エピローグ
祭りの明かりが村を照らす。
いつ以来だろう、村がこんなに明るいのは。
いつか、毎日こんなにみんなで楽しく過ごすのが当たり前の村にしたいな。
俺は、アップとニーナとウィルの4人で祭りの料理が並んだテーブルに座り美味しい料理と幸せをかみしめていた。
「スタン兄ちゃん。デミーにはどのくらいの間いるの?」
「そーだなぁ、基礎を1年はやって来いって言われてて少なくとも2年はかかるんじゃないか?」
「そっか、なら俺もデミーに行くから一緒に卒業試験受けようよ。」
「お兄ちゃんズルイ!! あたしもスタンお兄ちゃんと一緒に卒業試験受けたい!!」
「え~、お前がデミーに来れる年になるの待ってらんないよ。」
「大丈夫だもん!入学試験に合格すれば入れるもん!!」
まーたこの二人はすぐ喧嘩する。
ダンジョンから帰ってからほんとにニーナは元気になったなぁ。
そこに、アジサイの肉を食べながらリンドーがやって来た。
「よう。俺の取ってきたアジサイはどうだ? スッゲー美味いだろ~?」
「うん。最高だよリンドー。ありがとう。」
「はっはっは、そりゃあよかった。またとってきてやるからな。」
リンドーはご機嫌だ。
「そういえば、お前たち一緒に冒険をするなら、パティー名を考えておけよそのうち必要になるからな。」
「あーそういえば、全然考えてなかったなぁ。そうはいっても冒険に出るのはまだ先だし。」
「なにぃ? こういうのはな先に用意しておいた方が楽なんだよ。よ~し。なら俺が、お前たちにふさわしいパティー名を考えてやろう。」
あ、なんかやな予感・・・
「そうだな。スタンとアップだから・・・。お、そうだ、スタンドアップなんてどうだ。何度凹まされても最後には立ち上がる。お前たちにぴったりなんじゃないか。」
うわ~。でたよ。リンドーのネーミングセンス・・・
「えー、なんかなぁ。」
「うん、ボクもちょっとなぁ。」
「俺はいいと思うよスタン兄ちゃん。」
「私も二人っぽくていいと思う。」
どこからか聞きつけてきた村の人たちもやって来る。
「わかりやすくていいじゃねえか~。」
「とっつきやすいしね~。何とかの何とかより依頼とかしやすいんじゃない?」
「いよっ、リジェネア村の冒険者パーティー、スタンドアップ」
えー当事者以外にはなんか受けがいいんですけどぉ!?
「どーするアップ?」
「あはは、もうそれでいいんじゃない?」
リジェネア村の冒険者パーティー『スタンドアップ』が世界にその名を轟かせるのは、これからずっとずっと先の話・・・。




