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兵糧を出せ!

勢いだけで書いてます。

 「五月蠅いので黙ってて下さい。」


 「なんだとこのアマ!いいからさっさと食いもんだせ!こっちは急いでんだよ!」


 「仕事中です。邪魔をしないでください。」


 「なに~~~!」


 机に座っている容姿端麗な女性に机をバンバン叩きながら怒鳴っている野蛮な男っていう図。


 見るに見かねた僕が横やりを入れる。


 「まあまあ。このモードに入っている姐さんに何を言っても無駄ですよ。」


 「したっけおめ~。領主軍がここに向ってきてるって話だぞ!迎え撃つために食料が必要なんだよ。」


 「そうは言ってもですね…」



 このおっさんは、この領主の圧政に耐えかねて立ち上がった義軍とやらの首領でカイさんと言う。

 この町をつい10日前に奪還してやっと落ち着いたと思ったらこの地の領主軍が進行中だと物見からの連絡が入ったようだ。

 この町はアートリークという名で10000人規模で中規模な町並みでぐるりと城郭がある。

 義軍は300人程度らしいけど100人ぐらいがこの町に先行して潜伏し、城内から開門してこの城主を倒した。

 今ではこの町の住人と守備隊の一部を編入して600人まで膨れ上がったみたいだけどはたして領主軍と対抗できるのか。

統治機能はそのまま残さたけど、へんに義軍に迎合して、義軍が倒されて時にどんな罪を着せられるかたまったもんじゃない。

 のらりくらりとやり過ごすのが上策だとは考えられるが…


 「おい!そこの女!おまえが食糧庫の鍵を保管しているのはわかってんだ!女に手を上げるのは気が進まないが俺にも考えがあるぞ!」


 「…」


 姐さんは返事をせずに一心不乱に書類と格闘している。

 この姐さん。リサさんは見目も麗しくクールビューティーなお年頃。年齢のことは聞けない。結婚適齢期が13~15歳であることを考えれば10歳は過ぎているともっぱらの噂である。

 結婚していないので仕事をしている。この城の官僚組織の末端に所属していて地位も最下層。

 ただ、仕事はできる。モーレツに出来る。そして妙な迫力があり、誰も文句言えない。多少口をだせるのがここの領主と元城主だけ。


 「おい!!人の話を聞けっ!!」


 「喧しい人ですね。何か御用ですか?御用の方はお昼過ぎに時間を取りますのでそれまでお待ちください。」


 「昼過ぎって後何時間もあるじゃないか!急いでるって言ってんだろ!」


 「はいはい。分かりました。何の御用ですか?」


 姐さんはため息一つつくと手を止め冷たい目線でカイさんを見上げる。


 「領主軍が近づいてきている。迎え撃つから食料をありったけ出しな!」


 「お断りします。では、仕事を続けさせて頂きます。」


 「こら!話は終わってねぇ!」


 「しつこい人は嫌われますよ。ではあと10分話をお伺いします。」


 「食料を出せ!」


 「それは先程お断りしたはずです。ご用件は以上ですか?」


 「出せっていってるのが分からんのか!これは命令だ!」


 「命令を発するのであれば具体的な用途と数量を要求して下さい。私はこの町の行政の一端を司る以上、全体を見据えて計画を遂行しなければなりませんので。」


 「ぐぬぬ…  では、領主軍を迎え撃つ為に必要なだけの食糧を用意して欲しい」


 「はい。兵数と行軍日数は。」


 「600人分と1ヶ月もあればいいかな」


 「それほどの食料の備蓄はありません。」


 「そんなことは聞いていない。準備しろ!」


 「これで首領ですか…義軍って無能な集団なんですね…

 まあ、分かりました。

 領主軍の規模と現在の位置はどのへんですか」


 「てめぇ聞こえてんぞ!…ざっと1000人ぐらいか。ここから8日の場所にいるようだな」


 「理解しました。では、小麦を108kg、製粉したものを72kg、干肉80kg用意させます。それで型がつかないようであれば貴方達の負けですのでさっさと散って下さい。リューイ準備して。」


 …いつもの姐さんの調子です。

 ちなみにリューイとは僕のことです。

 経緯を全く飛ばして結論だけを返されるので聴いている方はついていけません。


 ほら、カイ首領も目を白黒して黙っちゃった。

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