襲撃あり!
「カイ首領。準備出来やしたぜ!」
俺は頷き、右手を上げ振り下ろし声を張る。
「突っ込め!」
俺は昔から荒くれ者で評判な男だった。
周りは皆貧しくショボくれた顔を見るのが嫌だった。
昔は収穫物の納税が6公4民でなんとか暮らせるぐらいだったらしい。
5年ぐらい前から領主の世代交代ご起き、それまでの7公3民になり、更にその地方の特産品も併せて徴収された。特産品を生産できない農家などは自分の食い扶持を削りそれを求めて納付しなければならない。
そんな圧政に立ち向かった農民たちもいたが訓練され組織化された領主軍に蹴散らされた。
月日が経つにつれ農民たちの牙が抜かれ希望のないこの世界が嫌いだった。
俺達は口減らしに捨てられたり、集団行動にはみ出した輩を集め山賊まがいの事をし始めたのが発端だった。
領主に徴収物を襲ったり、統治されている町の代官を襲ったりするうちにこう呼ばれるようになった。
【義軍】と。
「首領!奴ら慌てふためいてますぜ!」
何故こうなっているのかよくわからない。
あの女の言う通りに北の街道からやってくる領主軍に向かわずに、西門から200人の手勢を率いて迂回し、城を攻撃しようとしている領主軍の背後に陣取った。
城には副将と100人の仲間。それと吸収した住民兵と守衛合わせて400人を残していった。
領主軍1000人。兵の数で驕っていたのか陣構築もせずにそのまま城に襲いかかる。
予備軍も50人ポッチしかいなかったので、蹴散らし攻城軍に襲いかかった。
タイミングを合わせて城からも打って出てそれでお終い。
領主軍の進軍を聞いた時には苦戦するかなと思ったらあっけなく終わっていた。
あの女の言う通りにしてみたら。
あの女の言う通りの4日間で。