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その話題は禁止!

 「…なんでそうなるんだ」


 カイさんが再起動しました。


 「…」


 「おい!」


 「お約束の10分を過ぎました。用件が終了しましたのでお引き取り下さい」


 「こっちは終わってねえんだよ!」


 「…200人5日分の兵糧を準備しました。製粉すると3日しか持ちませんのでそれ以上は実のままで2日分…」


 これ以上無駄なやりとりに辟易したのでしょう。姐さんが突然説明しだしました。


 「義軍全軍で繰り出しても練度が低い町人や連携や信頼度が低いここの守衛を率いてもアホな首領では統率出来ないでしょう。」


 ツンと澄ました綺麗なお顔は変わってないが微妙にディスってるってことは姐さん結構怒ってるな…


 「5日分の根拠は領主軍を発見した時点から物見が戻ってくる日数が3日間。現在は5日の距離にいます。義軍が行軍準備をして1日。領主軍がこの城を攻める背後を取るために遠回りして3日。待機に1日。1日で決着がつかなかった時のために1日。合計5日間です。以上です。」


 「…」


 またカイさんがフリーズしてる。


 理解が追いつかないようだから、この隙に兵糧準備の手配をしに行かないと。





 夕方前に戻ってくるとあちこちで義軍が進軍準備を始めている。


 荷駄隊の準備は済ませたので執務室に戻ってみると黒板に大まかな地図と進軍経路が書かれていた。

 この字は姐さんの字だなこりゃ。

 延々とカイさんに説明を強請られたな。

 姐さんも面倒見が良いけど自分のペースを乱されるのが嫌いだからな。

 今日は機嫌が悪いだろうな。


 「では、時間になりましたので上がらせて頂きます。」


 表情一つ動かさないでいつも通りの時間に席を立つ。


 「そんなこと言わないで。出陣の前に景気づけに一杯行こうぜ!リサちゃん。」


 「お断り致します。人によっては賄賂と受け取る人もいらっしゃいますし、なにより貴方に”ちゃん”呼ばわりされる覚えはございません。」


 「可愛い顔して~。もっとにっこり笑ったら男もほいほい落ちるぜ!!」


 あっ!ヤバい!


 リサさんに男関係の話題は禁句なのだ!!


 

 バンッ!


 リサさんが書類の束を叩きつけるように片付け足早に帰って行った。


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