想うハクが賢狼を良しとするわけがないのだ。


「私の身はどうなっても構いません。

どうかこの娘がこの娘のまま生きられるように。どうか、お願い致します」


深々と頭を下げられる。

そんなハクを見て、悪人だとは俺には到底思えなかった。




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