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アナタハ「コトダマ」ヲシンジマスカァ~?

言霊の定義は詳しく調べてません(汗)違ってた場合でも鋭すぎる突っ込みはご容赦ください…

「………私のいた場所には『言霊』(ことだま)という考えがあってね、簡単に言えば言葉には意味があり、意思がある。悪い言葉を口にすれば災いが、良い言葉を口にすれば善いことが起きると言うものなの」


私の言葉にみんなが耳をそばだてる。


「あの時、私はみんなを侮辱したあいつらが許せなかったから、許さないと言う意思を籠めて束縛と脅しの言葉を言ったんだけど…。まさかあんなことが起こるとは思わなかったな~」


苦笑いをする私に誰も何も言わなかった。

しばらくしてから言葉を発したのはアレクだった。


「それじゃやっぱり魔法とコトダマとやらは別物なんだな?だとしたらそれを操れるサヤは神もしくは神の眷属と言うことか…」


「まぁ、もともと異世界からの召還者ですしね。勇者とならなければ巫女姫として神殿にて神への祈りを捧げて国の礎となるだけの力を持っているはずですから。神の眷属と言われても私は納得しますよ」


バーニーは私のとんでもないらしい能力に呆れたように肩を竦める。


「それじゃサヤって何か言ったらそれが本当になるってことですか~?」


「それだったらさ、もっとご馳走が食いてぇ~とか言ったらぽんっと目の前に出てくるとか?!」


シーラとクレイグの言葉にそれはいくらなんでもないだろうと全員の呆れた視線が刺さる。


「さすがにそれはないと思うよ?というか、そんなことがあったら今頃私は省吾さんと一緒に元の世界に帰ってるって」


「そうですよ。第一、口にした言葉がすべて現実になるならすでにみんな異常に気がついていたでしょう?…しかしそうなるとコトダマというものの発動には何らかの一定条件が必要と言うことでしょうか?」



うーんと考え込むバーニーに釣られて他のみんなも考えてるけど、私にしてみれば異世界に召還されて初めてのチート能力にちょっと浮かれ気味だった。

だってねぇ?どんなお話だって異世界に召還された主人公って何らかの特別な能力をもらってバリバリ活躍するじゃない?

でも、今まで私はそんな不思議能力をもらった記憶もないし、使ったこともない。

せっかくもらったらしい言霊の能力、どこまでそれが使えるのか後でこっそり試してみようと決めた。

あー、それにしてもこんなことならもうちょっとお兄ちゃんたちに詳しい状況を聞いて来ればよかったなぁ。

すぐに戻れないにしろ、頼りになるあの兄たちの意見が聞ければいいのに…。と、思ってふと気づいたことがあった。




「どちらにしろ、サヤにコトダマの能力(ちから)があることはわかったが、その能力は未知数だ。それに世界の理から外れた能力があることを他の者に知られることはよくないだろう」


考えていてもこれといったはっきりしたことがわからないので場が暗くなりかけたが、その雰囲気を断ち切ったのはやはり(一応とはいえ)王子様のアレクだった。


「サヤの能力(ちから)についてはもちろん他言無用。サヤもむやみやたらと発動させないように気をつけてくれ」


気をつけろといわれても何がきっかけで発動するのかわからないんだけどねぇ…。

それでも素直に頷く。


「これ以上ここで頭を突き合わせていても何も出ないと思うが?今日は久々の休日なのだしそろそろ解散してもいいんじゃないのか?」


そうアレクがバーニーに伝えると同意したバーニーが結界を解いた。


「そうですね。では、このあとは自由行動としましょうか。皆さん、なにか街で情報を仕入れた場合は夕食時に報告を。出発は明朝、日の出のころです。くれぐれも寝坊しないように」


最後の部分で視線がアレクとクレイグに向いていた気がするのは気のせいじゃないと思う。

まぁ、アレクが意外と寝穢(いぎたな)いのは実は城にいたころこっそりエレーナさんに聞いていたから知ってたけど。

それでも旅の間はちゃんと起きて行動してたんだけどなー。やっぱり久しぶりの休日ってことで気が抜けてたんだろうか?


兎にも角にもとりあえず一時解散となったのでみんな街に出かけたり部屋に戻ったりするようだった。


「サヤはこの後どうします?私たちは朝ヴァレリアが見つけたお店を見に行くことにしますけど?」


「んー、ごめんね。もうちょっと部屋でのんびりしたいかな。みんな楽しんできてね」


「そうですか?宿にはカーティス殿とギル様が残るそうですから何もないとは思いますが、もしお出かけされるのでしたらお二人と一緒に行動してくださいね?」


心配そうに言うメリッサに了解を伝えると私は女性陣3人が出かけるのを見送った。



「さて、それじゃ作りますかー♪」


3人の姿が部屋の窓からも見えなくなったのを確認してから私は自分の荷物をごそごそと漁り、必要な材料を机の上に並べる。

取り出したのは現代日本人なら誰でも持ってる携帯電話である。


最近はスマフォやアイフォンのほうが人気だけど私は未だに携帯の方が好きなので周囲に流されないで未だにこちらを使っている。

キノコユーザー10年目をなめるなよ、と内心思いつつ携帯の裏蓋を開けると少し考えた後指輪せーちゃんがくれたやつね)についていた誕生石を少しだけ削り取って電池ケースの隙間に押し込んで元通り蓋を閉める。


「おー、できたできたー♪あとはれっつちゃれーんじ」


おもむろに短縮登録してある自宅の電話番号にかけて届くように思いをこめて呼びかける。


『あー、てすてす。こちら爽香ですー。届きますかー?』


その瞬間携帯と持っていた指輪がほのかな光を放った。

今回のサブタイトルは怪しいイントネーションで読んでください(笑)

そして次回、いよいよお兄ちゃん's登場(?)予定です。


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2012.6.25 異世界通信の方法を大幅に変更。

      良く考えたらこの方法の方が簡単でわかりやすかったですよね。

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