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5-3話 空の協力者

 「へいへいライゼリクス! こっちだこっち。俺はここにいるぞ。お前の攻撃何か当たんねぇけどな。」


 ついでにお尻ぺんぺんのポーズを取って上空を旋回していたライゼリクスを挑発する。


 「スタン。ちゃんと避けてね。」


 少し離れ、森と平原の境目らへんでアップはスタンバっている。

 

 「任せとけ、いっつもリンドーの攻撃をよけてるんだ。これくらい何とも・・・」


 その瞬間、上空からライゼリクスが急降下してくる気配を感じた。

 

「よしこれをギリギリでよけ・・・やっべ!!」


 全力でその場からアップと正反対の方向に全力でぶっ飛んで逃げる。

 スガーンという衝撃と共に、ライゼリクスの攻撃が地面に到達し1メートルくらいの範囲で地面が抉れてた。


「やっべ、群れからはぐれてるから弱い個体ではじき出されたと思ったのに。お、おまえ、トルネードソニックフォール使いやがったな!!」


 土煙の中に居るライゼリクスに向けて叫ぶ。

 姿を現したライゼリクスは・・・なんと、嘴が地面に突き刺さって抜くのにジタバタと苦労していた。

 あまりにも滑稽なその姿に笑いが止まらない。


「だーっはっは!! 見ろよアップ!! こいつ着地に失敗してやがるwww」

「笑っちゃダメだよスタンwww」


 あまりにも惨めだったので、嘴を地面から引っこ抜くのを俺とアップは手伝った。


「が・・・、が・・・、ガァァァァァ!!!!」

「あーはいはい。今更威嚇とかされてもなんも怖くねえぞ。」

「ぐっ・・・グガァァァァ!!!!」


 プンスカしながら再び上空にライゼリクスは飛び上がる。


「やべ、思わず笑っちまったけど、避けられないと死んじゃうな俺・・・」


 とにかくアイツの攻撃をよく見て見極めてかわさなきゃ・・・ん?

 攻撃態勢に入って急降下し始めたライゼリクスを注視するとある事に気が付いた。

 あれ? もしかして、そういうこと?


「スタン! 危ないよ! 速く逃げて!」

「あー、アップ。たぶん大丈夫だ。たぶんだけど・・・。ちょっとその辺の石か木の棒でも拾って、俺の斜め後ろくらいに投げてくれ。」

「え、なにそれ、ええ、もう・・・。これでいいや。えい。」


 アップが小石を俺の斜め後ろに投げつけ、コツンと音がする。

 その瞬間。

 ライゼリクスはそちらの方に攻撃をした。


「あーやっぱりなぁ。」

「スタン。これどーいうこと???」

「説明は後だアップ。今のうちに魔力を冒険者の腕輪に流し込んでくれ!」

「あ、そっか、うん!」


 魔力の残っている空間に冒険者の腕輪を装備している右腕を置く。


「よーし。まかせてねー。」


 アップが先ほどの様に意識を集中して魔力を操作している。


「ここをこうして・・・これでこう!」


 あっぷの掛け声とともに冒険者の腕輪が反応し出した。


「やったぞアップ!」


 ポチポチと操作をおこないパーティーメンバーの登録を確認する。

 ウィルとニーナの両親の名前がそこにはあった。

 ダンとレイナ二人の名を指でなぞる。


「どうか、お二人の力を貸してください。」


 パーティーメンバーの位置検索を行う。

 処理には少し時間がかかるようだ


「ニーナ。もうちょっとだ。まってろよ。」

 

 嘴が地面に突き刺さったライゼリクスの方に近づき目を合わせる。


「お前、急降下攻撃する時。怖くて目を瞑って音を頼りに攻撃してるだろ?」

「!!」


 ライゼリクスはそっと目をそらした。


「それでも普通のダンジョンなら魔力とかで探って攻撃をあてに行くんだろうけど、このダンジョンじゃぁ難しいもんなぁ。それで、群れで借りしてるときに誰かにさっきの攻撃当てちゃったりして、群れから追い出されたとか・・・?」

「そっか。そういう事だったんだね。」

「まぁ、そのおかげでこうして俺たちの役に立ってくれたんだけどな。」


 嘴を地面から抜くのを手伝うと、ピコンと冒険者の腕輪から音がしてニーナの場所の検索が終わったようだ。


「ちょっと待ってな。役に立ってくれたんだ礼の一つも受けってってくれよ。」


 さっき森に入ったときに見つけた木の実を取って来る。


「腹減ってるなら、これでも食って俺たちの事は見逃してくれよ。俺たちは迎えに行かなきゃいけない子がいるんだ。お前も嘴ボロボロだしさ。」


 じゃぁな~と手を振って俺とアップは冒険者の腕輪が示したニーナの居場所へ急ぐ事にした。

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