3-9 夜空の星とお花摘み
夜になり晩御飯を食べながら、俺はニーナへのお土産をどうしたらいいか悩んでいた。
カイさんやガストさんに相談すればいいアイデアをくれると思うけど、もう少し自分で考えるべきではないかと思ったから晩御飯は外のテラスで一人食べる許可をもらって食べている。
といってもそうそうアイデアなんて浮かばない、たまりかねて見上げた空は星が奇麗で何故か寂しかった。
そういえば、昔聞いたことがあったな。
なんでも映像系のスキルでめっちゃくちゃ制御が難しいけど、景色を切り取って紙に転写するものがあるって。
それが使えたら、この星空の景色を切り取ってニーナに見せてあげれたのになぁ。
「ま、そんなスキルがあったところで、今の俺にはスキルなんて使えないんですけどねぇ~」
うんうんうなっていると、カイさんがやって来た。
「星空の下で食べるご飯も悪くないと思うけど、そろそろ片付けをさせてもらえるかな?」
「カイさん。」
「一人で考えてみて、いいアイデアは出たかい?」
「いやぁ、あはは。あれ? おれ言いましたっけニーナにお土産を持って帰らないといけないって。」
「ああ、さっきね。ガストさんが顔面蒼白になりながら頭抱えて『おおおお、俺、ニーナに土産を用意しろって言ったくせにスタンに帰れって言っちまった!』って突然アワアワしだしてね。」
アレは見ものだったなぁとカイさんは笑っていた。
まぁ、そこはすぐに言い出さなかった俺にも非があると言えばあるというか。
「私がスタン君にこのことを言ったのは内緒だよ? ガストさんはあれで君とアルバート君の前では格好をつけていたい人だからねぇ。意外とかわいい性格してるんだよ。あのごつい顔で。」
カイさんも結構当人が居ないというタイプなのかな・・・
ん? なんかちょっと臭いな。
あ、これ酒入ってるわ。
「ガストさんにはうまくやっとくって言っておいたからさ。僕の話を聞いておくれよ。」
と、普段の生真面目そうなカイさんからは予想できないフレンドリーな感じで詰め寄って来る。
「というわけで、今からお花摘みに行かないかい?」
ニコニコ顔でカイさんがそう言った。
お花摘み???




