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生と死の狭間で

「やぁ、お目覚めかい?不二(ふじ) (たつみ)君」

 不思議な空間の前面を確認していると、ふと背後から声が掛かる。


 振り返れば、少年が居た。

 歳は十歳頃だろうか、小学生のようだ。

 耳までかかる程に伸びた黒髪に、空間に合わせたような全身白の衣装。

 袖は長く、肌の露出は少ない。素肌は顔と手ほどしか見えない。

 不健康そうな痩躯そうく 、典型的なモヤシっ子だな・・・。

 少年は落ち着き払い、先ほどの夢で見た自分とは別の意味で生意気そうだ。

 知的な印象を受けるも、見た目はどう足掻いても小学生。知識を持った小学生が精一杯の背伸びをしました感が払拭できない。

 なんとも口がお達者そうで・・・。


「・・・あぁ。突然すまないが、君は誰で、ここはどこだい?」

 俺は少年になんとなくいやぁな気を覚えながらも、問いをぶつける。


 おそらく、この少年は俺よりも先にここに居た先人だと予想する。

 なんせ、俺の名前を知っているのだから、俺より先にここに居て、誰かから俺の情報を仕入れていると考えられる。

 ならば、まず俺と彼・・・この少年が居るこの不可思議な場所のことも俺よりは詳しいはずだ。


「自己紹介が必要かい?なら、まずは自分から名乗るのが礼儀だと思わないかい?」

 嫌な予感、的中。

 少年はクックッと笑う。

 こいつ、殴りてぇ・・・。

 目の前の生意気な少年に沸々と苛立ちを覚えながらも、相手は子供だと自らに言い聞かせてなんとか堪える。


「・・・これは失礼した。すまない、俺の名前を知っているから自己紹介は不要だと思ったのだが。改めて名乗ろう、不二 巽だ」

 俺は嫌味を込めながら、精一杯の笑顔を浮かべて名乗る。

 感情を隠すのが下手だとよく言われるので、どうせ俺の今の笑みも引きつっているだろうが、気にはならない。

 目の前の生意気なガキに不快感を隠すつもりなど毛頭ないのだから。


「自己紹介をありがとう。うん、知ってるとも。

 それに実は僕は君に名乗る気はないんだ。

 次に君の問いに答えようか。じゃあここはどこだと思う?」


 このガキ・・・!

 人にまずお前が名乗れと言っておいて自分は名乗らねぇのかよとか、問いに答えようとか言いながら問いに問いをぶつけてくるんじゃねぇよ、矛盾してんじゃねぇかよ!


 文句をつけたくなったが、相手は子供だ。

 ならば、年功序列に則り大人の余裕を見せてやらねば。

 ・・・まぁ、年功序列なんて本人ではいかんともしがたいことなので、こんな悪習は嫌いなのだが。

 昔、俺より数日早く生まれただけでお姉さんぶる郁に腹が立ち、母になんでもっと早く産んでくれなかったのかと不満を漏らしたことがあった。

 今になると子供を生む行為をもっと早くしてくれという意味合いだと思う。

 年若かった母は頬を赤くし、恥じらいながら「馬鹿なことを言わないの」と言っていた。

 母親の女の部分など見たくなかった。


 思わず自らの黒歴史を思い出し、気分が下がった。

 これも目の前のガキのせいだと八つ当たりをし、深呼吸をしてなんとか溜飲を下げる。

 大人だから偉い、年上だから偉いなどというつもりはないが、ここは先に折れてやってもいいだろう。

 決して目の前のがきんちょに論破されるのを恐れたわけではない。

 そもそも勝負にすらなっていないのだ。

 勝負とは、同じ土俵でするもの。

 俺はお前と同じ土俵になど立っていないのだ・・・!

 自らを鼓舞するようにわけのわからぬ理屈を立てる。

 なんとか立ち直った。


「・・・さぁ、どこだろうな。俺は死んだと思ったんだが、それならここは天国とかかな?」

 俺はわからないといった風に、キョロキョロとあたりを見回してみる。


 改めて見ても、ここには俺と少年以外には何も見えず、真っ白な地平線しか見えない。

 ここに来るまでのことを思い出すと、自分は確実に死んだはずだ。

 何度か自傷行為に及んだ事はあるが、あれは駄目だ。

 走る電車に轢かれる衝撃。あんなのは耐えられない。

 ならば自分は確実に死んでいる。

 死んだ人間が来る場所・・・郁の言葉を借りるならば、天国か地獄。

 天国は死後の楽園と言う印象がある。逆に地獄は、死者を苦しめる場所。

 有名な血の池地獄や針山地獄。

 しかしここはそういった聞きしに勝る、おどろおどろしい地獄とはかけ離れている。

 むしろ純白の一面は神聖、高潔さを兼ね備えている。

 ここはきっと天国だ。ここには郁がいる。そんな気がしていた。


「なんだ、思いのほか落ち着いているんだね。つまらない。

 そうだね、半分正解、半分外れ、と言ったとこかな」

 目の前の少年は先ほどのイタズラな笑みはなりを潜め、心底つまらなさそうに答える。

 戯れるように、年下の少年にいいように遊ばれていたのだと思うとまたしても苛立ちを覚えるが、それ以上に少年の言葉が気になった。


「半分正解で、半分外れ・・・?どういうことだ?」


「そのまんまだよ。君は確かに死んだ。でもここは天国なんかじゃないよ」


「な・・・。じゃ、じゃあここはどこだってんだよ!?」

 死んだ俺が天国に行っていない、ならば行き場所は・・・。

 そんな、それじゃあ幾に会えないじゃないか・・・!


「落ち着きなよ。もちろん、地獄でもないさ。

 ここはいうなれば生と死の狭間、天国と地獄の中間地点みたいな場所さ」


「中間地点・・・?」


「そうさ。ここで今後の君の行き先が決まるんだ」


「ここで決めるって・・・待てよ!自惚れかもしれないが、俺は地獄へ行くほど悪人じゃねぇぞ!?」


「ああ。確かに君は悪人ではないかもしれない。目立った悪行もないしね。むしろ、最期には善良な少女を救っている、どちらかと言えば善人と言えるかもしれないね。でもね・・・」

 少年はもったいぶった様に、間を持って告げる。


「君、諦めただろう?」


「諦めた・・・・?」


「そうだ。最期に君は死んでもいい、そう思ったんじゃないかい?」

 それは・・・。

 納得のいかない俺に、少年は続ける。


「君の大好きな娘が言っていただろう?自殺は悪いことだから、地獄行きだーって」

 少年はまたしてもおもしろそうにクスクスと笑っている。


「なんでお前がそれを知ってる・・・?」

 それは俺と郁との二人だけでしたやり取りだ。

 郁は明るく、少なくとも俺以外の人間に死後のことなど、重苦しい話題をしているのを俺は見たことも聞いたことない。

 そんな理由あってか、その話題は俺の中で特別・神聖と言っても過言ではない。

「郁が死んでも天国で再会するために、決して自殺はしない」これは俺の誓約だ。

 なのに、なぜ得体の知れない少年がそのことを知っているのか。

 俺のことを知っている。郁のことを知っている。

 だけではない、おそらくこの少年は・・・郁と会っているのだ。

 そんな気がした。そして、胸が締め付けられるような思い。・・・嫉妬だ。

 俺は年端の行かない少年に、嫉妬したのだ。

 俺と郁の思い出を、土足で踏み荒らされたような気分だった。


「てめぇ・・・会わせろ!今すぐに、郁に!」

 俺は踏み出して胸倉を掴むつもりだった。

 だけども、またしても足は動かない。

 凄むつもりがなんとも情けない姿だ・・・。


「落ち着きなよ、みっともない。そこまで取り乱されると僕としても冷める」

 少年は心底つまらなさそうに、侮蔑を込めた視線で俺を見る。

 こいつの態度に腹は立つものの、今回明らかに悪いのは俺のほうだ・・・。


「・・・すまん、取り乱した。話を続けてくれ」


「なんだ、案外素直なんだね。そんなに郁ちゃんのことが好きだったのかい?」

 少年はおもちゃを見つけた子供のように目を爛々と輝かせている。


「・・・別に、そんなんじゃねぇよ。ただ謝りたいだけだ」


「前言撤回するよ。君も素直じゃないねぇ」

 少年はやれやれと身振り手振りでアピールしている。

 こいつのいう君も、という言葉、もうもう一人の君とは誰のことだろうな、お前じゃねぇだろうな。

 お前だったら俺はお前と一緒なんてごめんだ、すぐさま素直になってやるんだが。などとくだらない悪態を突く。


「まぁ、いいや。話を戻そうか。君は生きることを諦めた。死を甘んじて受け入れた。

 それに対してある人が御冠でさぁ。僕としては別に君は天国行きでもいいと思うんだけどね。

 だめなんだってさ」

 ある人って誰だよ、神様か、閻魔様かよ。

「・・・めちゃくちゃだな、あんな状況で生きることを諦めるなだって?諦めなければ生きていられたのか?」

 俺はあまりの理不尽な言われように心底うんざりしながら、願ってもないことを聞く。

 自殺をする気はない。ただ、それでも生きる気もないのだ。

 ただただ目的も理由もなく、惰性で生きている。

 生かされているから生きている。

 死ねるならば死んだとも。


「・・・さぁ?たらればの話なんていくらでもできるだろう?生きようと思ったら生きれたかもしれない、って言ってほしいのかい?」


「・・・いや、いい。その通りだな。多分、それを聞いても俺は生きたいとは思わないだろうし、たらればなんて考えるだけ無駄だよな・・・」


「物分りがいいじゃないか。まぁ、当たり前かな?散々君は後悔ばかりしてきたものね?」

 いったいこいつはどこまで知っているのかと嫌な気分になる。

 俺と郁だけの約束を知っていたり、俺の胸中を的確に言い当ててくる。

 何もかも見透かされている気分だ。

 他人に自己分析されることは不快だと聞いたことはあるが、まさかここまで的確に言われることが癪に障るものだとは。

 もはやこいつと口論するだけ無駄な気がしてきた・・・。


「それで、生きることを諦めた俺は地獄行きか?できれば苦しくない場所へ願いたいんだが・・・」


「そうふてくされないでよ。こう見えても僕は結構君とのやりとりを楽しんでいるんだから」

 お前は俺とのやり取りを楽しんでいるというより、人をおちょくって楽しんでいるんだろうが。

 そんな嫌なとこは郁にそっくりだな・・・。

 お前と郁、結構仲いいだろ?なんて聞きたくなったものの、目の前のガキに肯定されると嫌な気分になりそうだからやめておこう。


「・・・そうか、それはよかった。俺も楽しすぎて早く切り上げたいんだが。面倒くさくなってきたし、そろそろ結論から言ってくれないか?」


「ふぅ・・・。最近の若者はせっかちというか、もう少し人との会話ってコミュニケーションを楽しんだほうがいいと思うよ?」

 どう見ても十そこそこのガキに最近の若者とか言われてもなぁ・・・。


「わかったよ、おじいちゃん。その教訓は次から生かすことにするよ。だから俺の今後について教えておくれよ」


「今から生かしてほしいんだけどなぁ・・・。さすがに遊びすぎて時間も足りないし。だから、簡潔に言おう!」

 やっとか・・・とうんざりしながらふんぞり返っているガキの戯言に耳を貸す。


「楽しめよ!」


「・・・は?」


「楽しめよ!」


「いや、聞こえなかったわけじゃねぇよ。何をだよ」


「色々だよ」


「お前との会話はもう十分楽しんだからいいだろ・・・勘弁してくれ・・・」

 俺はうんざりとした様子を隠す気もなく、肩を落とす。

 こいつは俺の質問に碌に答える気もないうえに、煙に巻くばかり。

 わかったことなんてろくにありゃあしねぇ・・・。


「冗談だよ。だけど、楽しめ、というのは本当のことだよ。言っただろう?

 君が天国に行けない理由は死を受け入れたこと。

 生への未練、執着がなかったこと」


「それは・・・」


「辛かっただろ?」

 少年はここに来て、初めて俺に対して優しい顔を見せる。

 どうみても年下のガキなんだ。

 俺のことを知っている、郁のことを知っている、それ以外何もわからない、得体の知れないガキなんだ。

 だけど、それだけで十分だった。


「君は郁ちゃんとずっと、ずっと一緒だった。

 親同士の繋がりから君たちは知り合い、小さなころからずっと」


「やめろ・・・」


「君は彼女を姉のように慕い、妹のように想った。

 幼心にずっと一緒にいられると思っていた。

 だけど、関係は、繋がりは元だった彼女の親によって断たれた」


「やめてくれ・・・」


「彼女の父親を殺したいとさえ思った。

 君にとって彼女は何より大事だった。

 そのなにより大事なものを奪ったやつを殺すことに君は躊躇わなかった」


「頼むから・・・」

 それ以上言わないでくれ。

 だけど、声が霞む。視界が霞む。


「だけど、戸惑わせたのは、彼女の存在。

 彼女は父が死ぬことを良しとはしないだろう。君が手を汚すことを良しとしないだろう。

 死してなお、天国にいるやもしれぬ彼女を悲しませたくない、そして君は踏みとどまった。

 死ねない、だけど生きていたくもない。

 君を繋ぎとめていたのは、郁ちゃんとの約束、いや、呪いと言ってもいい。

 ・・・生き地獄みたいだっただろう?」


 それは俺の汚泥のように溜まった、恨みだ。

 昏い、昏い恨みだ。

 郁の為に生きて、郁の為に死にたかった。

 だけど、わからなかった。

 仇を討てば郁は喜ぶのだろうか、悲しむのだろうか。

 俺にはわからない、だから教えてほしかった。

 どうすれば郁が喜ぶのか、もう一度会って教えてほしかった。


「・・・だから、これは伝言だよ。

「楽しんでね、タッちゃん」」

 その伝言が誰からなぞ聞くまでもなかった。


「あ・・・」

 彼女は俺にあだ討ちなんて望んでいなかった。

 いつだってそうだ。

 彼女は自由奔放で、傍若無人。したいことを、なすがまま振舞ってきた。

 そんな彼女を羨ましく思っていた。

 俺は、頭でっかちなのだ。

 何かに付けて理由を考える。

 俺が彼女を好いたのには、理由があると考える。

 人の好意には裏があると思う。

 理由がなくては動かない、動けないのだ。

 真っ先になぜ、なに、どうしてと考える。

 しかし、彼女は思うがまま動く。

 考えるより先に体が動くのだと。

 羨ましかった。


 楽しめ・・・?

 もっと早く言ってくれれば、もしかしたら楽しめたかもしれない。

 何を・・・?

 人生を、だろう。

 でも、もう遅いんだよ、郁。

 俺は死んだんだ。

 そんな俺に何を楽しめと言うんだ・・・?


「だから、君にゲームをやらせてあげるよ」


「ゲーム・・・?」


「そう。ゲーム、お遊戯(ゆうぎ)さ。好きだろう?」

 打ちひしがれる俺に、目の前のガキは意味不明なことを尋ねる。

 またしても茶番か?と思いつつも、俺は耳を貸さずにはいられなかった。


「まぁ・・・嫌いではないな」

 どちらかと言うと、郁がやっているのを見るほうが好きだったのだが。

 彼女がいなくなってから、俺も彼女のように楽しめるかと思ってやってみたが、そこまでのめり込めなかった。

 それでも、楽しくなかったわけではないし、好きか嫌いかといわれれば前者だ。


「それで今から何をするってんだ?」


「人生ゲームさ」


「人生ゲーム・・・?」

 俺は多人数でするテーブルゲームを思い浮かべる。

 それを目の前のガキと二人で・・・?いくらなんでも寂しすぎるだろ・・・。


「俺とお前で仲良く人生ゲームすんのか・・・?」


「アハハっ、まさか!君と人生ゲームなんて僕は御免だよ!」

 俺だって御免だ。


「するのは、君一人だ」

 ・・・ぼっちかよ。

「待て、一人で人生ゲームとかいくらなんでも悲しすぎんだろ」

 一人で机の上に置かれた人生ゲームを囲み、駒を動かす自分を想像する。

 囲めていないし、何の楽しみもなさそうだ。

 あまりにかわいそうで辛い。


「勘違いしないで欲しいな。人生ゲーム、といっても君の考えるモノとは違うよ。

 僕の言う人生ゲームとは、まさしく人生そのままさ」


「人生、そのまま・・・?」


「そう。新しい人生で、君という駒そのままを動かす。これが僕の用意する人生ゲームさ」

 新しい人生で、俺という駒を動かす・・・?


「そうだね、きちんと最初から説明しようか。

 僕はこれでも君に同情しているし、憐れんでいるんだ。

 大切なものをあまりに早くに亡くし、失意にくれる君に僕からのささやかなプレゼント。

 もう一度、人生をやりなおすんだ。黄泉返りだよ、今のままの君を生き返らせる。

 ただし、別の世界でね。誰一人として君を知らない世界。

 この世界は単なる僕とある人との趣味でね、多分君も気に入ってくれると思うよ。

 その世界である条件を満たせば、ゲームクリア。

 君は無事天国に行けるという算段さ。

 どうする、やるかい?」

 ガキはニヤニヤ笑いながら、試すような視線を俺に向ける。


「ある条件ってのはなんだ・・・?」


「それは秘密。これもまた人生さ、人生に明確な目標や目的はないだろう?頑張って自分で探し当ててくれ」

 人生に明確な目標や目的はない・・・か、なるほど。

 夢だって自分で目指すものだ。誰かに言われて目指したとしても、やはり最後に決めるのは自らの意思。

 そういった意味らしい。


「心配しなくてもいい、ちゃんと果たせる条件さ。

 無理ゲーなんて強いる気はないからね。僕はゲームのエンディングが好きなんだ。もちろん、大団円のハッピーエンドがね」

 ガキんちょは屈託のない笑みで言う。

 その笑みには打算も悪意も感じられない、ただ好きだと胸を張って笑っていた。


「信じて・・・いいのか?」

 お前のことを。

 ガキんちょは一瞬ギョッと目を向くと、ニヤリと笑う。


「ああ。このゲーム、無事にクリアすることができるのなら、きっと君の望むエンディングになるさ。

 だから、楽しんでくるといい。・・・さぁ、どうする、やるかい?」


「・・・わかった。やるよ。

 精一杯楽しんで、ゲームクリアしてやる、それで天国に行って、郁と会う。

 これが俺の・・・人生だ」


「その意気や良し。早速だが、ゲームを始めようか。

 固く目を閉じてごらん。そのうちゲームは始まるよ」

 俺はガキに言われたように、目を閉じる。


「そして、ささやかながら僕たち(・・)からいくらかのプレゼント。

 次に目を開けたとき、きっとソレらは君に既に与えられているかもしれないし、まだかもしれない。

 それでも、きっと、いずれは巡り巡って君のもとへ辿り着く。

 だから、うまく使いこなしてごらん・・・」

 徐々に、徐々にガキの声が遠くなっていく。

 眠りにつくように意識がまどろむのを感じた。


「このゲームは、リセットはできないし、リタイアもできない。

 君がある条件をこなすまでは、決して終わらない。忘れないでくれたまえ」

 おい・・・まじか・・・。

 かなり大事なことを、土壇場で放り込まれた。

 もっと早く言えよ。怒鳴る前に俺の意識は沈んだ。

一話と二話合わせても三話に劣る、圧倒的・・・!圧倒的文字数!

区切りどころかわからなかったのです・・・。

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